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 アイスランドの上空で、波打つように揺れた後分散していく、とても珍しい「オーロラ・カール」が目撃された。

 この神秘的な緑色のオーロラは、1月16日(現地時間)にアイスランド南部にある火山湖「ケリズ」の上空で、天体写真家のジェフ・ダイ氏によって撮影された。

 spaceweather.comによると、このオーロラ・カールの波打つ姿は、地球の磁場がギターの弦のように振動したことによるものだという。その長さは数kmもあると考えられる。

【画像】 オーロラの中でも激レア「オーロラ・カール」

 通常、このようなオーロラの揺れは、高感度の磁気センサーの無味乾燥な記録としてしかとらえられない。

 ところが今回のケースでは、高エネルギー粒子が弦のように揺れる地球の磁場を流れ落ち、夜空を照らす神秘的な光のリボンで演出してくれた。

 その瞬間のことを、ダイ氏は「数分間、天頂に波紋が広がっていた」とInstagramに報告している。

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磁気圏の波のイメージ/Image credit: Martin Archer/Emmanuel Masongsong/NASA

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2024年はオーロラの当たり年

 オーロラは、太陽から放出されたプラズマ粒子が、地球の磁場に引き寄せられ、大気にただよう原子や分子に衝突したときに発生する光だ。

 その光の色は、衝突した原子の種類によっても違ってくる。たとえば、酸素原子とぶつかれば白っぽい緑や赤になるし、窒素分子なら紫や青に発光する。

 だから、それは自然の神秘を感じさせてくれるだけでなく、地球の大気の性質を教えてくれる手掛かりでもあるのだ。

 「オーロラは、地球の上層大気の密度・組成・流速・電流の強さなど、さまざまなことを伝えてくれます」と、宇宙物理学者のエリザベス・マクドナルド氏は語る。

 そうしたことから地球の磁場そのものや、磁場が宇宙にどのように広がっているのか、磁場のダイナミックな変化といったことがわかるのだという。

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 近年、太陽活動が活発になっており、普段ではなかなか見られない印象的なオーロラがよく観察されている。天王星では赤外線のオーロラが初観測された。

 現在、11年周期の太陽活動のピーク(極大期)に向かっており、2024年は素晴らしい光のショーの出現が期待されている。

[もっと知りたい!→]太陽風が地球の磁気圏を突き破り、ピンク色のオーロラが観測される

References:Watch extremely rare 'aurora curls' ripple through the northern lights (video) | Space / written by hiroching / edited by / parumo

 
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なんという神秘!波打つように揺れる「オーロラ・カール」が観測される