レンドンには「野球以外の理由でも頭痛の種となっている」と厳しい言葉が並んだ(C)Getty Images

 今オフ、エンゼルスからフリーエージェント(FA)となっていた大谷翔平ドジャースと10年7億ドル(当時のレートで約1015億円)で契約した。これはプロスポーツ史上最高額となる超巨額契約で、世界中に衝撃を与えた。

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 今回のドジャースのようにMLBの各球団は大物選手を獲得する際に長期契約を提示するケースが多いが、年俸に見合う活躍ができずに、「不良債権」と化してしまう選手もいる。

 現地スポーツメディア『CBS Sports』は現地時間1月30日(日本時間31日)、「MLBで最もトレードが不可能な契約ランキング」と題して記事を配信。長期契約の影響で他球団へのトレードがしにくい選手をピックアップした。

 5位にはタイガースのハビエル・バエスが選出。同選手は21年オフに6年1億4000万ドルの契約を結んだが、22年は打率.238、17本塁打、23年は打率.222、9本塁打と球団が期待するような成績を残すことができていない。4位はロッキーズクリス・ブライアント。22年のシーズン開幕前に7年1億8200万ドルを結んだが、同年は42試合出場、23年は80試合の出場に留まっている。

 3位にはヤンキースジャンカルロ・スタントンが名を連ねた。マーリンズの主砲として活躍していたスタントンは14年オフに13年3億2500万ドルと超大型契約を結んだが、18年にヤンキースにトレードされた。移籍後は低迷するシーズンが目立っているが、ヤンキースについて「スタントンは過去5年間、レギュラーシーズン708試合中391試合にしか出場できず、打者としても衰えた。これはプレーできないほど悪い守備と相まって、彼を平均以下の選手にしている」と厳しい評価を記載した。

 2位にはエンゼルスアンソニー・レンドンが選出された。同選手は19年オフにエンゼルスと7年2億4500万ドルの大型契約を結んだが、故障での離脱が相次ぎ、21年以降に60試合以上出場したシーズンはない。同メディアはレンドンについて「エンゼルスでの最初のシーズンとなった2020年のレンドンは素晴らしかった。ほぼ1年を通して健康だった」としながらも、「それ以来の3年間は486試合中148試合にしか出場できていない。WAR は『1.0』で、彼はまた野球以外の理由でも頭痛の種となっている」と、こちらも厳しい評価をした。レンドンは現地時間21日(日本時間22日)に出演したポッドキャスト番組で「シーズンが長すぎる」と発言し、物議を醸した。

 そして、1位にはナショナルズスティーブン・ストラスバーグがランクイン。19年に18勝をマークし最多勝を獲得した右腕はオフに7年2億4500万ドルを結んだ。しかし、20年以降の4年間で計8試合の登板に留まり、昨年の8月には引退する意向も明かしていた。長期契約締結直後に不良債権化してしまった右腕に、同メディアは「バエス、ブライアント、レンドン、スタントンの場合、トレード市場で買い手が見つかる可能性はわずかにある。しかし、ストラスバーグにもう身体的に投げることができず、トレードのチャンスはない」と辛辣な評価を記載し、1位に選出した理由を綴った。

 今オフに大型契約を結んだ選手たちは、年俸に見合った活躍を披露することができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

米メディアが「MLBでトレードが不可能な契約」ランキングを発表 不良債権化するレンドンを抑えて“ワースト1位”になったのは?