未開通の熊本県内でさらに計画が進みます。

未開通の熊本県内でさらに計画進行

国土交通省 熊本河川国道事務所は2024年1月30日(月)、整備が進む高規格道路「有明海沿岸道路」について、熊本県内の「長洲~玉名」区間の「計画段階評価」を進めていくため、地元向けアンケート調査を行うと発表しました。

有明海沿岸道路は、熊本・福岡・佐賀・長崎のアクセスを強化するため、文字どおり有明海沿岸をぐるっとむすぶ高規格道路です。高速道路だと九州道長崎道鳥栖JCTで乗り換えるため、かなりの迂回になります。よりきめ細かな地域アクセスを向上させるため、全通が要望されています。さらに不便な佐賀空港の広域アクセスも向上が期待されます。

すでに開通済みなのは、大牟田市の三池港ICから北上し、筑後川を渡って佐賀県に入ってすぐの大川町の諸富ICまで。飛んで、佐賀市の嘉瀬南ICから白石町の福富ICまで。西は最終的に鹿島市、南東は最終的に熊本市までつながる構想です。

大牟田から南は荒尾まで事業化済みで、そこから熊本市までは事業化されていません。そのうち計画段階評価で「概略ルート決定」に向けて動き出したのが、今回の「長洲~玉名」区間です。

この区間は九州道がかなり内陸部を走っていて、沿岸周辺の市街地は国道501号と国道208号が担ってきました。しかし中長距離の通過交通と生活交通が混在して、朝夕を中心に渋滞が多発。工場や物流拠点は九州道から遠い沿岸部のため、結局ここにトラックが集中している現状があります。

計画段階評価には地域の声を聴取するプロセスがあり、一般的にアンケートが行われます。今回もネットやはがき道の駅やSA/PA、公共機関で回答ができます。実施は4月末まで。集まった意見を参考にして、概略ルートが決まれば、都市計画決定・環境アセスメントの手続きが行われ、完了すれば事業化を待つ段階になります。

渋滞する国道501号(画像:国土交通省)。