やっと見つけたと思ったら「回送」って……タクシーのスーパーサイン「回送」ってどういう状態?

この記事をまとめると

■タクシーがスーパーサインを「回送」にして走るのを見かけるがその理由を解説

■タクシーが「回送」にして走っているときは業務を終えて帰庫する場合が多い

■業務中の休憩時間や乗客とのトラブルへの対応で「回送」と表示する場合もある

タクシーが「回送」にするのはどんなとき?

 街なかで「回送」にして走行しているタクシーを見かけることがあります。この「回送」とはどのような状態なのでしょうか。今回は、タクシーが「回送」で走行する理由を深掘りします。

会社の車庫に戻るとき

 タクシーが「回送」で走行しているときの多くは、業務が終わって帰庫するときです。

 タクシー乗務員の勤務形態(雇用形態)はさまざまですが、勤務時間になったときや走行距離(乗務距離)の上限に達したときは乗務を終えなければなりません。乗務を終えて会社の車庫に戻るとき、タクシーは「回送」にします。

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

 タクシーは、法律によって勤務時間や乗務距離が定められています。時間や距離が定められているのは、乗客を安全に目的地まで送り届けるためというのも理由のひとつです。

 そのため、長距離乗車をするときは、「◯◯まで行きたいのですが、大丈夫ですか?」と確認するとよいでしょう。勤務時間や業務距離を超えて安全な運転ができない状態にさせないようにすることは、乗車するあなたの命を守ることでもあります。

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

乗務員の休憩時間

 タクシーの乗務員も人であるため、トイレ休憩や食事休憩をしなければなりません。これらの休憩のためにタクシーを走らせているときも「回送」にする場合があります。

 休憩のために「回送」にするかどうかは乗務員それぞれの判断となるため、すべてのタクシーが休憩時に回送にするとは限りません。ただ、タクシーを安全に走らせたり、乗客を安全に目的地に送り届けたりするために、休憩中は「回送」にして気を張らないようにする乗務員もいます。

故障や乗客トラブルの場合も「回送」となる

トラブルが起きたとき

 タクシーもクルマという機械であるため、車両にトラブルが発生することがあります。もちろん、トラブルや不具合がないよう、乗車前に点検はしているものの、クルマという機械である以上、さまざまなトラブルはつきものです。万が一、車両に関するトラブルが発生したときは、「回送」に切り替えて帰庫してクルマを乗り換えることがあります。

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

 また、乗客トラブルがあったために「回送」にすることもあります。たとえば、泥酔した乗客が車内で失態してしまったときは、次のお客様を乗せるわけにはいきません。このようなときは「回送」に切り替え、帰庫してクルマを乗り換えたり、車内掃除をしたりします。

タクシーの回送にはさまざまな理由がある

 タクシーが「回送」にするのは、帰庫するとき、休憩しているとき、トラブルが起きたときなど、何らかの理由があるため「回送」にしています。そのため、「回送」で走っているタクシーを見たときは、無理に呼び止めたり、「回送」から「空車」に切り替えるよう急かしたりしないほうがよいでしょう。

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

 また、近年ではタクシー配車アプリが普及したことも影響し、「回送」だけでなく「迎車」を見かけることも増えてきました。もちろん、「迎車」となっているタクシーを呼び止めて乗車することはできません。

 もし、タクシーを頻繁に利用するようであれば、街なかで「空車」のタクシーを探すより、タクシー配車アプリを利用した方がよいでしょう。アプリでタクシーを配車すれば、確実に乗車できるだけでなく、タクシーを探す手間を省くことができます。また、乗務員も街なかを走って乗客を探すより、アプリで配車された方が確実に乗客を乗せられるため、効率よく乗務できるというメリットがあります。

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

 タクシーに乗りたいという乗客の要望と空車状態を少なくしたい乗務員の要望を同時に実現するタクシー配車アプリを有効に活用すれば、「迎車」や「回送」になっているタクシーを呼び止めることもなくなるでしょう。

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

タクシーの「回送」ってどんな状態かを元運転士が解説

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