TVアニメ「ゆびさきと恋々」(毎週土曜夜22:30-23:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラスTVerHuluほかで配信)の第5話が2月3日に放送された。逸臣の家に初めて足を踏み入れた雪。そこでのあまりにズルい逸臣の言動に翻弄される視聴者が相次いだ。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】ノートの余白を使って、文字で会話をする逸臣(CV:宮崎遊)と雪(CV:諸星すみれ)

■TVアニメ「ゆびさきと恋々」とは

ゆびさきと恋々」は、「月刊デザート」(講談社)にて連載中の、森下suuによる同名漫画のアニメ化作品。聴覚障がいのある女の子・雪と世界を旅する大学の先輩・逸臣のピュアラブストーリーがSNSを中心に反響を呼び、累計発行部数380万部突破(電子含む)、「第11回ananマンガ大賞」「このマンガがすごい!2021」などの数々の賞にランクインしている。

アニメーション制作を亜細亜堂が手がけ、監督・絵コンテを村野佑太、キャラクターデザインを酒井香澄、音楽を橋本由香利が担当。糸瀬雪役は諸星すみれ、波岐逸臣役は宮崎遊が務める。

■2人きりの部屋でお互いを知る雪と逸臣

ひょんなことから逸臣の家で一緒にご飯を食べることになった雪。逸臣の両親は海外に住んでいるそうで、雪は緊張しながら2人きりの時間を過ごす。

逸臣はりん(CV:本渡楓)と同じく大学2年生だが、1年間留学していたから年齢は1つ上の22歳。家族はドイツに在住中で、両親と年の離れた妹がいる。逸臣も昔はドイツに住んでいたのだとか。

雪が逸臣に渡した手話ノートの余白を使い、文字で互いのことを教え合う2人。知りたいという雪と逸臣の気持ちが文字に載っていく。背景の色と色がグラデーションのように混ざり合っていくアニメーションで、2人の心の距離が近づいていく様子が表現された。

それがパッと消えたのは、口話の話題になった時。雪が家族とは読唇と発声でコミュニケーションを取っていることを知ると、逸臣は雪も声を出すのかどうかを問う。「ほんの少しだけ家族にだけなら」と答える雪。その時、彼女の顔が一瞬だけ曇ったのは、かつて声が変だと言われたことがあるからだった。

だけど、空気が重たくなりそうで雪がそのことを話せずにいると、逸臣は世界の色んな通貨を引っ張り出してくる。雪の表情の陰りに気づき、笑ってほしいと思ったのだろう。逸臣は少し変なお面をつけて彼女を驚かせる。すると雪は笑った拍子に思わず声が出てしまうのだった。その時、逸臣のもとにりんと一緒にいる京弥(CV:逢坂良太)から電話がかかってくる。

■雪とエマを翻弄する逸臣の罪深い魅力

まさか逸臣が雪を家に連れ込んでいるとは思わず、驚きを隠せない京弥。逸臣の雪に対する距離がやたら近いことを気にしている京弥は、「変なことするなよ」と忠告するが、すぐに電話を切られてしまう。

たしかに逸臣が雪に接する距離はかなり近い。雪の肩に腕を回し、自分の方へ引き寄せたり、「雪って一緒にいて眠くなるって言われたことない?」「かわいい」「雪にはいろんなもの見せたい 教えたい」と勘違いするような言葉を平気でかける。2人を纏う甘い空気に顔がニヤけっぱなしの視聴者も多いことだろう。こんなの好きにならない方が難しい。

そんな逸臣に心を奪われてしまった女の子がもう一人。幼馴染のエマ(CV:東山奈央)だ。合鍵を返しにきた彼女は雪と鉢合わせしてしまう。2人が会うのはこれが二度目。雪の方はエマを認識しているが、エマは雪のことを覚えていなかった。

当然、雪が耳が聴こえないことも知らないエマは、牽制のつもりでわざと大きな声で逸臣にお礼を言う。その言葉は聞こえなかったが、雪はエマが逸臣に合鍵を渡すところを見てしまった。そのまま逸臣が追いかけてくるのも待たず、一人で帰る雪。逸臣とエマがどういう関係なのかが気になって不安になる雪の気持ちも、雪に逸臣を取られたくなくて必死に自分の方が深い仲であることをアピールしてしまうエマの気持ちも両方わかるだけに切ない展開だった。それもこれも、逸臣が罪深いほどに魅力的なせいである。

■視聴者も逸臣の魅力にやられっぱなし!

後日、雪とりんはお互いの恋愛事情について報告し合う。りんは買い出しの後、京弥とドライブや夕飯を共にし、少しだけ距離が近づいたようだ。

一方、逸臣とエマの関係を知りたいけど、怖くて聞けないと肩を落とす雪。そんな彼女にりんは「逸臣さん、雪に対する目がすごく優しいよね」と伝える。それはただの励ましではない。実際、逸臣が雪に向ける表情や語りかける声は、穏やかで柔らかく、大事に思っていることが伝わってくる。

そんな中、りんの家を逸臣が突然訪ねてくる。慌てる雪の手を取り、エマが来たことで聞きそびれた「俺なら大丈夫ってどこまで?」という質問の答えを求める逸臣。その前に、と雪から手話を覚えたい理由を聞かれた逸臣は「雪としゃべりたいからに決まってんじゃん」と答えるのだった。

それを受け、雪が勇気を振り絞って逸臣の手のひらに書いたのは「ぜ」「ん」「ぶ」という3文字。もう好きと言ったようなものだ。逸臣が雪の手の甲にしたキスは両思いの証なのか。視聴者の心まで翻弄する逸臣に、「おい逸臣!!!!勘違いするって!!好きじゃんもうそれ!!!! 」「逸臣さん、こんなん誰だって惚れる…」「もー毎回!!逸臣さんにはやられっ放し」「逸臣さん…もう2次元しか愛せないw」と興奮冷めやらぬ感想が挙がっている。

◆文=苫とり子

テレビアニメ「ゆびさきと恋々」第5話が放送/(C)森下suu・講談社/ゆびさきと恋々製作委員会