1月13日に投開票がおこなわれた台湾総統選挙。ニコニコニュースでは、「台湾総統選前日の台北市の盛り上がりを生中継《台湾総統選2024》」「対中路線か、親中路線か!?台湾の行方を決める総統選挙を現地から生中継《台湾総統選2024》」の2本の番組をお送りしました。
 
 本記事では、両番組の出演者、畠山理仁さんによる総統選挙期間の台湾の様子のレポートをお届けいたします。番組をご覧になった方も、まだご覧になっていない方もぜひ、日本の選挙では見られない驚きの光景や各候補者の事務所の様子などをお楽しみください。

文/畠山理仁

民主主義のお祭り・台湾総統選挙

 台湾総統選挙は4年に一度開かれる民主主義のお祭りだ。

 台湾では誰もが政治を「自分ごと」として考え、明るく、熱く語っている。そこには日本社会にありがちな「政治は難しい」という壁がない。政治はすべて生活に直結しているという自覚があるから、台湾では多くの人が万難を排して選挙に参加する。民主主義の基本がしっかり根付いているのが台湾だ。

台湾総統府
台湾総統府


 筆者が初めて台湾総統選挙を現地取材したのは2000年だったが、当時の衝撃は今でも忘れられない。なにしろ候補者の選挙事務所には巨大なアドバルーンが上がり、ビルが1棟まるごと選挙事務所になっていた。ビルの壁は幅20m×高さ15mもの巨大な総統候補のポスター1枚で覆われていた。

 選挙事務所内には現代アート風のおしゃれな椅子が置かれ、誰もが気軽に入れるようになっている。実際に制服姿の高校生カップルがお茶を飲んでおしゃべりし、隙を見ては抱き合ってチューをしていた。嘘じゃない。本当だ。

 夜の小学校で開かれた集会では、候補者が提供したスクーターなどの豪華景品が当たる抽選会が行われていた。集会後にはその場で調理する豪華な食事が振る舞われる大規模な宴会もあった。多くの人が党派を問わずに参加して、大いに政治を語っていた。

2000年の国民党集会
2000年の国民集会。プレゼントのスクーター



「候補者のお金で飲み食いしながら政治の話をして、投票先は自分で決める」

 かつて国民党の宴会で出会った男性は笑いながらそう話してくれた。

2000年の国民党大宴会


 街中もすごかった。家電量販店では「台湾総統になろう」というシミュレーションゲームが売られていた。それも1種類ではない。3社から出ていて店頭に山積みされていた。実際に購入してプレイしてみると、ゲームの中に出てくるイベントがこれまた激しかった。

「対立候補の妨害工作を『黑金(裏金)』で暴力団に依頼する。300万円払う」

「相手候補の支持率が下がり、トップに躍り出る」

「しかし、妨害工作を画策したことがバレて支持率が大幅に下る」

 ゲームでは実際の候補者に似せたコミカルなキャラクターが選挙戦を戦うのだが、中身がものすごく生々しかった。

 ゲームだけではない。選挙事務所内のグッズショップでは、1体1万5千円もする候補者のリアルなフィギュアが1000体限定で売られていた。音楽に合わせてお尻を振りながら踊る総統候補そっくりの人形が副総統候補の人形とセットで売られていた。

 おしゃれなTシャツや文房具はもちろん、1枚50万円を超える油絵や食器、ジュエリーもある。こうしたグッズの売上が選挙運動を支える費用になるのだ。

 驚いたことは他にもあった。台湾では総統候補が気軽にコスプレをする。与党・国民党(2000年当時)の連戦候補は、63歳なのにローラーブレードを履く。宇宙服のコスプレもする。候補者のテーマソングが何曲も作られる。選挙事務所では連戦候補者本人が出演するカラオケのビデオが延々と流れていた。街中の書店では、総裁候補の著書だけでなく、民進党・陳水扁の写真集が平積みで売られていた。

2000年、陳水扁候補の写真集。


 その写真集がまたすごい。生い立ちから政治家としての歩み、家族との写真だけでなく、なんと、映画のワンシーンを陳水扁がコスプレで再現したページまであったのだ。

 2000年に見た写真集では、民進党民主進歩党)の陳水扁候補が、映画『ミッション・インポッシブル』のワンシーンを再現していた。トム・クルーズがCIA本部に侵入し、ロープで宙吊りになってコンピューターからデータをコピーする有名なシーンだ。

 「政治の闇を暴く」。そんなコピーも入った写真集が書店でベストセラーになっていた。

 テレビでは政治腐敗を批判するCMがバンバン流れる。とにかく台湾は政治が身近だ。筆者はこの時の衝撃が忘れられず、ニコニコ生放送に今回の現地取材を提案したのだった。


台湾ではなぜ選挙が盛り上がるのか

 2024年1月12日〜13日、ニコニコ生放送は台湾総統選挙の盛り上がりを2日間にわたって現地から生配信した。筆者も現地取材に同行し、その熱さを肌で感じてきた。
 
 投票日前日の1月12日の取材に同行してくれたのは、台湾に住む政治研究家の孫若梅(ソンジョメイ)さんだ。ニックネームは「小梅(こうめ)」さん。小梅さんは北海道大学大学院に留学経験があり、大学院では台湾女性政治家の研究をしていた。2022年には台湾の地方村里町長選挙に無所属で立候補した経験もある。

 なぜ、台湾の人たちは選挙で熱くなれるのか。小梅さんに聞くと、こんな答えが返ってきた。

「私たちの暮らしは政治と密接に関わっていて、選挙結果が私たちの生活に反映されるとみんな知っているからです。だから台湾では選挙をお祭りのようにして楽しみ、激しく戦います。日本の若い人たちも政治に関心を持って、政治に対して意思表示をすることがとても大切なことだと知ってほしいですね」

 台湾では普段から家族間でも政治の話をするのだろうか。

「します。ただ、私の両親は国民党を支持しています。私は無所属で選挙に出て落選した後、民進党に入党しました。それからは家で政治のことを話すと喧嘩になってしまうので、あまり話題にはしません(笑)。ただ、私が選挙に出ることについて、家族から反対されることは全くありませんでした。立候補は権利だからです」

番組に出演してくださった孫若梅さん


 台湾では、自分の主張と他人の権利の切り分けがはっきりしている。それが台湾の民主主義のよいところだ。他陣営の選挙集会を邪魔することもなく尊重し、応援するときは全力で応援する。多くの人が参加する台湾の民主主義はとても成熟している。

 今回は総統選挙と同時に国会にあたる立法院(定数113)の選挙も行われていた。街中のポスターを見ると、若い女性候補の姿も目立った。立候補のハードルが低いのだろうか。

「女性が選挙に出ることは、日本ほど特別なことではありません。日本のように変な目で見られたり、嫌な思いをさせられたりすることもありません。台湾ではアジアで初めて同性婚も認められました。非常に先進的な国だと私たちは誇りに思っています」(小梅さん)

 どうしてこれが日本ではできないのだろうか。日本人はみんな台湾総統選挙を現地で見て、どうやったら選挙が盛り上がるのかを学んでほしい。

 間違いなく言えることは、「台湾の選挙はオープンで敷居が低い」ことだ。筆者は現地の言葉がわからないが、現地にいるだけで楽しい気持ちになる。誰もが「自分が民主主義の主役」と本気で信じている。誰かが声を上げてコールを始めると、周りの人たちがしっかり反応してくれる。どこに行っても「排除されないことの心地よさ」を強く感じた。

 日本でも、政治家や有権者の意識が変われば、きっと楽しい選挙ができるはずだ。今の日本の投票率が低いのは、「面白い選挙」をプロデュースできない社会に責任がある。民主主義の根幹である選挙は、本来、みんなが参加できる楽しいイベントなのだ。

投票率が高い台湾選挙とお金の関係

 今回の台湾総統選挙に立候補していたのは次の3人だ(届け出順)。いずれも供託金1500万元(約7500万円)を支払い、副総統候補と一緒に選挙戦を戦った。

 選挙の主な争点である「中国との関係」を整理すると、与党・民進党は「親米」、野党・国民党は「親中」。第三勢力の民衆党は「アメリカとも中国とも関係をもつ」という立場だ。

1.柯文哲(かぶんてつ)/台湾民衆党(以下、「民衆党」)/党主席・元台北市長

副総統候補・呉欣盈(ごきんえい)/立法委員

2.賴清德(らいせいとく)/民主進歩党(以下、「民進党」)/現副総統・党主席・元行政院長・元台南市長

副総統候補・蕭美琴(しょうびきん)/前駐米代表(52歳)

3.侯友宜(こうゆうぎ)/中国国民党(以下、「国民党」)/新北市長・元内政部警政署署長

副総統候補・趙少康(ちょうしょうこう)/元立法委員

 台湾の面積は36,200km²。日本でいえば九州より少し小さい。そこに住む人たちは2326万人。1月13日に行われた総統選挙の当日有権者数は1954万8531人だ。

 日本と台湾は政治制度が違う。日本は議院内閣制で、選挙で選ばれた議員で構成される国会が内閣総理大臣を指名する。一方の台湾は「半大統領制」だ。台湾のトップリーダーである総統は軍も統括し、大統領のような強い権限を持つ。そして、行政院の行政院長を任命する。行政院長は日本で言えば首相に相当する役職だ。台湾では総統を中心に大きな方針が決められ、行政院長を中心に政策の決定と執行が行われる。

国民党のステージ


 日本と台湾の一番の違いは、トップリーダーを人々の直接投票で決めていることだろう。

「自分の一票でリーダーを決められる」

 こんなにシンプルで盛り上がる選挙はない。だから台湾は投票率が高い。今回の総統選の投票率は4年前の74.9%から下がったとはいえ、71.86%もある。

 ちなみに台湾で総統が直接選挙により選ばれるようになったのは1996年からだが、投票率は次のように推移している。

1996年 76.04%(当選者:李登輝中国国民党
2000年 82.69%(当選者:陳水扁/民主進歩党
2004年 80.28%(当選者:陳水扁/民主進歩党
2008年 76.33%(当選者:馬英九中国国民党
2012年 74.38%(当選者:馬英九中国国民党
2016年 66.27%(当選者:蔡英文民主進歩党
2020年 74.90%(当選者:蔡英文民主進歩党
2024年 71.86%(当選者:賴清德/民主進歩党


 いずれも日本に比べると高い数字だ。世界的に見れば投票が義務化されていて90%を超えるオーストラリアなどもっと高い国もあるが、留意すべき点がある。

民進党のステージ


 台湾の選挙は日本などと違い、在外投票や不在者投票、期日前投票ができないことだ。つまり、有権者の71.86%が選挙当日に投票所で一票を行使している。

 投票できるのは、選挙当日の1月13日午前8時から午後4時まで。有権者は本籍地で投票する必要があるため、投票日を目指して海外から帰国する人(4120人)もいる。国内でも投票するために本籍地へと大移動する。新幹線や長距離バスでお金も時間もかけて投票に行く人が珍しくない。そんな状況で投票率が7割を超えているのだからすごい。

 実際に台湾の街中を歩いてみると、さらにびっくりする。

 日本では候補者のポスターや看板には公職選挙法で細かい規定があり、サイズも枚数も決まっている。ところが台湾では街のあちこちに総統候補と副総統候補の顔写真が大きく載った巨大な看板がある。

 それどころか、公共交通機関であるバスが総統候補のラッピングバスになっている。デコレーションされた車も走る。バイクや車には自分が支持する候補者の小旗やポスターがつけられている。候補者の選挙事務所に行けば、顔写真が入ったオリジナルのティッシュペーパーや小旗、キャップミネラルウォーター、シールや缶バッジが配られる。日本なら「利益供与だ」と大問題になりそうだが、台湾では問題にならない。

民進党ミネラルウォーター


 なんと台湾では「1個30元以下(日本円で約150円)」であれば粗品の配布が可能だ。そのため選挙事務所に行くと、候補者名が入ったボールペン、ティッシュ、マスクなどが手に入る。総統選挙は正月の時期に行われることもあり、玄関先に貼る新年のポスターや縁起物のポチ袋も無料でバンバン配られていた。

「一人で何個も持っていく人がいるのでは?」

 選挙事務所で聞くと、「そんなことがないように適正に配っています」と笑われた。

 日本と台湾の選挙の大きな違いは、選挙に使える経費の上限額をみればわかる。

 台湾総統選挙を管理・運営する中央選挙委員会によると、今回の総統選挙の活動経費上限額は、過去最高の4億2749万4000元になっている。1ドル4.59円で換算すると、なんと、19億6374万4726.23円も使っていい。計算式もちゃんとある。

「(中華民国の自由地域の総人口の70%×20元)+1億元=4億2749万4000元」

 日本でも選挙運動経費には上限額が定められている。たとえば2020年に行われた有権者数1129万229人の東京都知事選挙の場合は次のようになっている。

「(告示日における選挙人名簿登録者数×7円)+2420万円=約1億円」

 台湾の有権者数は東京都の約2倍弱だ。しかし、選挙にかけられる経費は約20倍にもなる。これだけお金がかかったお祭りだから、大きく盛り上がるのは当然だといえる。



選挙事務所は陣営ごとにカラーがある

 日本で選挙が行われる際、候補者の選挙事務所を訪ねる人はそれほど多くない。熱心な支援者たちが作業をする場所という雰囲気で、部外者には敷居が高い。実際、事務所の中が見えなくなっていて、一般の人を遠ざけるような事務所もある。

 しかし、台湾総統選挙の事務所(競選總部)はまったく違った。入り口は常にオープンで、誰が訪問してもいい雰囲気になっている。入り口に立つと「どうぞ中を見て行って下さい」と事務所内から声がかかって大歓迎される。ニコニコ生放送でも実際に3陣営の選挙事務所を訪ねているので、ぜひ、それぞれの事務所の特徴を見比べてほしい。

【民衆党・柯文哲候補】

 まずは民衆党の柯文哲候補の事務所だ。イメージカラーは「ティファニーブルー」。事務所の全面がガラス張りで事務所内がよく見える。壁には支援者からの寄せ書き。入口そばのカウンターではオリジナルグッズが売られている。事務所の前では若者たちがSNSに上げるための応援ダンスを撮影していた。

民衆党の事務所


 取材班が訪ねたときは事務所内で党幹部の記者会見が開かれていたが、その最中も若者たちは外で大いに盛り上がっていた。あまりにも若者たちの声が大きすぎて、事務所のベテランのスタッフが「今記者会見中だから少し静かに」と声をかけに行くほどだった。

 ボランティアスタッフだけでなく、事務所に遊びに来る人たちも若い人が多い。事務所に足を踏み入れると、小旗、ポケットティッシュ、アメ、コーヒーなどがどんどん出てくる。面白かったのは、小さな緑色の植物の芽をかたどったクリップを渡されたことだ。

「これは小さな草です。私たちは2019年にできた若い政党です。私たち一人ひとりは今は一本の草のようなものですが、いつか大きな木になります」

 事務所の若い女性スタッフがそう説明してくれた。

 台湾はケーブルテレビの数が多く、メディアごとに応援する政党や候補者が違う。民衆党は2019年にできた新しい政党のため、TVメディアに取り上げられる機会は少ないという。改選前の立法院の議席は、定数113のうち5議席しかない。

「他党と比べるとTVメディアに取り上げられる機会が少ないため、自分たちで独自にユーチューブ配信をするためのスタジオを選挙事務所内に作りました」

 広報担当者の説明を聞きながらスタジオ内のモニターを見ると、柯文哲候補を乗せたオープンカーが車列を組み、市内を走り回る様子が生配信されていた。こうしたパレードは「車隊掃街」と呼ばれる。有権者はインターネットを通じて車列が市内のどこを走っているかもリアルタイムで把握できる。柯文哲陣営は候補者のショート動画など、活動の重点をSNSなどのネット空間に置いていたのが特徴的だった。

民進党・賴清德候補】

 続いて訪れたのは、蔡英文政権で副総統を務める与党・民進党の賴清德候補の事務所だ。入り口で「ニコニコ生放送」だと伝えると、日本語を話せるボランティアガイドさんがやってきて対応してくれた。選挙事務所を案内するボランティアだけで200人はいるという。多くの人が続々と事務所に遊びに来ていて、非常に活気がある。

民進党の事務所


 以前は日本に住んでいたという60代の女性スタッフが流暢な日本語で説明してくれた。

「私自身はこれまで毎回、総統選挙で投票してきました。けれども、2019年に香港の抗議デモが中国によって鎮圧された件で強い危機感を覚えました。今回はいてもたってもいられなくなり、民進党を応援するためにボランティアに志願しました」

 賴清德事務所のコンセプトは「挺台湾(チームタイワン)」だ。賴清德候補は小中学校時代に野球をやっていて、ポジションはキャッチャーだった。そのため事務所全体が野球のスタジアムをコンセプトにしたデザインになっている。賴清德候補のロゴマークには「WE ARE THE MVP OF DEMOCRACY」の文字があしらわれていた。

 事務所内には野球場の応援に使うようなバット型のメガホンや、蔡英文総統のサイン入り木製バット、賴清德候補のサインボールなどが飾られている。事務所の床は野球場ダイヤモンドが描かれている凝りようだ。

 事務所内正面の大型スクリーンにはグローブを持ち、スタジアムジャンパーを着た賴清德候補の映像が流れている。案内してくれたボランティアの方が、「スクリーンの前にあるタッチパネル型の端末を触ってみてください」とすすめてくれた。

 画面をタッチすると、賴清德候補を応援するサインボールを自分でデザインすることができる。画面上に自分のサインを書くと、すぐにオリジナルデザインのサインボールができあがる。そのボールをスクリーン上の賴清德候補がキャッチしてくれる仕組みだ。

 事務所の奥にはオリジナルグッズを売る売店もあり、こちらは野球場ロッカールームのようなデザインだった。民進党のイメージカラーである「緑」を基調にしたスタジアムジャンパーも売られている。値段は3600元(約1万6500円)だが、とても売れている。民進党の集会にいくと、多くの人がこのジャンパーを着ていた。

 台湾では選挙事務所が「候補者のテーマパーク」のようになっていた。とくに支持していなくても、どんなしかけが待っているのかと遊びに行きたくなる工夫が凝らされている。

国民党・侯友宜候補】

 最後に訪れたのは侯友宜候補の事務所だ。国民党のイメージカラーは「藍(青)」。入り口には来訪者が写真を撮れるように「2024 台湾再出發」と書かれた照明が台湾国旗とともに飾られていた。月や地球、雲の形をしたカラフルオブジェも光っている。夜でも事務所はにぎやかだ。

国民党の事務所


 選挙事務所の中に入ると、集会ができるステージと大型モニターが設置されている。子ども連れで訪れても子どもが遊べるようにキッズコーナーもある。台湾で縁起物とされる大根のオブジェも飾られていた。

 保健政策、外交政策、経済政策など、候補者の政策ごとにブースがわかれており、それぞれのブースで写真撮影ができるようになっていた。

 「両岸関係(中国との関係)についての政策パネルには「反對台独」(台湾独立には反対)の文字がある。ここが与党・民進党とはスタンスが大きく違った。

 撮影用の小道具も充実している。事務所に集まっているスタッフは年配者が多いが、みんな優しい。事務所内を案内してくれて「写真を撮ってSNSにどんどんアップして下さい」と勧められる。お菓子もくれるしミネラルウォーターもくれる。ポスターや小旗もくれる。TシャツやキャップなどのオリジナルグッズはQRコード決済で購入できるようになっていた。

 事務所の外にある駐車場に行くと、ビルの一面に高さ15m×幅10mほどの大きなポスターが貼られていた。ポスターには民進党蔡英文総統の大きな顔写真。蔡英文総統の手にはいかにもコラージュっぽい札束が握られていた。なんだ、これは

蔡英文総統のポスター


蔡英文総統は3000坪の土地から1年間で4320万元も儲けている、というポスターです」

 ネガティブキャンペーンなのか? 一体誰がつくった巨大ポスターなのかと思ってよく見ると、ポスターの端に「板橋西区立委候選人 林國春」と書かれていた。蔡英文総統の巨大ポスターの横には、これまた大きな別のポスターが貼られている。国民党から立法委員選挙に立候補している「林國春」候補の顔写真が載った大きなポスターだ。

 ネガティブキャンペーンでも、きっちり顔と名前を出す。そして堂々と批判する。日本の選挙では出所不明の怪文書が飛び交うことも珍しくないが、台湾は表で堂々とライバル政党を批判していた。激しいけれど、とても潔かった。

コールアンドレスポンスが4時間以上!

 台湾総統選挙の告示日は2023年12月15日。選挙運動期間は2023年12月16日から2024年1月12日までの28日間で、各陣営は毎日午前7時から午後10時まで活動する。しかし実際は1年近く前から事実上の選挙戦が始まっている。各陣営は毎日のように数万人単位が集まる集会を開く。そして選挙戦最終盤には大都市で大規模な集会を開く。その集会に集まる人の数が日本では考えられないほどすさまじい。

 毎回、総統選挙でメインの集会場になるのは台湾総統府前の「凱達格蘭大道(ケタガランたいどう)」という全長400m、両側10車線の道路だが、この道路を封鎖して特設ステージが作られるのだ。

 投票日前々日の11日には民進党・賴清德候補が凱達格蘭大道で集会を行った。集まった人は、なんと30万人。最寄り駅から混雑が始まり、ステージが見える場所までたどり着くのも大変だ。

 この凱達格蘭大道をどこの陣営が使用するかは「先着順」だという。使用許可申請の受付が始まる日には、時報とともに各陣営の支援者が一斉に使用申請をする。まるで人気ライブのチケット争奪戦のような争いだ。どの陣営にも公平にチャンスがある。

 1月11日民進党の賴清德陣営が権利を獲得した。しかし、一番盛り上がる投票前日の1月12日は民衆党の柯文哲陣営が勝ち取り、使用することになっていた。同じ場所で別の陣営がたった1日でステージを作り変えるのだ。

民進党の最終集会


 ニコニコ動画のスタッフ・ケンさんが民衆党に「前日の民進党のステージをそのまま使うんですか?」と聞いたところ「そんな恥ずかしいことをするわけがない! 自前でステージを設置する!」と力強く言われたそうだ。

 1月12日のお昼ごろには民衆党の新しい特設ステージが完成し、夕方から大集会が開かれた。集まったのは35万人! 若い参加者が頭の上に「光る小草のカチューシャ」をつけて旗を振り、会場を埋め尽くしていた。その模様はユーチューブで生配信され、同時接続をした人は32万人もいた。立法委員選挙の候補者が登壇して演説するだけでなく、候補者を支援するアーティストの歌や踊りで会場は大いに盛り上がっていた。

民衆党の最終集会


 一方、凱達格蘭大道を取れなかった民進党の賴清德候補、国民党の侯友宜候補は、いずれも新北市板橋区にある第一運動場、第二運動場を最終集会の会場に選んだ。

 国民党は全国からバスで30万人もの支持者が集まった。会場に入れなかった人たちは歩道を埋め尽くす。国民党の集会には史上最年少で台北市長となった蒋萬安も駆けつけて応援演説をしていた。蒋萬安は蒋介石の曽孫で、蒋経国の孫。誰もが認めるイケメンで、将来的には総統候補の一人になると見られている。

国民党の最終集会


 台湾総統選挙でマイクを使った選挙運動ができるのは午後10時までだ。ニコニコ取材班はすべての陣営をハシゴしたため、民進党・賴清德陣営の集会会場に到着したのは午後9時40分頃。到着直前には会場から出てきた蔡英文総統の車とすれ違った。そこから会場に向かって走ったが、人波に揉まれてなかなかスタジアムの中に入れない。なんとか集会終了直前に滑り込み、「祭り」の最後を見届けた。

なぜ台湾の人は選挙に行くのか

 台湾総統選挙の投票は1月13日の朝8時から行われる。当日は早朝からテレビで3候補者が投票を済ませる様子が繰り返し放送されていた。

 日本と大きく違うのは、投票が終了する午後4時を迎えると、投票所がすぐに開票所に変わることだ。日本では投票箱が開票所に集められてから開票作業が始まるが、台湾は各投票所がそのまま開票所になる。

 投開票の会場は全国に1万7795カ所。24万人以上の職員が作業にあたっていた。

 ニコニコ生放送の番組では、投票を終えたばかりの人たちにもインタビューをした。

──選挙には毎回行っていますか?

「もちろん行っています。選挙で投票するのは私たちの権利です。台湾の未来は自分たちで決めます。その権利を行使するのは当たり前です。選挙で投票することは、自分たちのためだけではなく、子どもたちへの義務でもあると思っています」

街頭インタビューに答えていただきました。


 多くの人が胸を張って答えてくれた。投票所から30m以内の場所では誰に投票したかを聞いてはいけないが、「何を一番のポイントとして投票先を選んだか」を聞くことはできる。話を聞いていくと、だいたい誰に投票したかがわかる。候補者の主張に「色」がある。

「私は台湾を国際社会で認められるような存在にしてくれる人を選びました」

「中国との関係を平和的に勧めてくれる人を選びました」

「若者の雇用問題解決と賃金アップ。そして子育て政策を重視してくれる人を選びました」

 みんな自分の選択に自信を持っている。そして「開票が楽しみだ」と教えてくれる。

 台湾の人たちへのインタビュー中、日本で直近に行われた2022年参議院議員選挙の投票率が52・05%だったことを伝えると、みんなひどく驚いていた。

「えっ!? 本当ですか!? なぜ投票に行かないのか信じられない!」

 日本では「自分の一票には力がない」と考えて投票しない人が約半分いる。そのことをあらためて説明すると、台湾の人たちは諭すように教えてくれた。

「たしかに自分の一票は一票の力しかありません。それでも投票に行かなければ、まったく影響を与えられません。私は自分の一票が国の行方を決めると思って投票に行きます」

 日本は民主主義の基本を台湾の人たちから学ぶべきではないだろうか。

お寺や教会も投票所になる

 台湾総統選挙の投票所は日本と同じように小学校が使われる。それだけではなく、お寺や教会も投票所になる。ニコニコ取材班はお寺や教会の投票所も取材した。

お寺も投票所に。


 投票所の入り口には各候補の政策が書かれた選挙公報と、投票する上での注意書きが貼られていた。

携帯電話の電源は切って下さい」

 投票所内での携帯電話使用は禁止だ。

 投票の様子を見ていると、台湾の投票用紙は非常に大きいことがわかる。A4サイズの投票用紙には、字が読めない人にもわかるように、届出番号と候補者の顔写真があらかじめ印刷されている。自分が投票したいと思う候補の上の欄に、投票所に置かれたスタンプを押してから投票箱に入れる形だ。日本は候補者名を有権者が自分で書く「自署式」が基本だが、台湾はシンプルにスタンプを押すスタイルになっている。

 投票締め切り時間が迫る午後3時30分。元毎日新聞台北支局長で長年台湾政治をウォッチしてきたジャーナリストの近藤伸二さんと合流した。近藤さんは『現代台湾クロニクル 2014-2023』(白水社)の著者でもある。台湾政治を俯瞰する上で大いに参考になる書籍であり、近藤さんも現地で取材すると聞いて出演をお願いした。

 近藤さんと投票所の様子を取材していると、投票締め切り時間の午後4時ギリギリに走って駆け込んでくる有権者もいた。

教会も投票所に。


 間に合うのか? 間に合った! 投票を終えた女性二人組はニコニコして出てきた。旅行用のトランクを引きずりながら投票所にやってきた人もいた。台湾の人はみんな自分の一票をとても大切にしている。

 投票が締め切られると、すぐに開票作業が始まる。投票中は投票所に入れなかった取材班も開票が始まってからは中に入れる。一般市民も見守る中で開票が始まった。

 開票作業従事者が投票箱の中から一枚一枚、投票用紙を取り出し、頭の上に掲げる。それを監視人たちにハッキリみせるようにして叫ぶ。

「総統選挙、賴清德、1票!」

「総統選挙、賴清德、1票!」

 係員が読み上げた票を復唱して、集計用紙に「正」の字を書いていく。1枚目が「正」の字でいっぱいになると100票分。その上に2枚目、3枚目と貼っていく。

 非常にアナログな開票作業だが、これなら不正が疑われない。投票箱を移動させないのは「投票箱が行方不明になるようなトラブルを避けるため」と近藤さんが教えてくれた。

 開票結果はすぐに開票センターに報告され、集計される。

 台湾では毎日のように「誰を支持するか」という世論調査が行われているが、選挙前1週間は世論調査の結果を公表することが禁止されている。投票終了後、その場ですぐに開票が行われるため、日本で行われるような投票所の外での出口調査は行われない。そのため日本のような「投票箱が閉まると同時の当確報道」はない。みんながギリギリまで投票先を悩み、開票作業を見守る。そして当落を判断する。

 開票が進むにつれ、民進党の賴清德候補がリードしていることがわかってきた。ニコニコ取材班は台湾総統決定の瞬間を見るため、賴清德陣営の開票見守り集会が行われる民進党本部前の特設ステージへと移動した。



リアルタイム集会を盛り上げる舞台演出

 民進党本部前の道は完全封鎖され、特設ステージが作られていた。会場での受付は午後4時から始まり、すでに多くの人が集まっている。

 そびえ立つ舞台には超大型スクリーンが設置され、超満員の人たちの様子を映し出す。壇上でマイクを握る司会者は、候補者の名前を連呼しながら数万人の観衆を煽っていた。

「賴清德(ライチンダー!) 凍蒜!(当選!) 凍蒜!(当選!) 凍蒜!(当選!)」

 集会が続く中、司会者は次々と登場する登壇者の演説の合間に何度も呼びかけた。

「台湾! 加油!(台湾がんばれ!) 台湾! 加油!(台湾がんばれ!)」

 観衆は司会者のあおりに応じて大きく旗を振り、大きな声でレスポンスを返す。これが何度繰り返されても、まったくパワーが落ちない。それどころか、回数を重ねるたびにコールアンドレスポンスは熱を帯びていく。

台湾加油!のコーレス


 興奮するのも当然だ。会場のいたるところに設置された巨大スピーカーからは、腹の底にズシンと響く重低音で大音量の音楽が流れる。何本ものスポットライトが天空を照らし、夜空をかき混ぜるように交差する。演説のBGMも話の内容や演説者の調子にあわせて雰囲気を変え、観客の感情をどんどん高めていく。

 そして司会者のコールが再び始まると、超巨大スクリーンにはコールのリズムに合わせて「凍蒜!」「加油!」の文字が飛び跳ねる。

 観衆がノリやすいように、舞台のすべてが演出されている。会場からあふれて沿道にまで広がった観衆も、まるで野外フェスのように飛び跳ねて盛り上がる。驚いたことに、この大興奮は「総統決定」の瞬間まで4時間以上も続いた。こんなにも長い間ハイテンションを維持できる台湾のパワーに圧倒された。

 集会では、総統選挙と同時に行われた立法委員選挙に立候補した候補者たちも集結して演説をする。みんな演説はしっかりと聞く。そして、盛り上がるところではちゃんと盛り上がる。開票が進み、総統選挙に立候補している賴清德候補の得票数が「400万票」「500万票」と更新されていくたびに、会場が大きな歓声に包まれた。

 日本の政治イベントでこんなに盛り上がる場面は見たことがなかった。

噴射されるスモークと空を舞う紙吹雪

 午後8時を過ぎると、台湾メディアが「賴清德、当選確実」の一報を打った。「ウォー!」という地鳴りのような大歓声が巻き起こる。国民党の侯友宜候補、民衆党の柯文哲候補が「敗北宣言」をし、民進党の賴清德候補に祝意を告げたのだ。

 賴清德候補はステージの後ろにある記者会見場で海外メディアも含む国際記者会見に臨んだ。会見の冒頭、賴清德候補はこう切り出した。

賴清德候補、当選


「私は台湾の人々に感謝したいと思います。みなさんが私たちの民主主義に新しい1ページを書いてくださったからです。私たちは、民主主義をいかに大切にしているかを世界に示してきました。これは私たちの揺るぎない決意です」

 会見の模様が開票見守り会場の大型スクリーンにリアルタイムで映し出される。それを見た観衆は腕がちぎれんばかりに小旗を振る。

 賴清德候補は選挙の結果に3つの重要なポイントがあると言った。

「一つ目の意味は、台湾が世界に対して『民主主義の側に立つ』と宣言したことです。二つ目の意味は、台湾の人々が今回の選挙に影響を与えようとする外部勢力の動きに抵抗することに成功したということです。私たちは、台湾の国民だけが自分たちの大統領を選ぶ権利があると信じています。三つ目の意味は、3候補の中で一番支持をいただいたのは我々だということです。これは台湾が正しい道を歩み続けることを意味します。正しい道を進み、曲がらず、後戻りしません」

 会場の支援者たちは記者会見の様子をモニターで見守り、賴清德候補の言葉を一つ一つ聞き漏らすまいと耳をそばだてていた。

「私には台湾の平和と安定を維持する重要な責任があります。私は民主的で自由な憲法秩序にしたがって、バランスの取れた方法で行動し、両岸の現状(中国との関係)を維持します。対立に変わる対話、中国との交流協力を、自信を持って進めてまいります」

 記者会見を終えた賴清德候補がステージに登壇すると、会場の興奮はピークに達した。集会のクライマックスには勢いよくスモークが噴射され、大量の紙吹雪が降り注いだ。

紙吹雪とスモー

2027年に大きな節目を迎える台湾

 総統選挙での賴清德候補の得票は558万6019票(得票率40.05%)。2位の侯友宜候補は467万1021票(得票率33.49%)。3位の柯文哲候補は369万466票(得票率26.46%)だった。3候補による争いの結果、与党・民進党の賴清德候補が当選を決めた。しかし、有権者の半数を超える支持は得られなかった。

 総統選挙と同時に行われた立法委員選挙(定数113)でも、与党・民進党は過半数を取れず51議席にとどまった。一方の国民党は52議席を獲得して第1党となった。民衆党は8議席、無党籍が2議席となった。

当選後の民進党


 ニコニコ取材班と一緒に新総統誕生を見守ったジャーナリストの近藤伸二さんは、今回の選挙をこう総括してくれた。

「台湾の有権者が『政権交代』を選ぶかどうかが最大のポイントでした。2000年に初めて政権交代が起きてから、これまで8年ごとに民進党国民党が入れ替わってきましたが、今回ははじめて『継続』ということになりました。8年プラス4年で12年。また、現職有利ということを考えると、16年の長期政権も視野に入ってきます。台湾の有権者は蔡英文政権の路線が継続することを選びました。これが今回の選挙の最大の意味です」

 今後の台湾政治はどうなっていくのだろうか。

「賴清德候補が勝ちましたが、得票率は40%程度です。国民党と民衆党を足すと、賴清德候補に入れなかった人が6割近い。台湾の政治制度では、立法院でも多数を取らないと、なかなか政権運営がうまくいきません。民進党政権は継続するけれども、蔡英文政権以上に厳しい政権運営を迫られることが予想されます」

 近藤さんがそう予想するのも当然だ。2000年に初めて政権交代が起きたとき、陳水扁総統を輩出した民進党は立法院で少数与党だった。そのため非常に厳しい政権運営を強いられた過去があるからだ。

番組にご出演いただいた近藤伸二さん


 なんと、陳水扁時代にはアメリカから武器を買う予算を60回以上も否決されている。民進党の党是である脱原発も、立法院で国民党が多数を占めていたため断念している。

 番組の最後に、近藤さんに今後の日本への影響を聞いた。

「基本的には今の蔡英文総統の路線を引き継ぐわけですから、日本が政策を大きく変える必要はありません。ただアメリカ大統領選挙を含めた米中関係によって、中国と台湾の関係が緊張する恐れもあります。そのときに日本がどのように関わっていくのかが問われると思います」

 近藤さんによると、大きな「山場」になるのは2027年だという。

2027年に中国では習近平政権の3期目が終わります。そこから4期目に入るかどうかというときに、習近平政権は何か成果があったかどうかを問われます。2027年人民解放軍設立100周年にあたりますから、政治的に大きな山場となります。このときに中国が圧力をかけるのか。それとも情報戦をやっていくのか。どういう対応を取るのかを引き続き観察していく必要があります」(近藤さん)

 台湾は日本が東日本大震災に見舞われたとき、200億円もの義援金を日本に寄せてくれた。今年1月1日に起きた能登半島地震でも、1月11日までの10日間で民間から11億円もの義援金が集まった。日本と台湾の関係は密接で良好だ。同じアジアの住人として、日本人も台湾に関心を持ち続けることが必要だろう。

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 今回の生放送は、1月12日11時間30分、13日は10時間30分にも及んだ。それににもかかわらず、12日は3万4千人超、13日は6万2千人を超えるユーザーが視聴してくれた。

 放送後のアンケート結果も、1月12日の放送は「とても良かった」が82.2%、「まあまあ良かった」が6.8%。1月13日の放送は「とても良かった」が91.2%、「まあまま良かった」が5.7%と高評価を受けた。この場を借りて感謝を申し述べたい。


 まだ視聴していない方は一部でも構わないので、ぜひ、タイムシフトで台湾総統選挙の熱に触れていただきたい。

 2024年は、ロシア大統領選(3月)、韓国総選挙(4月)、インド総選挙(4〜5月)、メキシコ大統領選挙(6月)、欧州議会選挙(6月)、アメリカ大統領選挙(11月)など、世界で大型選挙が続々と行われる選挙イヤーだ。

 またどこかの選挙現場でお会いできればと思っている。

 

【1/12(金)12:00~決選前日の台北の盛り上がりを生中継】

【1/13(土)13:00~投開票日の街の様子から新総統決定まで生中継】