アン・ボヒョンとパク・ジヒョンがW主演を務める韓国のドラマシリーズ「財閥 x 刑事」の第3話2月2日に配信。ボヒョン演じるチン・イスが、ついに捜査でリッチな“財閥”刑事らしい痛快な活躍を見せ、物語を盛り上げた。一方で、御曹司のバックボーンが少し明かされたところは胸に迫るものがあった。(以下、ネタバレを含みます)

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■初の殺人事件捜査に挑むイス

本作は、財閥の御曹司がコネで入った警察署の凶悪犯罪捜査1課刑事となり、捜査1課チーム長たちと捜査しながら成長していく姿を描くアクションコメディー。ラブコメディー「ユミの細胞たち」(2021年)での共演も記憶に新しいアン・ボヒョンとパク・ジヒョンがW主演する。

ボヒョンが演じるのは、遊ぶことが大好きで世間知らずな財閥3世のチン・イス。ジヒョンは、イスの上司で責任感の強い捜査1課チーム長イ・ガンヒョンに扮(ふん)する。

第3話は、第2話の中盤で発覚した女性モデル殺人事件の解決までが描かれた。イスが刑事となり初めて挑む凶悪犯罪だ。ガンヒョンはコネで刑事になったイスに犯人逮捕はできないと踏み、それに対抗したイスは逮捕できなければ内勤に、できたら警察官だと認めるように迫っていたことから、張り切って捜査する姿がなんとも初々しい。

■イスの観察力と勘が生きる

初めに容疑者として浮かんだのが、遺体が見つかったヨットの持ち主で、財閥家であるDNグループ会長の三男。ところが署で聴取していると、ヨットに麻薬があったと聞くや、自分の兄が犯人だと申告する。そこへその兄がやって来て、さらにその上の長男も姿を現した。それだけでなく、二男と三男の母親=会長の現在の妻と、長男の母親で会長の前妻までもが乗り込んできた。

財閥家のゴタゴタにあっけにとられつつ、捜査が進められていく。大きく動いたきっかけが、イスの観察力と勘だ。現場検証で見かけたヨットにできた傷から新たな犯行現場の可能性を見いだし、また、何となくと言いつつ「単純な事件とは思えない」と勘付いた。

それらはイスが財閥3世であることが関係。ヨットの傷は現場検証のときに自分のヨットに乗って見たものであり、ヨットを持っているのは裕福ゆえ。複雑な要因がありそうだと思ったのは、自身の生い立ちもそうだからだ。

ガンヒョンや同僚たちと共に可能性をたどって判明したのは、会長が末期がんで余命わずかで遺産やグループの跡継ぎの問題がありそうだということ、さらに亡くなったモデルの女性がDNグループ会長の婚外子であることだった。

そして、新たに得た犯行の痕跡などから会長の前妻とその秘書が新たな容疑者とされたと同時に、その2人が海外逃亡を図ろうとしていることが分かった。

■イス&ガンヒョンのアクションシーンがさく裂!

そこからの逮捕劇でイスの豪放さが発揮された。イスはガンヒョンと共に車で空港へ向かっていたが、渋滞にはまってしまうと、急きょ行き先を変更。とあるビルで乗り換えたのは、イスを演じるボヒョンがインタビューで作品の見どころの一つとして語っていたヘリコプターだ。

見どころは、イス自らヘリを操縦して空港へというだけではない。会長の前妻が乗る車を見つけるや、スキー板のようなスキッドタイプといわれるヘリの足の部分の先端をリアガラスに突っ込んだのだ。なんという危険なことを…と思っている暇もなく、すぐに車がまた走り出すと、今度は上からアタック

イスの大胆不敵さには脱帽だが、ガンヒョンも負けてはいない。車が停止したと見ると、ヘリがまだ着陸していないのに、結構な高さから飛び降り、2人を確保しようと銃を向ける。逃げようと走りだした車を一回転して避けると、銃を撃ってタイヤに命中させ、完全停止させることに成功した。

その後、イスが会長の前妻は息子をかばっていると気付き、証拠を手に入れて長男を逮捕し、事件は解決となった。

■複雑さを想起させるイスの生い立ち

真犯人を見つけ出したことでガンヒョンとの賭けに勝ち、刑事続行が決まったイス。「飛沫血痕」という言葉を知らずに聞こうとしてガンヒョンらにあきれられるも、「知らないのは別に恥じゃないだろ」と返した場面があり、学ぼうとする姿勢はこれからの成長を期待させる。

また、イスのペースにガンヒョンが巻き込まれるのは、笑いを誘いつつ、実は相性がよいのではということも垣間見えた。

そんな中、また少しイスのバックボーンが明かされた。兄スンジュ(クァク・シヤン)とバーで会ったイスは、財閥家の事件を振り返りながら自分の過去の話を。幼いときに引き取られた自分のことが「憎かったのでは?」と聞くと、スンジュは「憎かった」と正直に答えつつ、自分の母がイスのことを目障りだと当たり散らしていたため、「怒るのは母さんだけでいいかなって」と言った。イスは何も悪いことはしていないのだからと…。

「ありがとう。兄さんがいなかったら俺はダメだった」と感謝するイス。その表情には切なさも宿っていた。

今回の被害者女性のために簡略したものではあるが葬儀をしてあげる優しさも、そんな経験からくる人間としての懐の深さだろう。

さて、いよいよ刑事として本格始動したイスだが、今回の豪快な活躍でさらに楽しみになった。2月3日に配信された第4話からは、VIP招待された個展に出向いたイスが画家の遺体を発見し、新たな事件に取組む。なお、ここからイスの過去についてのミステリアスな部分も登場し、今後より引き付けられていくはずだ。

「財閥 x 刑事」は、ディズニープラスのスターで毎週金・土曜日に独占配信中(全16話)。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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