朝は通勤や通学の準備で慌ただしくなるため、朝食を取る時間がないと感じたことはありませんか。中には、朝食代わりに菓子パンやクッキーなどを食べる人もいるようですが、問題はないのでしょうか。朝食を摂取する際の注意点について、管理栄養士の桜井このさんに聞いてみました。

糖質過多になりがち

Q.朝食を摂取するメリット、デメリットについて、教えてください。

桜井さん「朝食を摂取すると、体温や代謝が上がるため、脳や体全体の調子が整いやすくなります。例えば、生活リズムが整うためスッキリ目覚めることができたり、体脂肪が落ちやすい体質になりやすかったりという効果がありますね。

デメリットとしては、パンや白米などの糖質を多く取り過ぎると、血糖値が急激に上昇して、集中力が低下したり、眠気が起こりやすくなったりすることが考えられます。一度に多く食べ過ぎた場合や、糖質ばかりを摂取するような食事になった場合、イライラしたり、だるさを感じやすくなったりもします」

Q.朝食代わりに菓子パンや菓子を食べるのは、良くないのでしょうか。

桜井さん「『まったく食べないよりは良い』と思うかもしれませんが、菓子パンのほか、クッキーやポテトチップスといった菓子類だけでは食事の代わりにはならないため、正直なところ、お勧めできません。

ビタミンやミネラルなどの栄養素が取れないだけではなく、糖質が多くなりやすいため、かえって眠気やだるさなどが生じやすくなります」

Q.朝食を適切に取る習慣を身に付けるためには、どんなことを気を付けると良いのでしょうか。

桜井さん「私自身も同じ見解なのですが、農林水産省は『午前9時までに朝食を取りましょう』と啓発しています。具体的には、起きてから2時間以内に朝食を済ませた方がメリットが多いです。なぜかというと、まず昼食との間隔が空くため、それぞれの食事をしっかり取りやすいほか、消化時に負担がかかりにくいためです。

そして、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの不足しやすい栄養素を含む食べ物を朝食に取り入れていただきたいです。パンのほか、パンに付けるジャムマーガリンなどは脂質や糖質が多く、過剰摂取になりがちです。ベーコンなどの加工品も添加物が多いため、なるべく無添加の商品を使用したり、付け合わせのサラダを一品加えたりするような工夫があると良いですね」

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 朝食を適当に済ませてしまうと、その日のパフォーマンスが悪化する可能性があります。面倒だと感じるかもしれませんが、心身の健康のためにも、栄養バランスに配慮した朝食を摂取する習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

クッキーや菓子パンなどを朝食代わりに食べてもOK?