近年密かに注目され話題になっている“鶏”焼肉の専門店・鶏焼き肉 囲(かこい)が、昨年10月に六本木にオープン。麻布で人気の鳥匠いし井ひなに続き、ミシュラン一つ星を獲得している大阪の名店・鳥匠いし井の石井吉智さんと見冨右衛門さんが再びタッグを組んだ新店舗だ。現在完全予約制の知る人ぞ知る同店について、隅々まで紹介する。

【写真】新鮮な鶏肉6種と季節の野菜2種が詰まった看板メニュー「囲箱」

■「鶏焼き肉 囲」とは

店名“囲”の由来は食卓を囲み、火を囲んでもらいたい、というオーナー見冨右衛門さんの想いから。また、内観にもこだわりが詰まっている。仕切りや柱を取っ払い、広々とした空間の店内には大きな窓が一面に広がり、春には正面に聳え立つ桜の木を見ながら、花見として食事を楽しむことができる。

■さまざまな部位を堪能できる鶏焼肉

今年から提供開始予定のこだわりのオリジナル鶏肉である「きさ輝地鶏」は、鶏の上質な油と歯応えのしっかりした触感を楽しめる。さまざまな部位があるので、3種のつけだれ(特選味噌、酢醤油、焼塩)と組み合わせながら自分のお気に入りの食べ方を見つけたい。

地鶏の胸肉を薄くカットしたねぎ塩胸肉と梅しそ胸肉は、それぞれに自家製のねぎ塩ダレ、紀州の梅肉と大葉がふんだんにのせられている。折りたたむ形で両面をさっと焼き上げ食べるのだが、ねぎ塩胸肉は脂身の少ない胸肉とねぎ塩ダレの相性が抜群で食欲をそそる。梅しそ胸肉は、しっとりとした胸肉とその中に潜む梅の酸味、大葉のさわやかな香りでさっぱりとした味わいを楽しめる。

注文時にお肉の種類を選択できるという辛味噌は、もも肉を選択。見た目の赤さとは異なり、程よくピリッと辛さが効いた味噌が印象に残る。

さまざまな部位を使用した鶏ミンチのメンチカツたこ焼き風に仕上げた、たこ焼きメンチカツは、見た目は完全にたこ焼きだ。一口かじれば、コリコリした食感やジューシーさを感じることができ、きっと子どもも好きに違いない。

サイドメニューも〆も充実

焼肉の楽しみといえば、メインのお肉だけではなくサイドメニューも欠かせない。秘密のスパイスブレンドがクセになる鶏の唐揚げは、口に入れた瞬間溢れ出るジューシーな鶏の旨味とスパイスがやみつきで、パクパクと食べてしまう。

約5時間かけて仕込んだという自家製の鶏白湯スープは、鶏の希少部位と野菜が柔らかく煮込まれ、五臓六腑に染み渡る濃厚な味だ。

さまざまな部位とともに鶏焼肉を楽しんだあと、〆として注文したのが地鶏の親子丼と鶏油(ちーゆ)そばだ。絶妙にとろけた卵とジューシーな鶏肉が交わる地鶏の親子丼は、“飲めるほどおいしい”をコンセプトに仕上げられたという。どんなにおなかいっぱいだとしても、鶏肉専門店に来たなら味わうべき一品。一方、なかなか〆としては珍しいスタイルの鶏油そばは、細麺に、新鮮だからこそ使用できる鶏油がたっぷりと絡められていて絶品だ。

鶏焼肉という新しいスタイルの焼肉だったが、終始、焼き方や焼き具合等、スタッフが丁寧に説明してくれるので、初めてでも楽しめること間違いなし。家族や友人との食事、女子会やデートにもぴったりな開放感のある鶏焼き肉 囲で、今話題の”鶏焼肉”を堪能してみよう。

全席掘りごたつの洗練された店内