ネット上の残酷な写真や動画を検閲するコンテンツ・モデレーターをテーマにした映画「見知らぬ人の痛み」が、4月19日から公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアル、場面写真、予告編が披露された。

【動画】「見知らぬ人の痛み」予告編

暴力や悪がインターネットを介してますます表面化する現代。大手テック企業から委託を受け、ネット上の残酷なイメージを検閲するコンテンツ・モデレーターに着目した本作は、「そうして私たちはプールに金魚を、」などで知られるスカラシッププロジェクト「MOON CINEMA PROJECT」の第5回で企画グランプリを受賞。同プロジェクトの助成を受けて製作された。韓国、シアトルサンフランシスコの映画祭で上映後、第17回札幌国際短編映画祭では最優秀国内作品賞を受賞している。

勤務していた中学校で生徒からのいじめに遭い、教員を辞めた倫子。求職中の彼女は、あるアルバイトに応募する。それは「インターネットの動画サイトにある残酷な動画をひたすら削除し、検閲する」というもの。ネットに拡散し続ける死や暴力。恐ろしい内容に初めは戸惑うものの、削除した内容を被害者の名前と共にノートに書き綴ることで、気持ちを落ち着かせていた。夫の和也にはコールセンターのバイトをすると嘘をつき、倫子は次第にこの仕事にのめりこんでいく。

心に傷を抱え、遠い世界の見知らぬ被害者に寄り添う主人公を演じるのは、「嵐電」「花と雨」「夜明けまでバス停で」などに出演する大西礼芳。監督は、ドキュメンタリー、フィクションを問わず短編映画で受賞を重ねる天野大地が務めている。音楽は、スティールパン奏者で「Black Boboi」での活躍も記憶に新しい小林うてなが担当した。

ビジュアルは、イラストレーターの小山義人によるイラストがメインに据えられたもの。顔の見えない後ろ姿が、タイトルである「見知らぬ人の痛み」というフレーズと相まって印象的なポスターに仕上がっている。予告編は、コンテンツ・モデレーターの仕事をする倫子が「子供の死体って見たことある?」と語りかける、衝撃的な台詞から始まる内容となっている。

「見知らぬ人の痛み」には、小林リュージュ、八代崇司、佐々木心音、小寺結花、佳那も出演。4月19日からテアトル新宿ほか全国公開。

(C)MOON CINEMA PROJECT