永野芽郁主演のドラマ「君が心をくれたから」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系) の第5話が2月5日に放送された。つらい決断が続く雨(永野)にさらに祖母のことでショックが。そんな雨が、ある言葉に背中を押されて動いた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】父・陽平(遠藤憲一)から失恋したときの心がまえを聞く太陽(山田裕貴)

■祖母の病で激しいショックを受ける雨

同作は、ノスタルジックな雰囲気の長崎を舞台に、主人公・逢原雨(永野)が、かつてただ一人心を通わせた忘れられない男性・朝野太陽(山田裕貴)と“過酷な奇跡”に立ち向かうファンタジーラブストーリー。脚本は、純愛小説の名手として若い世代に注目の作家・宇山佳佑氏によるオリジナルだ。

太陽を救った奇跡の代償として、3カ月かけて五感を失っていく雨。好きな人に迷惑をかけたくないと太陽に嫌われようとする姿は切なかった。だが、第5話では、すでに味覚、嗅覚を失った雨を、さらなる悲しみが襲った。

それは祖母・雪乃(余貴美子)の病だ。五感を失うことを打ち明けようとした矢先、がんにより、もってあと2カ月、早ければ数週間の命だと分かり、雨は激しいショックを受ける。

■雨が高校時代に書いたラブレターを太陽が受け取る

そんななか、次に失うのは触覚と分かった。立っていられずに寝たきりになるかもしれない。雨に奇跡を提示したあの世からの案内人・日下(斎藤工)は、その可能性を考えて準備をしておくべきだと告げる。

雨は、何か隠していると感じ取っていた雪乃に五感を失うと明かし、初めて五感のことを打ち明けた相手である市役所職員の司(白洲迅)には体が動けなくなったときの施設を教えてほしいと頼んだ。

1人になっても大丈夫な準備を進める雨。そんな雨、そして太陽に周囲は心を寄せる。

太陽の妹・春陽(出口夏希)は、奇跡のことは知らないながらも太陽が雨の高校卒業のときにプレゼントしようとしていた指輪を探し出して雨に手渡した。受け取ることで、雨の“指輪の精”になりたかった兄の青春を成仏させてあげて、と。指輪の精は、雨が小学生の時に呼んでいた児童書「アラビアンナイト」に出てくるキャラクターで、いつも主人公アラジンの味方をするのだ。

一方、雪乃は司に、雨が卒業前に渡そうとしていたラブレターを太陽に届けてもらう。そこで司は、雨が好きな自分の気持ちを抑えつつ、太陽に五感のことを教え、うそをついていた雨の本当の願いをかなえてあげてほしいと言った。

■日下が雨に魔法の呪文を…

雨と太陽に心を寄せるのは、案内人・日下と千秋(松本若菜)も。千秋はずっと雨に寄り添っていたが、ここにきて淡々としていた日下に変化が見られた。

会いに来た太陽を振り切ってバスに乗った雨に、太陽が追いかけていることを教えた千秋。千秋は「本当にいいの?」と言うが、雨はうつむいてただ涙を流すだけ。そこで日下の脳裏にあることがよぎる。「本当にいいんだね」と何者かの問い掛けに、「はい、後悔はしません」と答えている日下の声。

日下はおもむろに「イフタフ・ヤー・シムシム」と口にする。「この魔法にかけられたら、心の扉も開いてしまう。素直になれる特別な呪文です」と。それは「アラビアンナイト」に出てくる呪文だった。

「あなたは今日の選択をいつか後悔するでしょう。彼の元へ行っても、行かなくても、必ず後悔する。だったら今は、すべてを魔法のせいにして…、幸せな後悔をするべきだ」。

雨はバスを降り、太陽の元へ駆けて行き、「全部分からなくなっても、私のこと好きでいて」と告白した。

アラビアンナイト」をポイントにして、雨と太陽の周囲の人々の温かさが“魔法”となって、2人の距離を再び近づけた。その温かさが胸に沁みる。2人の未来はつらいものに変わりはない。それでも今は幸せを、そして願わくばそれが続いてほしいと思わずにはいられない展開となった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

雨(永野芽郁)に案内人・日下(斎藤工)が言葉をかけた/(C)フジテレビ