桑田2軍監督の取り組みに注目が高まっている (C)Getty Images

 2020年以来4季ぶりのV奪回を目指す巨人では連日、阿部慎之助監督によるナインへの熱烈指導の様子が伝わってきている。青年指揮官が低迷にあえぐチームにいかに力を吹き込むかが期待される中、ひそかに注目が高まっているのは桑田真澄2軍監督の取り組みにもある。

 キャンプ初日には「無駄な練習はいらない、アピールする練習はいらない」とナインに訓示したことも話題を呼んだ。これまでも選手の自主性を尊重する指導で知られてきたが、独自性と個別性をキーワードに個々に適した練習を促していく方法を選択している。果たして桑田流指導でどんな選手が一軍の舞台に羽ばたいていくのかも注目となる。この点について球界内からも様々な考察の声が上がっている。

【巨人桑田改革】『オーバーワークと強制練習の廃止』『重要なのは効率性と主体性』桑田2軍監督の2軍改革で巨人はどう変わる!?

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球評論家として活躍する高木豊氏は2月5日に自身のYouTubeチャンネルに「【巨人桑田改革】『オーバーワークと強制練習の廃止』『重要なのは効率性と主体性』桑田2軍監督の2軍改革で巨人はどう変わる!?【プロ野球】」と題した動画を更新。桑田2軍監督の取り組みについて、自身の考えを語っている。

 まずキャンプ1クールでは量より質が大事として極端なオーバーワークなどを禁止した桑田流指導について、高木氏は自身の経験則から基づいての指導だろうと話した。

 その上で、自身も現役時代、不振になると特打を行うという風潮が「大嫌いだった」とコメント。肉体疲労がたまった状況でさらに過酷な屋外などで特打を行うデメリットを訴える場面もあった。

 その上で「やらなくてはいけない練習もある」とした。量より質としたことでただ練習量を落とすのではなく、必要とあらば、質のいい練習を数多くやることもときに大事になるとした。

 また今回の桑田氏の発言の根底には、個人事業主といわれるプロ野球の世界で選手が生き抜いていくためのメッセージが込められているとした。同氏もプロの世界で生きていくためにはコーチ任せではなく、野球が上手になるために発想が必要とした上で「(自身が)考える中で不正解もあるけど、その考える時間がいいんだよね。そこで野球に入り込んでいける」「そういう時間を桑田監督は与えようとしている」と思索の時間をあえて与えていると、メッセージの意味を読み解いた。

 実際に野球界の近年のトレンドは「やらされる」練習から、選手たちが自主的に取り組む方向に舵を切りつつある。日本ハムでは新任の稲葉篤紀2軍監督も従来の練習時間を短縮、個人練習に時間を多くさいている。

 全体一律で同じメニューではなく、個々の適性に合った指導で選手たちを伸ばす方法は着目されており、今回の桑田流改革の成果にも今後、注目が高まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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