昨年9月までドイツ代表を率いていたハンジ・フリック氏が、バルセロナの新監督就任に興味を示しているようだ。5日、スペイン紙『アス』やドイツ紙『ビルト』が伝えている。

 今シーズンは主力選手の相次ぐ負傷離脱の影響もあってか、序盤戦から不安定な戦いに終始しているバルセロナ。連覇を目指すラ・リーガでは3位につけているものの、首位レアル・マドリードとのポイント差は現時点で「8」。また、コパ・デル・レイで準々決勝敗退に終わると、スーペルコパ・デ・エスパーニャ決勝では宿敵との“エル・クラシコ”に1-4で敗れタイトル獲得を逃した。

 シャビ・エルナンデス監督への風当たりが次第に強くなると、現地時間1月27日に行われたビジャレアル戦(3-5●)後に44歳の“レジェンド指揮官は「6月30日をもってバルサの監督を退任することを発表したいこの状況は方向転換に値するものであり、クレとしてこの状況を続けることはできない」と今シーズン限りでの退任を明言。クラブは既に後任探しに着手しており、新監督候補としてフリック氏の名前が浮上していた。

 今回の報道によると、フリック氏はバルセロナでの新たな挑戦を前向きに検討しており、既にスペイン語習得に向けた勉強も進めているようだ。なお、同クラブのジョアン・ラポルタ会長はかねてからフリック氏の手腕を高く評価しているとのこと。2021年10月のロナルド・クーマン前監督解任時には、招へいに向けてビデオ通話での説得を試みていたことが報じられている。

 ドイツ出身で現在58歳のフリック氏は、ヨアヒム・レーブ氏の“右腕”として長年ドイツ代表のアシスタントコーチを務めた後、2019年11月にニコ・コヴァチ氏の後任としてバイエルン指揮官に就任。2019-20シーズンにはブンデスリーガチャンピオンズリーグを制覇すると、その後UEFAスーパーカップFIFAクラブワールドカップを含めた年間6冠を達成した。

 2020-21シーズン限りでバイエルン指揮官を退くと、2021年8月にはドイツ代表の監督に就任。FIFAワールドカップカタール2022・ヨーロッパ予選を9勝1敗・36得点4失点という圧倒的な強さで突破した。しかし、本大会でグループステージ敗退の憂き目に遭うと、その後の国際親善試合でも不振が続き、昨年9月に日本代表に1-4で敗れた直後に解任が発表された。

 なお、シャビ監督の後任候補としては、ボローニャのチアゴ・モッタ監督やバルセロナBを率いるラファエル・マルケス氏、ジローナのミッチェル監督らの名前も浮上している。

昨年9月までドイツ代表を率いていたフリック氏 [写真]=Getty Images