「死ぬまで働く」が現実的になった現在。流されるように再雇用に頼るのではなく、もっと貪欲に稼ぎ方を探ったほうがいい。そして、実は60代からが最も“自由に”働ける年でもあるのだ。定年後を充実させる働き方を伝授しよう!

◆“無理のない副業”で収入を補塡

再雇用で減った給料を“無理のない副業”で補塡している人もいる。医療メーカーの再雇用者として、月収18万円で働く三和義恒さん(仮名・62歳)は、資格や大学受験の試験監督の副業で、毎月平均5万円を得ている。

「試験監督の副業を最初に始めたのは40代の頃。肉体労働ではないので、『年を取っても続けられる』というのは大きかった。細々とでも続けていれば、時給がいい“ベテラン”になれますから」

◆日給2万円を超える現場も珍しくない

現在は試験監督歴20年を超えた大ベテランになり、主任監督や運営を任されるまでになった。会場で他社からスカウトをされることもある。

「日給2万円を超える現場も珍しくありません。現役のときは、『土日は必死で休息する時間』でしたが、今は気兼ねなく副業に充てられます」

◆治験のアルバイトも人気

一方、IT企業で働く青柳信義さん(仮名・64歳)は、定年後に業務委託契約を結び、同時に単発の治験のアルバイトを積極的に受けている。

「本業は週3日勤務で、月収は20万円台。とにかくヒマで、’22年から治験のバイトを始めました。健康サプリや体力測定が中心で、月収は2万~3万円ほど。少子高齢化だからか、『高齢者のデータが欲しい』という企業が多くて、頻繁に募集がかけられています」

◆治験を始めるシニアは多い

今の状況は、「ヒマだけど、ヒマじゃない」という。

「時間はあるんですが、娘からイレギュラーで孫の面倒をお願いされたりして時間や曜日が固定される副業はできないんです。だから単発の治験は都合がいい。仕事のパッチワーク化というか、業務内容が細分化された形がシニアの副業には最適だと思う。治験を始める同年代も多いですし、もっと手軽にできる『治験の専用アプリ』が登場したら、シニア層が殺到するはずです」

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[60歳から稼ぐ]最強の働き方]―


預金通帳に振り込まれる試験監督の報酬。副業に充てられる時間も増え「今後はさらに収入が見込めそうだ」