こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。

 筆者はLINE公式サービスにて、年間約1000件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。

 さて、不倫のケースは大別すると、双方が既婚者の場合と片方のみが既婚者の場合に分かれます。そして後者のケースで自分が独身者だった場合、罪悪感は比較的に薄い傾向があるものです。

 しかし、今回のご相談者である戸高勇人さん(28歳・仮名)は、自分が不用意に起こした行動でとてつもない罪悪感にさいなまれることになったそうで……。

※この記事は本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。

◆週1日・土曜日だけ大学時代のバイト先で副業

 勇人さんは大学卒業後、IT企業にエンジニアとして就職。休暇はしっかり取れて副業もOKというホワイト企業で、心身ともに余力があったため1年ほど前に副業を始めたそうです。

「副業でもPCとにらめっこするのはうんざりだったので、身体を動かして気晴らしにもなる仕事をしようと思っていました。そんなとき、大学時代にバイトしていたレストランの人手が足りてないという話を聞き、店長にもよくしてもらっていたので、週1日・土曜日だけという条件で、5年ぶりにバイト復帰することにしたんです」

◆就職して多忙で自然消滅していた元カノと再会

 そこで思いがけない女性と再会することになったんだとか。

「大学時代、そのバイト先で出会って付き合っていた元カノの優佳も働いていたんですよ。優佳は同い年で別の大学に通っていたんですけど、就職してお互い忙しくて会えなくなっていって、自然消滅みたいな感じで破局していました。でも共通の友達がいたから優佳のその後もなんとなく耳に入っていて、会社の先輩と結婚して寿退社して、今は子どももいるって聞いてたんです。だからバイト復帰してるなんて思いもよらなくて、ビックリしましたね」

◆旦那の愚痴を聞いて盛り上がり、流れでラブホ

 社会人1年目の多忙で疎遠になっていただけで、お互いに嫌いになって別れたわけではないため、再会してすぐに昔のような雰囲気に戻っていったそうです。

「優佳は旦那と子どもの3人暮らしなんですけど、実家が近くて母親がしょっちゅう孫の面倒を見に来てくれるので、バイト復帰できたらしいです。それで、その日は母親が泊まりで孫の世話をしてくれているとのことだったから、バイト後に二人で飲みに行きました。昔の思い出話や旦那の愚痴を聞いて盛り上がって、自然な流れラブホに……」

◆子どもを寝かしつけた後の深夜、彼女の家に…

 その後、まさに「焼け木杭に火が付く」状態で、二人の熱量は日に日に高まっていったんだとか。

「優佳は『旦那とはもう冷めきっているから外泊してもなにも言われない』、『旦那もどうせよそで女つくってる』と言っていたので、罪悪感はほとんどありませんでした。だから冷静さを欠いて、どんどんエスカレートしちゃったんです。それである夜、旦那が出張でいないからと優佳に誘われて、子どもを寝かしつけた後の深夜、彼女の家に行ったんです。普段は旦那と寝ているというダブルベッドで優佳を抱いたので、すさまじく興奮しましたね」

◆裸の母親との行為を子どもに見られ、目が合った

 ですが、勇人さんはとてつもない後悔と罪悪感にさいなまれることになったといいます。

「行為の真っ最中にガチャッてドアが開いて。寝ていたはずの優佳の幼い子どもが入ってきたんです。でもその子、真っ裸の優佳と僕を見て、黙ってそのまま出ていきました。優佳は慌てて服を着てもう一度寝かしつけてましたね。行為は見られたけど子どもはたぶん寝ぼけていたし、そもそも僕たちがしていたことの意味なんてとても理解できる年齢じゃないので、すぐに忘れるとは思います。

 だけど、僕は子どもと一瞬目が合ってて、そのときの無表情な顔が脳裏にこびりついてしまっていて。あっさり忘れてくれるかもしれないけど、一生忘れられない記憶になって、母親のふしだらな姿を見たことがトラウマになったらどうしようって……」

◆副業バイトを辞め、連絡を絶って……後日談

 罪の意識に押しつぶされそうになった勇人さんは、それからすぐに副業バイトは辞めて、優佳さんに謝罪のうえ、もう二度と会わないことを誓ったそうです。

——後日譚ですが、優佳さんが離婚したという噂が回ってきたんだとか。勇人さんはもう連絡先を消しているため、離婚理由がなんだったのかはわからないそうですが、もし自分との不倫が原因になっていたらと考えると、子どもと目が合った瞬間を思い出して、胸が張り裂けそうになるそうです……。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi

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