2024年4月13日(土)横浜みなとみらいホール 大ホールにて、『タクティカートオーケストラ  第1回定期演奏会』が開催される。

2020年に結成されて以来、作曲家や奏者にフューチャーした企画を展開してきた新進気鋭の若手プロオーケストラ、タクティカートオーケストラ。昨年リリースした『ラフマニノフ:交響的舞曲』がレコード芸術最終巻で特選盤に選ばれるなど、その実力も認められてきたが、結成4年目となる2024年、新体制となることを発表した。
新体制として、コンサートマスター・首席奏者とともに、2人の指揮者がオーケストラの舵取りに選ばれた。客演指揮者として昨年ラフマニノフブルックナーの演奏会で共演を果たしてきた坂入健司郎、そしてミュージック・パートナーとしての岡本陸だ。

岡本は、東京音大卒の24歳。昨年ジョン・アクセルロッドが審査委員長を務める2022年・BMI国際指揮者コンクールで優勝を果たし、現在はエサ・ペッカ=サロネンやクラウス・マケラを育てた巨匠、ヨルマ・パヌラ氏の下で研鑽を積んでいる。岡本は2021年にタクティカートオーケストラと共演。それ以来継続的な協力関係にあったが、今回、若きオーケストラの新たな舵取りとして就任する。

岡本陸

岡本陸

オーケストラとしてもうひとつの大きな決定は、年2回の定期演奏会の開催だ。岡本・坂入それぞれが指揮を取り、タクティカートオーケストラらしい企画性を保ちつつ、「交響曲」を中心とした管弦楽曲へと本格的に取り組んで行き、オーケストラとしての成熟を目指す。
オーケストラとしての「音」を育てていき、プロオーケストラとしてさらなる高みを目指していく意志が籠る新たな取組の数々。4月に開催される『第1回定期演奏会』は、その新体制として初の演奏会となる。タクトを取るのはミュージック・パートナー、岡本陸だ。

初回公演のテーマは「チャイコフスキー」。重厚な管弦楽や美しいメロディの数々など、時代や国を超えて愛され続けるその音楽に、オーケストラ・指揮者は勿論、ソリスト、そして作曲家に至るまで、若手の精鋭たちが対峙する2時間だ。

前半には、二人の若手を迎える。
一人目は作曲家・藤重侑宇。様々な作曲家・時代風の自作曲を「みたいな曲」として発表しており、YouTube、X(旧 Twitter)で公開される度に注目を集めている。今回は、本公演のために「チャイコフスキー」の作風で作曲。その世界初演となる。

もう一人は、医師との二刀流で活躍を続けるピアニスト・沢田蒼梧。2021年の第18回ショパン国際ピアノコンクールでは、その美しい音色が日本、そしてポーランドでも好評を博した。ラフマニノフなども得意とする彼が、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調を東京で初披露する。

藤重侑宇(左)、沢田蒼梧(右)

藤重侑宇(左)、沢田蒼梧(右)

そしてメインとなるのは交響曲第5番。後期の3曲を中心に、自らの人生経験を交響曲へと描き込んだチャイコフスキー。5番はその中でも絶望から勝利への栄光へと進んでいく楽曲だ。運命への服従、絶望、憧れ、そして決別と勝利。素晴らしいメロディの数々とともに時代を超えて愛されているこの曲、昨年にはドラマ『リバーサルオーケストラ』でも話題となったこの曲に、指揮・岡本陸とタクティカートオーケストラが爽やかな風を送り込む。

新たな舵取りを迎えた新進気鋭のオーケストラが、横浜・みなとみらいホールから果たす再出港。チケットは好評発売中だ。

『タクティカートオーケストラ 第1回定期演奏会』