トラッカーは「車載ナビ」より「トラック用ナビアプリ」利用者多数! ただのナビじゃない「ならでは」の機能とは

この記事をまとめると

■トラックのカーナビ事情について解説

■トラックの装備としてはそれほど普及していない

■スマホのナビアプリを使っているドライバーが多い

車両寸法を考慮した道案内をしてくれる

 いうまでもなく、トラックドライバーは運転のプロ。一般ドライバーに比べて、道路やその沿線の情報に精通していることは間違いない。しかし、道路はつねに各所で工事が実施され、拡幅・車線増設・開通・規制などが頻繁に行われているし、沿線の状況も目まぐるしく変化する。これらすべてを正確に把握するのは、いくらプロでも難しいといえよう。

 そんな悩みを解決するべく登場したのがカーナビで、いまやほとんどのクルマに搭載されている。だが、意外なことにトラックには装備としてそれほど普及していない。その理由は、「車両の特殊性(車両寸法が大きい・24V仕様車がある……など)により、コスト(購入する側としては機器本体や取り付けの費用、メーカー側としてはトラック仕様ナビの開発費用)がかかるから」ということらしい。

 ところが、スマホのナビアプリが登場して問題は一挙に解決した。デバイスがスマホなので新たなイニシャルコストがかからず、アプリはサブスク方式でもランニングコストが低く抑えられる。データはクラウド方式なので、つねに最新の情報が手に入れられるのだ。そして、トラックドライバーにとってなによりありがたいのは、トラック仕様のアプリが増えていることである。

トラックのカーナビ事情について解説

 トラック仕様のナビアプリが持つ特徴は、設定している車両寸法などに対応して道順・駐車場などをナビゲーションすることだ。たとえば、道路の幅員だけではなく交差点の角度を考慮して、車両の転回が可能か否かということを判断して案内する。

 また、安全運行支援として、走行予定ルートの幅員・高さなどの制限や曲がりにくい角度の情報を、事前にアイコンや音声で知らせる機能といったものもあるのだ。

「口コミ」による情報提供も!

 とくにトラックドライバーの間で重宝されているのが、休息可能なスペースの表示機能。周知のとおり、トラックの運行には「一定時間走行したら休息をしなければならない(430休憩:連続して4時間走ったら30分の休息をとる)」などといった厳しい決まりがある。

 トラックドライバーはこれを遵守した無理のない運行スケジュールを立てるのだが、実際の走行は渋滞などがあってスケジュール通りにはいかない。急遽予定を変更して休憩をとらなければならないこともあるのだ。そんなときにも、このナビが強い味方になってくれる。

 そして、最近注目を集めているのが「口コミ」機能だ。たとえば、サービスエリアパーキングエリア/トラックステーション道の駅/コンビニ/レストラン(ドライブイン)といったスポットについて、トラックドライバー自らがアプリに投稿できるというもの。その施設のお勧めや感想が素直に述べられているだけではなく、投稿者が登録しているトラックの車両サイズも表示される。これがあればどのスポットに向かえばよいか、自分のトラックはそこに入場・停車が可能なのかということもわかる。

トラックのカーナビ事情について解説

 アプリの「口コミ」といえば、飲食予約サイトのものやショッピングサイトのものが有名だが、これら一部には以前から信憑性に疑問が投げかけられていた。いたずら半分の投稿や、何らかの利権がらみによる投稿があるといわれているからだろう。しかし、トラックドライバーは孤独ななかで、皆が頑張っているといった連帯感を強く持っている。ゆえに、少しでも仲間の役に立ちたいという思いがあって、「口コミ」の信憑性が高いのだ。

 このほかにも、グループ内の自車位置表示・目的地到着予定時間共有・走行軌跡記録などといった業務対応が可能なタイプも出てきており、利用分野がどんどん広がってきている。さらに、これらの機能にもそれぞれ「口コミ」が可能になって事務所やトラックドライバー同士で、コミュニケーションができるようになるかもしれない。

 トラック用カーナビが、今後どのように進化していくのか楽しみである。

トラックのカーナビ事情について解説

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