アスレティック・ビルバオのFWイニャキ・ウィリアムズが、7日に行われるコパ・デル・レイ(国王杯)・準決勝ファーストレグのアトレティコ・マドリード戦に向けた意気込みを示した。5日、スペインのラジオ局『カデナ・セール』が伝えている。

 先月25日に“ラ・カテドラル”の異名を取る『サン・マメス』にこだましたのは、前日までビルバオから約6000km離れたコートジボワールに滞在していた“韋駄天”の名前だった。ガーナ代表としてアフリカネイションズカップ2023に出場したものの、24日にグループステージ敗退が決定。すぐさまスペインに向けて出国し、国王杯・ラウンド8のバルセロナ戦当日の午前中に到着したイニャキ・ウィリアムズは、2-2で迎えた59分から途中出場。そして延長前半終了間際に、5大会連続の4強入りに導く決勝点を挙げたのだ。

 そんな鉄人ぶりを発揮したイニャキだったが、直近のマジョルカ戦で左足裏の違和感により負傷交代を強いられていた。7日に控える準決勝出場も懸念されていたなか、スペインのラジオ番組に出演した同選手は「少し前から足に違和感はあったんだ。ただ、これ以上悪くなることはないだろうと思っていた…。でも大丈夫、今はもう回復している」と告白しつつ、「(同じくマジョルカ戦で負傷した)ニコ・ウィリアムズの状態? この数時間が出場可能かを判断するのに非常に大切。まぁでも、ビルバオに住む僕たちはすぐに回復するから。バルセロナ戦に間に合うように、コートジボワールから6000kmも旅をしてきた選手もいるぐらいにね(笑)」とウィットに富んだ発言で、場を盛り上げた。

 2019-20シーズン以降は4大会連続でベスト4に進出している一方で、その全てでタイトルを逃しているアスレティック・ビルバオ。“5度目の正直”となる今大会、イニャキは「ビルバオの街の人々全員が熱意を持っていることを知っているよ。ここ数年は、ずっとあと一歩のところだった。そして今年は、物事の進み方やチームレベルを考慮すれば、実現にどんどん近づいていると思える」と自信。続けて「もちろん目の前には、素晴らしい選手を擁して、リスペクトを払わなければならないライバルがいる。次に進むのは容易ではないとわかっているけど、不可能でもない。正しいことをやれば、僕らが決勝に行けると確信しているんだ。さぁ、できる限りのことをやろう」と決意を示している。

 アスレティック・ビルバオの国王杯通算23度優勝は、バルセロナに次いで歴代2位の記録だが、1983-84シーズンを最後に同大会のタイトルからは遠ざかっているのも事実だ。半世紀近く渇望し続ける“ロス・レオネス”は今、アトレティコ・マドリードを喰らい、王手をかけることができるのだろうか。

アトレティコ戦に向けた意気込みを語るFWイニャキ・ウィリアムズ [写真]=Getty Images