女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2020年2月11日 記事は取材時の状況)


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 冬は何かとイベントの多い季節。恋人と楽しく過ごせたら最高ですが…不倫の恋だと、なかなかそれも難しいようです。



写真はイメージです(以下、同じ)



 不倫に苦しむ女性のエピソードをご紹介しましょう。


◆学生時代の友人に不倫を打ち明けたら意外な返答
 独身の畑中結花さん(仮名・27歳/会社員)は、既婚者である上司のNさん(44歳)と不倫関係になり1年になります。


「きっかけは、憧れていたNさんに酔った勢いで誘われて…2、3回で止めようと思っていたのに、ズルズルそのまま続いている感じですね」


 不毛な関係に、虚しさを感じながらもNさんと別れる事ができない結花さん。


「ひとりになるのが寂しくて…その事を誰にも相談出来ずに悶々(もんもん)としていたのですが、大学時代の友人K子(27歳/雑貨屋勤務/独身)とランチした時につい弱音を吐いてしまって」


「不倫なんて最低!」とあきれられてしまったらどうしよう?と身構えていたら、実はK子さんも不倫の恋で悩んでいると告白されたそう。


「まさかK子が?と、驚きました。私と違って真面目でしっかり者なのに…ですが、いけない事をしているのは分かっていても、どうしようもない時ってあるよねと本音を言い合えてちょっと心が軽くなったんですよね」



◆年末年始を友人と過ごすことに
 今までは2~3ヶ月に1度程度会っていたK子さんと、それからひんぱんに会うようになった結花さん。


「そしたらある日、K子から『不倫相手(取引先の年下男子・25歳/子持ち)が年末から妻の実家に帰ってしまい、こちらから連絡する事を禁じられてつらいから、年末年始を一緒に過ごしてくれない?」と頼まれたんですよ」


 偶然、自分の不倫相手・Nさんも妻と年末年始をハワイで過ごすと聞いて寂しさを感じていた結花さんは…。


「即OKしました。私もK子も実家に帰る予定もなく、都内で年越ししないといけなかったので」


 大晦日、K子さんの部屋で寄せ鍋を食べながら『ガキ使の笑ってはいけない…』を見つつ、23時頃から新宿に初詣に出かけました。



「ひとりだったら絶対にNさんの事ばかり考えてしまい『今頃、奥さんと美味しいものでも食べているのかな?』なんて勝手な想像をして、胸がチクチクして眠れなくなっていたと思うので、ホント助かりました」


 行列がすごすぎたので、初詣はまたにする事にした結花さんとK子さんは、そのまま近くにあるスパ施設に行き温泉を堪能(たんのう)。


「たっぷり温まって、飲食スペースでビールを飲んだ時、K子がプハーッとめちゃくちゃ美味しそうな笑顔をしたので、思わず『ここ最近で一番の笑顔だね』と言ったら…」


◆不倫相手に別れを告げ祝杯をあげた二人
「そう?今、すっかり彼の事忘れていたからかな」と苦笑いするK子さんを見て、つい涙ぐんでしまった結花さん。


「私達2人でいるだけで、こんなに楽しいじゃん!もう、わざわざ先のない不倫なんてやめて…いい加減スッキリしたくない?って言ったらK子も泣きながらうなずいてくれました」



 そして、元旦のお昼に結花さんとK子さんは不倫相手にお別れのLINEを送りました。


「もちろんすぐにブロックもしました。そうしたらすごく気持ちが楽になって、もっとはやくこうすれば良かったねとK子と笑い合いながら、まだ昼なのにトンカツ屋で祝杯をあげました」


◆また不倫をしたら絶交しようと約束
 その後、Nさんから電話がきましたが無視をした結花さん。


「K子にも不倫相手からスマホにメールがいっぱいきていましたが、読まずに消していました。私達は改めて初詣に行き『結婚前提でお付き合いできる真面目な彼氏ができますように』と精一杯願いました」


 それから結花さんとK子さんは、どちらが先に彼氏ができるか競争しているそう。


「でも、これからもずっと支え合っていこうねってよく話しています。彼氏が出来たって、結婚したって、いつどうなるか分かりませんからね」


 そして、もしどちらかがまた不倫をしたら絶交しようという約束もしたそうです。


<文&イラスト/鈴木詩子>


【鈴木詩子】漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラー棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop