コロナ禍が落ち着きを見せ、日本を訪れる外国人が急増しています。特に、韓国や台湾といった日本の近場から来る人々の姿がよく目につきます。

昨今の円安もあって「日本は安くてお得」と言う人もいれば、日本でラーメン屋さんやそば屋さんなどのグルメを巡る人も。

日本における空の玄関口である空港は今、訪日外国人を中心にとても混雑しています。しかも、各地での人員不足も相まって、保安検査場などは長蛇の列。コロナ前とは異なる、日本の空港で今起きていることを主にまとめました。

搭乗手続きの開始前から長い列。LCCはさらに要注意

航空会社のカウンターは搭乗手続きで長い列 image by:LALIDA BOONMEE/Shutterstock.com

まず、羽田や成田、関西、福岡など、日本の主な国際空港は、現在どこも大混雑。航空会社の搭乗手続き(チェックイン)カウンターには、搭乗客の長い列ができています。

特に、LCC格安航空会社)は大手航空会社より、カウンターのオープン時間が短い、カウンターの数もスタッフも少なめ。それを知っている搭乗客が、チェックイン開始のかなり前からすでに並んでいます。

日本の空港から出発する場合、チェックインの締め切り時間が迫ってきても、ずっと並んでいる搭乗客が全員終わるまで締め切ることはないでしょう。

しかし、その後に保安検査が控えています。搭乗ゲートも、保安検査場より歩いて何分もかかる、遠くにある可能性があります。とにかく早めに並ぶことに越したことはありません。

混みすぎる「保安検査場」と搭乗時間が迫った時の緊急対処法

空港の保安検査(イメージ)image by:Shutterstock.com

次に、搭乗客は全員保安検査を受けなければいけません。これがまた大変です。出発客が集中する時間帯は、保安検査の通過に数十分かかることも。まるでテーマパークのアトラクションのようなレーンも見られます。

実際のところ、保安検査員がどの空港も不足しており、レーンの数こそあっても実際に開いているレーンが少ないのが現状です。

飛行機の出発時間にまだ余裕があっても、あっという間に列が長くなってしまうことがあり得ます。保安検査が空いていたらラッキーで、とにかく早めに通過すること。

もし搭乗時間が迫ってきて危なくなったら、申し訳ない気持ちを出しつつ、先に通過させてもらうようにしましょう。

近くにいるスタッフに頼んでもただのアルバイトなのか意味がないことが多いため、自ら動いて先に並ぶ客に頭を下げて行動したほうが得策です。

日本の主な国際空港にある「顔情報登録」の端末 image by:編集部

もし優先レーンが使えるなら、積極的に使うこと。羽田と成田の両空港などは「顔認証ゲート」もあり、ANAやJALなどで出発する場合、チェックインカウンターで登録でき、保安検査のレーンも別。保安検査の通過時間が、若干短縮されます。

出国審査は、日本の空港では、日本人のレーンは空いていることがほとんど。日本人の海外渡航が増えていないためです。入国審査も同様で、待ち時間はほぼないでしょう。

出国後エリアの免税「お土産屋さん」も爆買いで大混雑

成田空港の出国後エリアにあるお土産店 image by:icosha/Shutterstock.com

出国後エリアにあるショップも、最後に日本のお土産を買いだめする、しかも価格が免税であるため、外国人旅行客で混雑しています。レジがフル稼働でも、行列が半端なく、ちょっとした買い物でもかなり並ばされること必至です。

特に、コンビニエンスストアスターバックスなどのカフェは大混雑。韓国や台湾などから来る搭乗客はLCCの利用が多く、機内食は有料。そのため、搭乗前に飲食を済ませる、機内に持ち込むために買う人々で込み合っています。

コロナ禍の出国エリアはまるでゴーストタウンのごとく、ほとんどの店舗が閉まっていました。そして今はほぼ開いているものの、コロナ前後で店舗が入れ替わっている、人員不足で営業時間がいまだ短縮であることも。お目当てのお店がある場合、営業時間などは事前に必ず調べましょう。

韓国人や台湾人は空港のアクセスに電車やバスの利用が多め

成田空港と都心を結ぶ「成田エクスプレス」image by:Sarunyu L/Shutterstock.com

空港と中心部を結ぶ公共交通機関も、軒並み混雑しています。特に、韓国や台湾からの人々は、タクシーよりも鉄道やリムジンバスなどを利用する傾向が見られます。

鉄道の場合、始発駅でない途中の駅から乗ると、座席指定車で指定していなければ、座れないかもしれません。

しかも、旅行者は間違いなくスーツケースを持っているため、車内のスペースが狭くなってしまっています。混雑を避けるならちょっと迂回する、外国人旅行客が知らないようなルートを使うのも手かもしれません。

一方、リムジンバス定員制で、バスの定員に達すると乗車することができません。コロナ禍で空席だらけであった便も、今は乗客数が増え、最悪乗れないことも。バス会社が運転手不足で、ニーズはあってもバスの本数を増やしていないケースも考えられます。

羽田空港で「Uber」の広告 image by:image_vulture/Shutterstock.com

空港のタクシー乗り場も、大混雑です。特に、長期滞在する欧米人などが大きなスーツケースとともにずっと並んでいます。

日本には「Uber」のようなライドシェアが海外ほど普及しておらず、しかも欧米人は空港から車で移動する習慣がついているため、タクシー乗り場に一極集中してしまっています。ここも人員不足で、タクシーの絶対数が足りていません。

訪日外国人増だけじゃない!どこも「人員不足」で混雑だらけ

空港駅のチケット売り場 image by:Mei Yi/Shutterstock.com

コロナ後の日本の主な国際空港は、外国人が多めで日本人の少なさが目につきます。しかし、出入国審査を除き、搭乗手続きのカウンターも保安検査も同じ列に並ばないといけません。

韓国や台湾などからの人々は手荷物こそ少なめではあるものの、その人数は圧倒的に多く、直行便も多く運航されています。

しかも今、どこも人員不足で余裕がありません。そのしわ寄せが、空港の混雑に拍車をかけてしまっています。

とにかく「早めに行動する」ことが大事。空港や航空会社も、国際線では出発3時間前に空港に到着し、保安検査はできる限り早く通過するように通達しています。「コロナ前とは違う」というのも、しっかり肝に銘じて行動してください。

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