納豆アイスをご存じだろうか。バニラアイスに納豆を混ぜたデザートだ。ちょっと味の感覚がわからないという人もいるかもしれないが、これがトルコアイスに似ていて意外においしいと評判なのだ。
「トルコアイスは伸びるアイスですが、アイスに納豆を混ぜるとネバネバの成分がこのトルコアイスのような風味を出し相性バツグン。納豆アイスは、市販品が売り出されているほど隠れた人気なんです」
こう話すのは、栄養士で食のアドバイザーの成田和子さんだ。
そもそも、納豆は高血圧予防に非常に優れている。
「納豆に含まれるイソフラボンの量は、多くの食材の中でもトップクラスです。このイソフラボンは、継続的にとることで血圧を下げるという多数の調査報告があります。これは、イソフラボンが血管の拡張を助け、収縮するのを抑えるためだと考えられます。また、納豆特有のネバネバのもと・ナットウキナーゼには血栓を溶かしやすくする効果があり、高血圧の予防に役立ちます」(成田さん、以下同)
さらに、納豆は高血圧の予防や改善に欠かすことができないカリウムも豊富だ。カリウムは摂取することで体内から余分な塩分を排出、血圧を下げる作用がある。納豆に含まれるカリウムは1パックに約300gと多く、成人女性に必要な1日のカリウム量の約7分の1を1パックで補えるのだ。
「なお血栓は、長時間水分を摂取することが少ない就寝時にできやすいため、夕食後のデザートとして食べるのがいちばんです」
■納豆+バニラアイス+食材でさらに健康効果がアップ
そこで、提案したいのが夕飯のあとのデザートとして納豆を食べる習慣だ。特に、相性がいいのがバニラアイスと納豆なのだ。
バニラアイスには、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、ナトリウム、カリウムなど多くの栄養が含まれている。こちらも、高血圧の予防、免疫力アップ、疲労回復、貧血の予防などの効果がある。
「この納豆アイスにプラスして健康にいい食材を混ぜれば、高血圧予防のほかに、多くの体にいい効果を得ることができます」
さらにおいしく、もっと健康効果がアップする自宅で作れる納豆アイスデザートを、成田さんに提案してもらった。
とっておきのレシピは8つだ。
バニラアイスに納豆(適量)を混ぜ、それぞれの食材をのせたりかけたりするだけでOK。
納豆アイスに溶かしたチョコをかけ、ウエハースを添える/カカオのポリフェノールは抗酸化作用が強力。血圧を調整し、高血圧、動脈硬化を予防する効果が。
ミニトマトを飾り、オリーブ油をかける/トマトのリコピンは免疫力を高める。抗酸化作用もありオリーブ油と合わせるとさらに効果が。オリーブ油は高血圧や心臓疾患などを改善。
きな粉を振り、はちみつをかける/きな粉の大豆サポニンは抗酸化作用が強く過酸化脂質の生成を抑制し、高血圧や高脂血症の予防にも。
一口大のバナナとキウイ、ひきわり納豆アイスを交互に盛り付け、ミントを添える/バナナやキウイに多いカリウムがナトリウムの排出を促し、高血圧を予防。
【ひきわり納豆アイス黒ごま(+黒ごまと大葉)】
ひきわり納豆、アイス、黒ごまを混ぜ、大葉の千切りを飾る/ごまには抗酸化作用の強いセサミンが含まれ、ビタミンEも多く血液をサラサラにする。血中コレステロールを低下させ、動脈硬化や心筋梗塞の予防にも。
【納豆アイスピーナツ(+バルサミコ酢とピーナツ)】
ピーナツをトッピングしてバルサミコ酢をかける/バルサミコ酢はポリフェノールの一種を含み動脈硬化を防ぐ。ピーナツはビタミンE、ナイアシン、カリウムなどを含みコレステロールや中性脂肪を下げる。
【ひきわり納豆アイスヨーグルト(+ヨーグルトとゆずジャム)】
ひきわり納豆アイスにヨーグルトを添え、ゆずジャムをかける/ヨーグルトは腸の善玉菌を増やし、老化を防ぐほか、血糖値や血圧を調整。免疫機能を高める働きも。
【納豆アイス栗(+栗)】
アイスと納豆、小さく切った栗の甘露煮を混ぜて盛り付け/栗はカリウムも含み、高血圧や動脈硬化の予防に。ミネラルも豊富。
「どれも食べやすくおいしい納豆アイス8選。ぜひ一度、お試しを」
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