1位は322万円のマルク
障がい福祉サービスを展開

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2023【中国&四国地方】」を作成した。対象は中国・四国地方(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)に本社を置く上場企業で、単体の従業員数が20人未満の企業は除外している(理由は後述)。対象期間は、2022年5月期~23年4月期。

 では早速、ランキングを確認していこう。

「年収が低い会社ランキング2023【中国&四国地方】」で1位となったのは、愛媛県松山市に本社を置くマルクで、平均年収は322.0万円だった。従業員数は96人、平均年齢は33.6歳だ。マルクは、放課後等デイサービスや自立訓練(生活訓練)事業などの運営を中心とした「障がい福祉サービス事業」を展開している。

2位から4位までは300万円台、大手とフランチャイズ契約を結ぶ企業も

2位から4位まで300万円台
4位はブックオフやモスバーガーを多店舗展開

 2位は、山口県山陽小野田市に本社を置く、アルファクス・フード・システムだった。平均年収は376.0万円だ。従業員数は95人、平均年齢は40.8歳。外食企業に特化した基幹業務システムの提供などを行う企業で、配膳AIロボットの開発なども行っている。

 3位は、愛媛県宇和島市に本社を置き、野菜苗の生産販売などを行うベルグアースで、平均年収は381.2万円。従業員数は226人、平均年齢は39.2歳だった。

 4位は愛媛県今治市に本社を置く、ありがとうサービスで、平均年収は388.1万円。従業員数は183人で、平均年齢は39.8歳だ。同社は、ブックオフハードオフなどとフランチャイズ契約を結び、愛媛県山口県および九州、沖縄でリユース事業を行う。また、モスバーガーフランチャイジーとしても10店舗以上を展開するほか、温浴宿泊施設の運営も行っている。

 5位は、赤外線センサーや超音波センサーなどの開発・製造・販売をする日本セラミックで、平均年収は402.8万円だった。従業員数は323人、平均年齢は43.1歳だ。

 さて、最後になったが、本ランキングで20人未満の企業を除外したのは、このランキングには持ち株会社(ホールディングス)と事業会社が混在しているという「癖」があるからだ。

 持ち株会社として上場している企業の中には、経営企画や人事系など、少数の幹部社員だけしか在籍していないところがある。すると、その企業の実態(グループ全体)よりも年収が高く出てしまう恐れが強い。そうした「癖」の影響をなるべく排除するために、従業員が20人未満の会社はランキングから除外した。

 一方で、企業の中には、一般社員よりも平均年収が低い契約社員を含めている場合がある。他にも、定年退職者の雇用を積極的に進めている企業や、地方に本社を構える企業も年収が低くなる場合があるということを念頭に置いて見てほしい。

 ランキングの完全版では、6位以下の全100社を掲載している。平均年収が500万円以下の46社の傾向も業種別に分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)