腹ぺこ ららばい( @harapekoLullaby )さんがSNSに投稿した漫画「遥かなる空」が話題を集めている。教室だけでなく社会における同調圧力を「仮面」の存在で表現した本作は、自分らしくあることの大切さを多くの人に気づかせ、多くの反響が寄せられた。今回、作者の腹ぺこ ららばいさんにインタビューを敢行。本作に込めた思いや制作の裏側などについて語ってもらった。

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■「マスクをしていないとモラルがないと見なされる世の現状と、自分の描きたいテーマが上手くリンクした」

本作が生まれた経緯について、腹ぺこ ららばいさんは「同調圧力を題材にした仮面を被る世界のお話自体は、学生時代から構想してはいました。製作したのはコロナ禍真っ只中の2021年です。マスクをして顔を隠す、そしてマスクをしていないとモラルがないと見なされるという世の中の現状と、自分の描きたいテーマが上手くリンクしたので、学生時代から残していたネタを掘り起こして、製作することにしました」と。コロナ禍が一つのきっかけとなったことを告白。

二葉さんが先生から理不尽に怒られていた時、主人公は他のクラスメイトと同じ仮面を被らなかったことで自分も阻害されてしまう。彼が仮面を合わせなかった理由を尋ねると、「単純に、主人公はその怒りに正当性を感じなかったからです。『ほかにも宿題を忘れた人がいるのに、なぜ先生は彼女にだけ当たりが強いんだろう?』という疑問。それがほかのクラスメイトと感覚が違ったところです。また、彼の中で、二葉さんに対する憧れのようなものもありました」と明かしてくれた。

最後に、腹ぺこ ららばいさんは「自分らしく生きようというのは、私は『感動』ではないかと思っています。画家になりたい!などと夢を追う原点は感動が出発点だからです。今回の漫画の主人公は、空に感動しました。大きくて広い広大な自然の中に受け入れられた感覚を知って、そこに自分だけが持つ感動を手に入れたから、自分らしく生きる勇気を手に入れたのです。

私自身も物語に感動したことがあるから、今も漫画という形で物語を描いています。『自分が本当に感動するもの』が何かを知っていれば、自分らしさを忘れずに生きていけると思います」と、自分らしくあることが難しく「生きづらさ」を感じている人たちへメッセージを寄せた。

取材協力:腹ぺこ ららばい(@harapekoLullaby)

この「仮面」の意味とは…?/画像提供:腹ぺこららばいさん