コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、のりばさんが描く『コント ゲーム』をピックアップ。

【漫画】ゲームの登場人物たちの結末はどうなるの…1週間後のバグ修正を前に「RTAする勢いでクリアしないと!」の声

2023年12月19日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、のりばさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

■“ゲームに驚きのバグが発生している”というコントの結末に衝撃が待っている

「さぁ 今日は楽しみにしていたゲームの発売日だ」

黒い背景に照明、1脚の椅子というシンプルなセットの中で、座っている男性が言う。コント「ゲーム」というネタが始まった。続けて、立っている男性が口を開く。

「本ゲームをプレイされるお客様にご注意です」

立っている男性はゲームの中の案内役だ。案内役はゲームにバグがあることを伝える。“ゲームのバグが気になる人は、後日配信予定の修正されたパッチを待ってほしい”とのこと。なお、バグはゲームの進行に影響はないという。プレイしている男性はゲームを楽しみにしていたため、このまま始めることにした。しかし、ゲームを進めていくと、確かに進行に影響はないが、とても気になるバグが発生していた。

主人公の名前が“中野島隆”(ゲーム会社社長)、ヒロインの名前は“堂ノ脇正子”(社長の愛人)に固定されていたのだ。そして、このゲームの目的は、大魔王である“中野島芳江”(社長夫人)を倒すことだった。さらに主人公のライバルとして、社長夫人の不倫相手も登場する。つまり、このゲームは“社長が愛人と一緒に、奥さんと不倫相手を倒しにいく話”なのだ。キャラクターの名前が実名で固定されてしまっているバグと、案内役によって補足情報が与えられることによって大変な事件が浮き彫りになり、ゲームよりもリアルな情報が気になって仕方なくなってしまう。そして、漫画の最後にはさらに驚きの展開が待っていた…。

楽しみにしていたゲームの裏に潜むドロドロの愛憎劇に、プレイしていた男性は手を止め、修正パッチを待つこともせず、ゲームのアンインストールを決めるのであった。

■作者・のりばさん「3DCGという手法で漫画を制作していることが特徴」

――『コント ゲーム』のお話が生まれたきっかけや理由などをお教えください。

『高宮ウォーキング』という漫画のエピソードのひとつです。この漫画は二人のキャラクターが歩きながら、おかしなことをする話ですが、何かエピソードのバリエーションを増やそうとコント形式にして『コント ゲーム』が生まれました。

コント形式は各キャラクターのバックボーンを知らなくても楽しめる場合が多いので、初めて読んでいただける方に向けてこの形式を採用したという理由もあります。

今回のネタは、テーマを先に決めて面白い広がりができないかと考えました。『コント ゲーム』の場合はゲームというテーマで何か面白くならないかと考えて思いつきました。

――今作は漫画作品ですが、オチがありコントとして成立しているお話でもありました。これまでにもコントのシナリオなどを書いたご経験があるのでしょうか?

私は本業はCGのクリエイターでアニメや映画やゲームのCGを担当してきました。シナリオや脚本を自分で書いた経験はありませんが、多くの作品のシナリオや脚本を読ませていただける環境にありました。そこで、自分でも考えてみたいという思いを持ったのが漫画を描き始めた動機でもあります。

今回のネタはそういった経験から作られたエピソードかも知れません。

――X(旧Twitter)投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。

いろんな方に読んでいただき嬉しいです。X(旧Twitter)には多くの漫画が毎日投稿されているのでその中で選んでいただくのは難しいことだと考えています。今回幸運にも目を通していただき、楽しんでいただけたならありがたいと思います。

反響も多くいただきましたが、好意的なものばかりでホッとしました。また多くの反響がいただけるように頑張ろうと思います。

――本作が収録されている『高宮ウォーキング』の概要や見どころをお教えください。

『高宮ウォーキング』は当初、福岡の地元ネタをテーマに制作していました。ですが、それではあまりにも間口が狭く、多くの方に興味を持ってもらえないと考え、今は何でもありのギャグエッセイとなっております。

また、3DCGという手法で漫画を制作していることが特徴です。手描きの漫画が素晴らしいことは言うまでもありませんが、少し変わった印象の作画を楽しめるのではないかと思います。

登場人物も少なく、入りやすく、読みやすい、漫画になっていると思いますので気軽に読んでいただけると幸いです。身近で、他愛もないネタをテーマに、どんな方でも楽しんでいただけるように心掛けております。

――今後の展望・目標をお教えください。

簡単な漫画動画の制作やブログ開設など、ネットを通じてより多くの方に知ってもらえるよう計画中です。その他にも多様なSNSプラットフォームにも積極的に展開していきたいと考えています。今はより多くの方に知ってもらえるのが目標ですので、その点を一番がんばっていきたいと思います。

また、あまりこういう話をするのもどうかと思いますが、現在、大赤字なので制作するにあたっての活動費くらいは手に出来るようにしたいです。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

今回漫画『高宮ウォーキング』での最も人気のあるエピソード『コント ゲーム』をご紹介いただきました。この他にも、電車の中で、ベッドの中で、生活の一息ついた中でクスリとできるエピソードが沢山あると思っています。

読んでいただけるのが一番嬉しいので、どうかXで見かけたらスススッとスクロールお願いいたします。

新作ゲームを楽しむはずが驚きの展開に…/画像提供/のりばさん