仙台高裁の岡口基一裁判官(職務停止中)の弾劾裁判の第14回公判が2月7日、裁判官弾劾裁判所(裁判長:船田元議員=衆・自民=)で開かれ、裁判官訴追委員会の最終意見陳述(論告・求刑)があった。訴追委は、岡口判事に裁判官としての威信を著しく失うべき非行があったとして罷免を求めた。

訴追事由になっているのは、2017年12月〜2019年11月までの13個の行為だが、このうち女子高生殺害事件に関する投稿を含む4つの行為が、訴追段階で3年の訴追期間(裁判官弾劾法12条)を経過しており、対象にできるかが争点の1つになっている。

この点について訴追委は、岡口判事が裁判所からの厳重注意や懲戒処分(戒告)、裁判当事者からの抗議などを受けながら、真剣に受け止めることなく、ときには相手を揶揄したり、自己正当化を図ったりしながら、「性懲りもなく」行為を繰り返していたと指摘。

反復回数が多く、期間が長いほど国民の司法に対する信頼低下につながり、裁判所の内部規律をないがしろにする反規範的な意思決定への非難も累積的に増えるなどとして、一つの社会的事象または同一の人格態度の発露として、一体のものとして判断すべきだと主張した。

次回は2月28日。弁護側の最終意見陳述がおこなわれる。

●訴追委の出席は2人

訴追委の最終意見陳述の日だったが、出席した訴追委は越智隆雄議員(衆・自民)と柴山昌彦議員(衆・自民)の2人だけだった。

裁判員は第一代理裁判長の松山政司議員(参・自民)、福岡資麿議員(参・自民)、森まさこ議員(参・自民)の3人が欠席。代わりに予備員から中田宏議員(参・自民)、酒井庸行議員(参・自民)の2人が出席し、1減の13人だった。

岡口判事の罷免求める 訴追委が最終意見陳述 弾劾裁判