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ハイエースだらけの市場に3種のキャラバン

ハイエースの一強と言われてきた日本のキャンピングカー市場で、「日産キャラバン」の動きが活発だ。

【画像】3種の「キャラバン」車中泊仕様 詳しく見比べる【ディーラーで買える!】 全19枚

「マイルーム」というデザイナーズホテルのような内装の車中泊仕様が登場したし、日産直系のオーテックも「マルチベッド」をラインナップしてきた。

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ジャパンキャンピングカーショー2024の日産ブースに並んだ3台。右からキャラバン「マイルーム(跳ね上げ式ベッド)」「マイルーム(折りたたみベッド)」、キャラバン「マルチベッド」だ。    AUTOCAR JAPAN編集部

これらはディーラーで買えて、ディーラーで車検・メンテナンスをしてもらえ、メーカー保証が付帯されるキャンピングカーとして新しいユーザーの視線を集めている。

ジャパンキャンピングカーショー2024の日産ブースにはそんな3種類の「キャラバン」が並んでいた。

1台目は、キャラバン・マイルームの「跳ね上げ式ベッド」仕様。

2台目は、同じくマイルームの「折りたたみベッド」仕様。

3台目は、オーテックが販売する「マルチベッド」だ。

跳ね上げ・折りたたみ 初動の割合は?

「マイルーム」は、ローンチエディションという特別仕様車が受注を終えたばかりで、2月からその納車が始まるところ。今回展示されたのもローンチエディションである。

会場のスタッフに確認すると「跳ね上げ式ベッド」と「折りたたみベッド」の受注数の割合は4:6くらい。

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マイルーム・ローンチエディション(跳ね上げ式ベッド)    AUTOCAR JAPAN編集部

「跳ね上げ式ベッド」は、ベッドを使わないときには車体の右側面へ立てかけて、壁収納タイプのように片付けることができる。

使いたいときはフックを外すだけでベッドの状態に戻せるのだが、ばったん!と倒れ込むようなことはなく、水平になるまでゆっくりと倒れていく所作が美しい。

こうしたギミックを気に入った方が「跳ね上げ式ベッド」仕様を選んでいるそうだ。

価格・アレンジの自由度で選ぶなら……

もう一方の「折りたたみベッド」仕様は、豊富なアレンジが見どころ。

ベッドを二つ折りに畳めば“掘りごたつ式の座敷”のようにテーブルを囲んで食事ができるし、畳んだベッドをスライドして好きな位置に配置できるなど自由度が高い。

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マイルーム・ローンチエディション(跳ね上げ式ベッド)    AUTOCAR JAPAN編集部

価格差も仕様を選ぶポイントになっていると、スタッフの方が教えてくれた。

「折りたたみベッド」仕様は595万8700円~。前述の「跳ね上げ式ベッド」仕様は613万4700円~。

ガソリン車/ディーゼル車のどちらを選んでも、「折りたたみベッド」仕様なら17万6000円安いので選ばれやすい面もあるようだ。

いずれの仕様を選んでも「キャラバン・マイルーム」はデザイン性に優れたインテリアがメーカー品質の仕立てで手に入るとあって、これまでのキャンピングカーにはない魅力でユーザーを惹きつけている。

期間限定のローンチエディションではない「キャラバン・マイルーム」が夏には登場する予定なので続報が入り次第ご紹介しよう。

そして、マイルームに興味を持ってディーラーへやって来た方に、実は結構選ばれているというのがオーテックが送り出す「キャラバン・マルチベッド」だ。

趣味で使い倒す派は「マルチベッド」一択

おしゃれキャラバン・マイルームはローンチエディションという特別仕様車が先行デビューした形なので、600万円~700万円超えという高価格帯であった。

マイルームの洗練されたテイストは魅力だけれど、車中泊の脚を“ガチで使い倒す”派のユーザーもいる。

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オーテックのキャラバン「マルチベッド」    AUTOCAR JAPAN編集部

そんな方たちに選ばれているのが「キャラバン・マルチベッド」。価格は3653100円~。

日産モータースポーツ&カスタマイズ社(NMC)のオーテックが架装を担当している。

こちらは車体左側と右側にベッドがそれぞれ配置されており、いわばツインベッドのようになっている。どちらも壁側に跳ね上げて格納できるタイプだ。

2つのベッドの間にOPの脱着式テーブルを設置できるのは実用的。高さも10段階で調整できる。

左右にセパレートしたベッドではあるが、隙間にマットを敷き詰めてベッドを広げられ、最大で幅1510×長さ1760mmのサイズになる。その状態でも脱着式テーブルを使うことができるのは面白い。

マイルームに比べてベッド下のスペースが広いのも、大きな荷物が必要なキャンパーにはメリットだろう。

NMC「オーテック」の作り込みも注目

「マルチベッド」のあちこちを手で触れてみると、ベッドのフレームも、テーブルの造りも、シートキャッチもとにかく頑丈。

オーテックは日産の福祉車両も手掛けているので耐久性に十分配慮しているのがよく分かる。

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2列目シートが折りたため、ベッドスペースへのアクセス性が高いのはキャラバンの魅力。    AUTOCAR JAPAN編集部

フロアには撥水性が高い素材を張り付けているし、凹凸がない床面になるようわざわざ手作業で仕上げているというのも実用重視の作り込み。

また2列目シートが折りたためるので、スライドドアからベッドスペースに出入りしやすい点はハイエースのユーザーが羨むポイントになりそうだ。

50周年を迎えた「キャラバン」はこうしたアウトドア志向のラインナップを拡大中。欧州の強豪といえる「フィアット・デュカト」も正規輸入されるようになり、ハイエース一強だったバンコンバージョンのキャンピングカーはベース車の選択肢が増えてきた。

車中泊キャンプを楽しむライフスタイルが根付いてきた日本で、この変化はどんな影響を与えるのか。これから数年の動向は見ものである。


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