アート集団チームラボと森ビルが共同で手掛けた「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(以下、チームラボボーダレス)が、2月9日に東京・麻布台ヒルズにオープンする。今回はメディア向けの内覧会に足を運び、先行体験した『チームラボボーダレス』の見どころを厳選してお届けしていく。

参考:【画像】ゼリーにシャボン玉...?『チームラボボーダレス』が創り出す“境界のない世界”

 本展覧会は2022年8月31日で閉館した東京・お台場の『チームラボボーダレス』のコンセプトである「境界のない1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する」をベースに、新たな展示を いくつも加えて進化させ、このたびオープンする施設だ。

 『チームラボボーダレス』は入り口から見逃せない。エントランス空間の天井には「teamLabBorderless」の文字が。指定の位置でカメラを向けると、なんと文字が浮かび上がるようになっている。

 荷物は受付横の無料ロッカーに預けることができるので、身軽な状態で作品を楽しむことができる。さっそく最初の部屋に入ると、ほのかに香る花の匂いとともに巨大な滝が待ち受けていた。

■『人々のための岩に憑依する滝』『花と人、コントロールできないけれども共に生きる‐A Whole Year per Hour』

 本作品は、人が作品の上に立ったり触れたりすると、水の流れが変化していくので、本当に滝の中にいるかのように錯覚してしまう。人が立っている場所には花も出現するので、水と花との幻想的な写真を撮影できる。

 『チームラボボーダレス』では蝶やカラス、花などが作品の垣根を超え別の作品へと移動していくため、まさにボーダレスな空間になっている。「さっきの作品がこんなところにも!」という発見に驚くのも、同施設の楽しみ方のひとつだ。

■世界で見られるのはココだけ!Borderless Worldエリア

 本エリアには、近づくと花々が散っていき、じっとしていると花々が誕生する『生命は闇に咲き闇に帰る微小な光』と、波を無数の水の粒子の連続体で表現した『Black Waves -闇から生まれ闇に帰る』の2つの新作が展示されている。赤と青の光が生きているかのように映し出されている空間は圧巻だ。

 誕生と死滅を繰り返す花は、近づくと散っていき、じっとしていると多く生まれる。筆者も作品を作り上げている一人として動き回ったり立ち止まったりを繰り返した。

 次に紹介するのは『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:虚空の宇宙』だ。本作品は、別の作品にいたカラスが通路を通って入ってくるときにはじまるため、いつ遭遇できるかわからない。つまり“見られたらラッキー”な作品なのだ。

 筆者も運よくカラスと同じタイミングで本作品に辿り着いたのだが、作品がはじまると同時に平衡感覚がなくなり、作品と一緒に動いているような没入感を楽しむことができた。

■巨大な光の彫刻!「Light Sculpture―Flow」シリーズ

 次に導かれたのが、ムービングライトに囲われた空間が広がる「Light Sculpture」(光の彫刻)シリーズだ。20以上の作品が1~2分ごとに移り変わる本エリアでは、ムービングライトの光が形や色を変えながら音楽に合わせて様々な動きを見せており、じっと見ていると思わず光に吸い込まれそうになる。

 近くから見ても迫力があるが、後ろがなだらかな山になっており、山の上から鑑賞するのもおすすめだ。

■Bubble Universeエリア

 本エリアには、無数の球体が空間を埋め尽くす『Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光‐ワンストローク』がある。以前お台場の『チームラボボーダレス』にあった『呼応するランプの森‐ワンストローク』がグレードアップしたような本作品。

 筆者のお気に入りの作品の一つにもなった本作品は、物質的な実体のある光、シャボン玉状の光の塊、ゼリーの塊のような光、環境によって生み出される光の4つの球体の中の光が無数に入り混じる、まさに“映え”空間。

 「物質的には存在せず、私たちの認知上にのみ存在している光の現象」であるというメッセージが込められている本作品に足を踏み入れた瞬間、「ゼリーが浮かんでいる......!?」と驚いたのだが、近づいてみると、ゼリーの塊のような光がぷるんぷるんと揺れながら一番近くの球体に伝播していった。

 おすすめの撮影方法は、床の鏡も入れ込んで撮影する方法だ。このように奥行きのある幻想的な映え写真に仕上がる。

 次第に光のゼリーシャボン玉に愛くるしさを感じていた筆者も世界に引き込まれ、無意識にゆらゆらと揺れており「光をシャボン玉ゼリーとして認識してしまう」不思議な感覚に陥った。部屋全体も様々な色に変化するので、シャッターチャンスばかりだ。

■筆者も感動...!一つひとつの球体が秩序をもって動く Microcosmosesエリア

 『マイクロコスモスーぷるんぷるんの光』という作品でも、ゼリーの塊のようなぷるんぷるんの光が広がっている空間を楽しむことができる。数百個の走る光がそれぞれ速度を変えたり、光を弱めながら走り続けており、光の球体同士がぶつかることはない。周囲の光に連続的に呼応していく光の色や、空間に響く音色は幻想的だ。

 どこまで続いているのかわからない無限に広がる光の空間は、まさに宇宙のようだった。なお、“ぷるんぷるんの光”は別の作品にも出現するので探してみてほしい。

 『チームラボボーダレス』では、チームラボの作品の魅力の一つである「次は何が待っているのだろう……」というワクワク感と、作品が作品へと移動することで身体ごと没入できるアート体験を楽しめた。また、視覚や知覚が混乱するような「隠し部屋」も数か所あるなど、大人から子どもまで一日楽しめるような仕掛けも沢山あり、東京の最新お出かけスポットになることは間違いない。週末はチームラボボーダレスで、独立した50以上の作品群が“境界なく連続する一つの世界”を体験してみてはいかがだろうか。 

■本展覧会概要
展示名:森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス
開館日:2024年2月9日(金)- 常設 
開館時間:10:00- 21:00 (最終入館は閉館の1時間前)
休館日:第一・第三火曜日
チケット価格:大人(18歳以上):3,800円~ 中学生・高校生(13-17歳):2,800円 子ども(4 - 12歳):1,500円 3歳以下:無料 障がい者割引:1,900円~ (事前日時指定予約制、現地での購入の場合、上記価格に+200円)
チケット購入URL: https://borderless.teamlab.art/jp/

ゼリーにシャボン玉...?一足先に『チームラボボーダレス』が創り出す“境界のない世界”を体験!