株式会社PHP研究所京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2024 年2月19日に『台湾有事と日本の危機――習近平の「新型統一戦争」シナリオ』(峯村健司 著/税込 1,188円)を発売します。本書は元・朝日新聞北京特派員のキャリアを持つ著者が、中国、台湾で20 年に渡り築いた人脈、情報網を駆使した取材によって習近平主席の思惑をあぶり出し、緊迫度が増す台湾情勢に対する日本のリスクヘッジについて緊急提言します。


台湾有事と日本の危機』書影
台湾有事と日本の危機』書影

「台湾併合」の最後のピースは米国大統領選


2024年 1月13日投開票の台湾総統選挙で、与党・民進党の頼清徳(らい・せいとく)副総統が接戦を制し初当選しました。しかし過半数を獲得できず、民進党は最小与党に。これに中国側は民進党は民意を代表していないと批判し、頼政権が発足する5月20日に向け、軍事、外交、経済の各方面から圧力を強めています。本書の執筆において峯村氏は「習近平の目線」を貫いています。「頼陣営が、政権運営に行き詰まれば「中台統一」のシナリオはぐっと現実味を帯びてくる、むしろ今回の選挙結果により、習近平政権が目指す、「台湾併合」へ向けた条件がそろった」など、リアルな予測を展開。また、11月に控えた米大統領選の結果次第では、台湾をめぐる「現状」は崩れ、日本も厳しい情勢に追い込まれると指摘します。


中国軍の内部資料でわかった、「台湾有事は日本有事」の根拠


著者は、生前の安倍晋三元総理にも「台湾有事」を直接レクチャーしました。特に強調した次の2点について、安倍氏は「つまり台湾有事はまさに日本の有事なんですね」と低くつぶやいたと言います。


中国人民解放軍の内部資料などには、中国軍は台湾侵攻の際、日本の排他的経済水域(EEZ)をはじめ、在日米軍基地や自衛隊基地にミサイル攻撃することが明記されている。
②中国の艦艇により台湾周辺を封鎖する海域は、日本のシーレーン海上交通路)とほぼ重なり、日本のエネルギーや食料供給に深刻なダメージをもたらす。(本文より)

さらに、中国の武力行使事態に備えていない日本政府・自治体のリスクを挙げ、日本企業と日本人が直面する悲惨な実態を詳細なシミュレーションの元、明らかにします。「政治家による迅速・果断な事態認定を」「「国民保護」を防衛省自衛隊任せにしない」「自衛隊員の処遇改善」など8つの提言は、今後日本が検討すべき点をまとめたもので、防衛対策の見直しや議論の指針として緊急発刊します。


著者プロフィール


著者近影
著者近影

峯村健司(みねむら・けんじ
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員。
北海道大学公共地策学研究センター城跡研究員。1974年長野県生まれ。朝日新聞入社後、北京・ワシントンで計9年間特派員を務める。ハーバード大フェアバンクセンター中国研究所客員研究員、朝日新聞編集委員(外交・米中関係担当)を経て現職。2011年、優れた報道で国際理解に貢献したジャーナリストに贈られるボーン・上田賞を受賞。著書に『十三億分の一の男』(小学館)、『潜入中国』(朝日新書)、『ウクライナ戦争と米中対立』(共著、幻冬舎新書)など、監訳書に『中国「軍事強国」への夢』(劉明福著,文春新書)がある。


【書誌情報】


タイトル:台湾有事と日本の危機
サブタイトル習近平の「新型統一戦争」シナリオ
著者:峯村 健司 判型・製本:新書判並製
ページ数:264ページ
定価:1,188円(税込)
発売日:2024年2月19日
ISBN:978-4-569-85653-7
レーベル:PHP新書
発売元:株式会社PHP研究所


台湾有事と日本の危機 | 峯村 健司著 | 書籍 | PHP研究所


台湾有事と日本の危機』書影