性的暴行やセクハラの数々が告発され、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』を降板したケヴィン・スペイシー。契約に違反したとしてドラマの制作会社MRCに訴えられていたが、100万ドル(約1.5億円)支払うことで合意した。Varietyが報じている。

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 スペイシーは『スター・トレックディスカバリー』などに出演するアンソニー・ラップから、14歳の時に性的暴行を受けたと告発されたのを皮切りに、性的暴行やセクハラの告発が相次いだ。これをうけ、主演ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の製作陣は2017年に彼との契約を解除。ドラマから降板するに至った。

 ファイナルシーズンの制作中であったドラマは、エピソード数を減らし、妻役のロビン・ライトを主人公にするなどの対応を迫られたため、これらのコストを回収するため、MRCは2019年に提訴。スペイシーに対し、約3100万ドル(約45億円)の支払い命令が下っていたが、これが減額された形だ。スペイシーはMRCに対し、今後数年かけて分割で支払うといい、税引き後の収入から10%をこれに当てる。

 なおMRCでは2022年に、スペイシーの降板が保険でカバーされるはずだとして、保険会社のFireman’s Fundとロイズを相手取り訴えを起こしている。裁判所はこの訴えを2度にわたって退けたが、スペイシーが医療記録の提出を拒んだことが敗因とみられている。MRCは保険会社との裁判で、スペイシーが証言すること、MRCと保険会社双方の診断を受けることを条件に、支払額を減額したようだ。

ケヴィン・スペイシー、『ハウス・オブ・カード』制作会社に100万ドル支払いで合意  写真提供:AFLO