第80回ベネチア国際映画祭にてケイリー・スピーニーが最優秀女優賞を受賞したソフィア・コッポラ監督の最新作『Priscilla』(原題)が邦題を『プリシラ』として4月12日(金)より全国公開されることが決定。あわせて新たに場面写真も解禁された。

【写真を見る】恋に落ちたプリシラとエルヴィスの姿を1960~1970年代の空気感とともに映像化

本作はエルヴィス・プレスリーの元妻プリシラ・プレスリーが1985年に出版した回想録「私のエルヴィス」をもとに、彼女の人生とエルヴィスとの関係を描いた物語。『ロスト・イン・トランスレーション』(04)でアカデミー賞脚本賞、ゴールデングローブ賞脚本賞を受賞したほか、『SOMEWHERE』(11)でベネチア国際映画祭金獅子賞、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(18)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞、つい先日発表されたアカデミー映画博物館ガラ2023では、映画芸術を進歩させた革新的な人物に贈られる「ビジョナリー賞」を受賞したコッポラ。その最新作は、エルヴィスと恋に落ちた少女プリシラがたどる魅惑と波乱の日々を、プリシラの視点で描く。劇中をシャネル、ヴァレンティノの衣装が華やかに彩るほか、フランス出身のロックバンドPhoenixが音楽を担当。美しく精巧な美術とともに1960~1970年代の空気を映像化している。

主演のスピーニーは、本作で第80回ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を獲得したほか、第81回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされるなど、夢のような恋の恍惚とせつなさを経験していく少女の心の変遷を繊細な表情とたたずまいで表現し絶賛されている。そしてプリシラだけが知る、魅力的で華やかだが、傷つきやすく大人になりきれないエルヴィスを演じたジェイコブ・エロルディも高い評価を受けている。

本作についてコッポラは「プリシラ・プレスリーの回想録を読み、彼女のグレースランドでの体験に心を動かされました。私が表現したかったのは、エルヴィスの世界に飛びこみ、紆余曲折を経てやっと自身の人生を見つけたプリシラの心情です」と語る。シャネルやヴァレンティノが彩る飛びきり甘美なシンデレラストーリーのなかに、コッポラがこれまで描き続けてきた人間の孤独や疎外感といったビターなエッセンスを潜ませた本作をメディアも絶賛。2023年秋、全米ではA24が配給、そのファッション性と話題性で多くの若い女性客を魅了し、大ヒットとなっている。

このたび解禁となった場面写真には、14歳の少女プリシラの儚げな表情から、恋に落ちたプリシラとエルヴィス、1967年当時話題となった結婚式の写真を再現したシーン、自身がセレブとして注目の的となった華やかなメイクアップのプリシラ、そして、ジャンプスーツに身を包むエルヴィスとの2ショットなど、映画『プリシラ』の世界を表現する豪華で魅惑的なシーンが切り取られている。

すでに北米では大ヒットを記録しているという本作。世紀のスーパースターと恋に落ちた少女が体験する魅惑の日々を大スクリーンで体感してほしい。

文/スズキヒロシ

ソフィア・コッポラ監督最新作の邦題が『プリシラ』に決定!公開日は4月12日に/[c]The Apartment S.r.l All Rights Reserved 2023