scheme verge株式会社は、東急不動産株式会社、一般社団法人竹芝エリアマネジメント、株式会社東京海事通商と連携して、竹芝エリアを拠点とする東京湾沿岸の余暇活動をデータドリブンに活性化することを目的とし、データ収集・分析に適したエリア活性化プラットフォームを活用して、竹芝発着の舟運を運航することで、舟運を活用したエリア活性化のビジネスモデル検証を行いました。

ビジネスモデル検証の概要

国家戦略特区として複数の大規模な再開発が進む竹芝エリアは、羽田からの利便性が高く、東京ポートシティ竹芝を始めとする複合施設を有するビジネス拠点として知られています。海を隔てた対岸には、お台場、有明、晴海などのエリアが広がるものの、十分な移動手段がなく、これらのエリアと連携した街の利用を促すことが十分にできていません。

この度、観光庁の「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化 交通・観光連携型事業」に採択され(計画の代表者:株式会社東京海事通商)、竹芝と、対岸のお台場、有明、青海をつなぐ舟運による、東京湾岸エリアの相互利用を促す舟運事業を実施します。

船の運航に合わせて、商業施設やイベントで使えるチケットを利用者に無料配布し、舟運をきっかけとするエリア内消費を促します。船の予約決済や利用管理、チケットの配布や利用管理は、まちづくり・エリアマネジメントのDXプラットフォーム「Horai」を用いて行い、利用者の属性情報や利用履歴、位置情報(位置情報をは許可したユーザーのみ)を、取得・分析します。これらのデータは、東急不動産株式会社等が竹芝で進める「Smart City Takeshiba(スマートシティ竹芝)」で活用しているデータ流通プラットフォーム(Smart City Platform)とも連携し、舟運によるエリア活性化の効果を検証するとともに、持続可能な舟運ビジネスモデルの検討を行います。

2023年度に行った検証結果の一部を以下の通りご報告いたします。

実施した施策の詳細

1.「電気でうごく未来の船」による日本科学未来館と竹芝の相互送客


電気で動くみらいの船のチラシ

竹芝で行われたイベント「ちょっと先のおもしろい未来」(9/17~9/18)に合わせて、竹芝と青海(お台場)を電動船でつなぐ試み。お台場の日本科学未来館の割引デジタルチケットと、東京ポートシティ竹芝のキッチンカーで使えるデジタルチケットとを、乗船者にプレゼントすることで、舟運による竹芝と日本科学未来館の間の相互往来を活性化できるか検証しました。

便数:2日間で14便を運航

価格:無料

航路:竹芝←→青海(お台場

予約数:約600人(全便が満席の予約)

デジタルチケット利用:日本科学未来館 7件、キッチンカー 32件

(臨時の機材整備に伴う欠航により1便のみの運航)

運航便の前後で日本科学未来館やキッチンカーでのデジタルチケット利用がされており、舟運による竹芝―お台場間の相互送客効果が見られました。当日は東京ポートシティ竹芝のオフィスワーカーによる家族連れでのご訪問と推察される予約・利用もあり、ワーカーの休日来訪を促進する交通手段としての舟運の可能性が示唆されます。

2.東京国際映画祭関連イベント「TIFFCOM」に合わせた運航


竹芝でのMICE「TIFFCOM」に合わせた運航のチラシ

東京都立産業貿易センター浜松町館で行われた東京国際映画祭関連イベント「TIFFCOM」に合わせて、海外からの来場者をターゲットに無料の舟運を運航。竹芝でのMICEに訪れた海外からの来訪者にとって、竹芝発の舟運による価値提供が可能かを検証しました。

便数:3日間で18便を運航

価格:無料

航路:竹芝←→お台場

乗船者数:559人

外国人乗船者割合:12.34%


竹芝でのMICE「TIFFCOM」に合わせた運航時の利用者の様子

3日間の運航で559人が乗船、うち12.34%が外国人だと推定され、竹芝やお台場などのホテル宿泊客を対象に有償で運航できる可能性が示唆される結果に。

3.レインボー花火に合わせた「お台場ナイトクルーズ」


レインボー花火に合わせた「お台場ナイトクルーズ」チラシ

12月の土曜日に行われたお台場レインボー花火に合わせて、有料の運航を実施。クリスマスシーズンのカップル・夫婦や子供連れを対象として、便によっては船上から花火を見られる設計に。舟運そのものにコンテンツ的価値を付加したうえで東京湾での舟運への支払金額の検証を行いました。

便数:2日間で4便を運航

価格:3,400円(竹芝→お台場)、2,200円(お台場→竹芝)

航路:竹芝←→お台場

乗船者数:127人(1便あたり平均31.8人)


レインボー花火に合わせた「お台場ナイトクルーズ」運航の様子

花火などのコンテンツと組み合わせることで、3000円台の乗船料でも十分な集客が可能であることが示される結果に。

4.有明ナイトクルーズ


有明で行われた演劇公演と、関連する東京タワーのライトアップイベントとを、舟運でつなぐナイトクルーズを実施。1.や2.の結果を踏まえて、イベントに合わせた舟運のニーズがあるかを有償運航により検証しました。

便数:1日で3便を運航

価格:1,500円

航路:竹芝←→有明アリーナ船着場

乗船者数:23人

1,200人規模の会場でのイベントに合わせた舟運で23人の方が利用したため、有明アリーナ(15,000人)規模のイベントであれば、200人以上の方にご利用いただける可能性があり、今後エリアMICEなど湾岸エリアでの大型イベントに合わせた舟運が有効である可能性が示されました。

5.有明↔竹芝 直行便クルーズ(実施予定)

2月13日(火)~16日(金)に、東京ビッグサイト東京国際展示場)で行われるHCJ2024(国際ホテル・レストラン・ショー、フード・ケータリングショー、厨房設備機器展)に合わせて、東京ビッグサイトすぐの「有明(東京ビッグサイト)船着場」と竹芝の「ウォーターズ竹芝前 船着き場」とを有償(税込1,500円)でつなぐ舟運を行います。

東京ビッグサイトでの大型MICEに合わせて、東京都心とを結ぶ舟運へのニーズと、双方のエリアへの訪問に対する影響を検証します。

本舟運の詳細は特設サイトをご覧ください。

データ分析について

これらの取り組みを通して、竹芝を拠点に湾岸の各エリアを行き来するきっかけを作ることで、当該地域での満足度を高め継続的な地域への来訪を促すほか、人流の傾向や属性を分析して持続的なサービス改善に活用します。

船の予約のDXや、近隣施設のデジタルチケットの提供には、scheme verge株式会社が提供するまちづくり・エリアマネジメントのDXプラットフォーム「Horai」を利用し、乗船券やデジタルチケットを利用した方の属性情報や、スタンプ押印履歴、チケット利用履歴、位置情報等を、個人情報を取り除いたうえで参加者個人の行動が特定されない方法で分析いたします。分析結果は当該エリアの周遊課題の抽出や、来訪者の方々の特性に合ったサービス改善に活用する他、舟運サービスの通年提供の検討に利用して参ります。

scheme verge株式会社

scheme verge株式会社は、都市工学とデータサイエンスを組み合わせてオペレーションに落とし込むノウハウを活かし、エリア活性化に関わるプロセスの再現性向上と、データによる改善判断の効率化・自動化に取り組んでいます。主力製品の「Horai エリアマネジメント(https://horai.sv/area_management)」を提供し、迅速なエリアマネジメント立ち上げと、交通から宿泊まで拡張性ある対応、観光地から都心部まで汎用な展開、そして継続的かつ不可逆的な施策の改善を支援しています。

■会社概要

社 名   :scheme verge株式会社

本 社   :東京都文京区向丘二丁目3ー10 東大前HiRAKU GATE 401

大阪ブランチ:大阪府大阪市中央区伏見町3-6-3 MUIC Kansai 2階シェアオフィス

代表者   :代表取締役 嶂南達貴

設 立   :2018年7月24日

事業内容  :都市・交通ソリューションの設計・開発・提供

URL    :https://www.schemeverge.com/

配信元企業:scheme verge株式会社

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