八王子にある東京富士美術館では、2024年2月24日(土)より、『源氏物語 THE TALE OF GENJI―「源氏文化」の拡がり 絵画、工芸から現代アートまでー』を開催する。平安時代紫式部が生んだ長編小説「源氏物語」が、いかに日本の芸術文化に影響を及ぼしたかを、絵画から文学まで、国宝1点、重要文化財7点を含む約120点で紹介する展覧会だ。

源氏物語」や紫式部にまつわる作品もあるなかで、展示の中心となるのは、「源氏物語」の各場面を描いた「源氏絵」である。同展では、「源氏物語」が成立した12世紀に描かれた、《源氏物語小色紙宿木》を初公開する。「宇治十帖」の第五帖にあたる「宿木」の場面をあらわした、極めて貴重な作品だ。

その他、土佐光信、岩佐又兵衛、尾形光琳、狩野晴川院養院と、各時代を代表する絵師たちが描いた作品に、上村松園や安田靫彦の作品などの、明治時代以降に描かれた源氏絵も紹介。絵巻や冊子、扇面、屏風など様々な様式で描かれた源氏絵を、「源氏物語」五十四帖のストーリーに添って鑑賞できるため、物語のファンはもちろん、これから「源氏物語」の世界を知りたいと思っている人にもオススメだ。

また、絵画だけでなく、漆芸品の名品から、現代作家が自由で斬新な発想で生んだ工芸、文学、漫画まで、様々なジャンルを取り上げて、千年以上にわたって脈々と続いてきた我が国の「源氏文化」を紹介しているのも興味深い。色褪せることのない「源氏物語」の奥深さを改めて知ることができるに違いない。

なお関連イベントには、十二単着装実演会やお茶会、シンポジウムなど、興味深いプログラムが多数予定されている。詳細は美術館ホームページで確認を。

<開催概要>
『開館 40 周年記念 源⽒物語 THE TALE OF GENJI ─「源⽒⽂化」の拡がり 絵画、⼯芸から現代アートまで─』

会期:2024年2⽉24⽇(⼟)〜3⽉24⽇(⽇)
会場:東京富士美術館
時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜
料金:一般1,500円、⼤⾼900円、中⼩500円
公式サイト:
https://www.fujibi.or.jp/

初公開 《源⽒物語⼩⾊紙宿⽊》平安時代、12世紀 個⼈蔵