短縮取引となった9日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比131.49ポイント(0.83%)安の15746.58ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.29ポイント(0.99%)安の5306.79ポイントと3日続落した。半日立ち合いの売買代金は312億8190万香港ドルに細っている(8日は7771270万香港ドル)。
 前日までの軟調地合いを継ぐ流れ。中国不動産業や地方政府の債務問題がくすぶっているほか、国内のデフレなども懸念されている。また、米中対立の激化懸念も強まる状況。直近では外電が9日、「バイデン米政権が中国製スマート自動車と関連部品の輸入制限を検討しているもよう」などと伝えた。大型連休も買い手控え要因。春節(旧正月)の大型連休がスタートし、本土市場は9~16日まで、香港市場は9日午後~13日まで休場となる。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が8.5%安、中国不動産デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)と不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)がそろって6.7%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が安い。上記した龍湖集団や碧桂園服務のほか、融創中国HD(1918/HK)が7.2%、万科企業(2202/HK)が7.0%、中国金茂HD(817/HK)が6.1%、建発国際投資集団(1908/HK)が5.0%ずつ下落した。
 海運セクターも急落。前記した東方海外のほか、海豊国際HD(1308/HK)が9.0%安、中遠海運HD(1919/HK)が6.7%安、太平洋航運集団(2343/HK)が5.0%安と値を下げた。
 EV(電気自動車)関連もさえない。浙江零ホウ科技(9863/HK)が9.1%安、小鵬汽車(9868/HK)が2.9%安、東風汽車集団(489/HK)が2.2%安、蔚来集団(9866/HK)が2.1%安で引けた。
 中国証券セクターも売られる。広発証券(1776/HK)が6.5%安、国聯証券(1456/HK)が6.1%安、中信証券(6030/HK)が5.6%安、中国国際金融(3908/HK)が5.3%安で取引を終えた。
 半面、マカオのカジノ関連はしっかり。美高梅中国HD(2282/HK)が2.7%、金沙中国(1928/HK)が1.6%、永利澳門(1128/HK)が1.3%、新濠国際発展(200/HK)が1.2%ずつ上昇した。マカオ当局は春節連休中のインバウンドについて、例年以上に活況だとの見通しを示している。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)