映画やドラマなどでおなじみのプリズンブレイク、脱獄シーンだが実際にこの方法で刑務所から脱出した男がいた。
去年イタリアの刑務所からマフィアのボスが脱獄した。何枚ものベッドシーツを結んでロープ状にして下へ垂らすと、スルスルとそれをつたって逃げたのだ。
まんまと脱獄に成功した男だが、その1年後には運が尽きた。
フランスのレストランで若い女性と食事をしているところを取り押さえられ、再逮捕され刑務所に送り返されたという。
2023年2月、イタリア・サルデーニャ島ヌオロにある刑務所からイタリア人マフィアのボス、マルコ・ラドゥアーノ(40歳)が脱獄した。
マルコは厳重警備棟に収監されていたにもかかわらず、シーツをつなげて窓から垂らすと壁沿いに階下へと降り、その後自身の足で逃走した。
公開された映像には、マルコが壁にぶら下がったシーツを掴みながら途中まで降りたところで勢いよく地面に向かって飛び突っ伏すも、すぐに立ち上がって逃走する様子が映っていた。
1年後にフランスで再逮捕される
欧州警察機構(ユーロポール)は、ヨーロッパ最重要指名手配犯リスト名を連ねているマルコを追って捜索を開始したが、マルコはすぐには見つからなかった。
ところが、1年ほど経った今年の2月2日、イタリアとフランス両国の当局はマルコを拘束したと発表した。
当局の発表によると、マルコはフランス・コルシカ島のバスティアにあるレストランで、若い女性と一緒に食事をしていたところを取り押さえられたという。
イタリア当局は、側近で共犯者のジャンルイージ・トロイアーノもスペイン南部のグラナダ近郊で拘束されたと発表した。
マルコ・ラドゥアーノとその共犯者であるジャンルイージ・トロイアーノという2人の危険人物を警察が海外で逮捕したことは、組織犯罪に対する新たな大きな打撃となる。
ユーロポールによると、マルコは犯罪組織への関与、麻薬密売、武器の不法所持などさまざまな罪で24年の実刑判決を受けて服役していたということだ。
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マルコは「イタリアの第5のマフィア」のボス
イタリア南部プーリア州のフォッジャを拠点に、水面下で活動する犯罪組織ガルガーノは、シチリアのコーザ・ノストラ、カラブリアのンドランゲタ、ナポリのカモッラ、サクラ・コローナ・ウニータに次いで、「イタリアの第5のマフィア」と呼ばれている。
マルコはその組織のボスで、殺人、麻薬密売、恐喝を実行する冷酷な殺人者だそうだ。
ナポリ・マフィアのボスで新組織カモッラの創設者ラファエレ・キュトロが、彼らを雇い、バルカン半島でのタバコの密輸取引に影響力を拡大する目的でプーリア州の地元犯罪者の代表団と会ったのがきっかけだったようだ。
検察当局によると、この組織は高度な攻撃性と暴力を特徴とする集団で、痕跡を残さないように死骸を豚に食べさせるような組織だという。
「その行動は洗練されておらず、それゆえに危険なマフィアである」と当局は述べている。
Instagramに投稿された動画のコメントには、「映画で見た知識を実践し、それが成功してしまったようだ」、「まさか実際にこの方法で脱獄できるとは...」、「フェンスや有刺鉄線はないのか?」といった意見が上がった。
References:Italian mafia boss who escaped from prison using bed sheets recaptured in France/ written by Scarlet / edited by parumo
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