台湾・日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』が、6月14日(金) に公開されることが決定。併せて本ポスターと予告編が公開となった。

『オールド・フォックス 11歳の選択』は、『黒衣の刺客』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、昨年10月には引退を発表した侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作品の助監督を務めてきたシャオ・ヤーチュエン監督による最新作。これまでシャオ・ヤーチュエン監督作全てのプロデュースを侯孝賢が務めているが、本作が最後のプロデュース作となる。

主演のリャオジエを演じるのは、『Mr.Long ミスター・ロン』などで日本でも知られている子役のバイ・ルンイン。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』のリウ・グァンティンがダブル主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じている。

また、リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役をアキオ・チェン、シャの秘書役をユージェニー・リウ、経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイ役を、初の台湾映画出演となる門脇麦が務める。

公開された予告編では、1989年、バブルに揺れる台湾を舞台に、父と慎ましく暮らす11歳の少年リャオジエの姿が。彼の夢は父と家を買い、亡くなった母の夢だった理髪店を開くことだが、家を買えると思った矢先、不動産価格は2倍に高騰してしまう。

不公平を知ったリャオジエはついにオールド・フォックスと出会う。オールド・フォックスはリャオジエが住む家の家主の呼称で、高級車を何台も所有し、不動産バブルで儲けまくっていた。オールド・フォックスは「不平等を利用し、強者になれ」とリャオジエに生きる術を教えるが――。

さらに、リャオジエの父と門脇演じるヤンジュンメイの大人のキスシーンや、リャオジエ父子が自宅の壁に線を引き身長を測る心温まるシーン、そして「私みたいになりたいか?」とオールド・フォックスに問われ岐路に立たされたリャオジエの姿が映し出されている。

門脇麦 コメント
台湾映画でしか感じられない色彩や湿度、空気感がどうしたって強烈に昔から好きで、これまで沢山の台湾の作品に触れてきました。
台湾映画に出演できるなんて信じられない!と夢心地で現場に向かい、スクリーンに映る自分を観ても、やっぱり信じられない!と夢心地で、幸福すぎる時間を過ごさせていただきました
その場にただ居さえすれば全てが成立する現場の空気、監督の言葉以上に何かが伝わる眼差し、今思い出しただけでも胸が震えるような、そんな経験をしました。
日本での公開、とても嬉しいです。ひとりでも多くの方にこの作品が届きますように。

シャオ・ヤーチュエン監督 コメント

金馬執委會提供

他人を思いやることですべての社会問題が解決できると思うほど、私も単純ではありません。しかし思いやりがなければ、社会的な格差と矛盾は拡がっていくことでしょう。では現代社会に向き合い、私は父親として、思いやりが人間としての基本であることを、子供にどう説明したものでしょうか?「オールド・フォックス」このストーリーは、私が子供から十年以上も受け続けた問いが発端となっています。かつて私は両親から価値観を与えられました。しかし世界は変わっていきます。私自身にも新たな学びが必要です。それによって私は自分の子供たちに、変わっても良いもの、変えてはいけないものが何なのかを、伝えられるのではないでしょうか。

『オールド・フォックス 11歳の選択』予告編

<作品情報>
『オールド・フォックス 11歳の選択』

6月14日(金) 公開

『オールド・フォックス 11歳の選択』ポスタービジュアル

公式サイト:
https://oldfox11.com/

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門脇麦