2月1日に4話が放送された『ナースが婚活』(テレビ東京系、木曜よる12時30分~)。ナース専門の婚活相談所「ナースのとも」で代表を務める横山陽子(矢田亜希子)が、婚活に悩む看護師達を成婚に導く婚活エンターテインメント。4話では陽子と44歳で同い年の友人・鷹野珠代(遊井亮子)に救いの手を差し伸べた。


◆交際相手の二股で、結婚する気が失せた看護師女性



テレビ東京系ドラマ『ナースが婚活』(画像:リリースより)



 珠代は9年前に結婚を前提に交際していた男性の二股発覚をキッカケに、自尊心や自己肯定感がボロボロになった過去を持つ。それ以降は結婚に対する興味を失い、悠々自適なおひとり様ライフを楽しんでいた。ただ、ある日自宅でギックリ腰になった時に「もしこれが老後1人の時に起こったら、私は誰にも気付かれずそのまま独りで死んでくの?」と考え、いろいろな意味で重い腰を上げたらしい。


 とはいえ、年齢的なハンディキャップに不安感を覚えている珠代。すると陽子は「40代女性の成婚率は10%から5.5%。30代以下の女性を希望する男性が多いから、40代はそもそも対象となる母数が少ないのが現実」と残酷な現状を口にする。顔を覆って絶望する珠代だったが、陽子は「それはあくまで野良で生きていた場合の数字。結婚相談所に入会することで成婚率は数倍にアップするというデータもある」と勇気づける。この言葉に珠代は入会を決意して、2人で成婚を目指すことになった。


◆“選ばれない”という受け身の姿勢に問題がある
 珠代は男性の条件が高くなかったため、入会後は早々に3人の男性とお見合いを実施。しかし、3人全員から交際終了を望む連絡があったことを陽子から聞かされる。大きなショックを受けた珠代が「私もう婚活止める」「しょせん44年選ばれなかった女が」と激高すると、陽子も間髪入れずに「はい、それが原因」とキッパリ。




 続けて、「選ばれなかった、その受け身が原因。選ばれるんじゃなくて選ぶの。婚活は誰もが選ばれる側であると同時に選ぶ側でもあるの」「自分の理想の結婚生活をイメージして、そこにマッチする相手を想像して、探して、会って、話して、検討して、『結婚したい』って意思を表示していくことが婚活。あなたはそれにキチンと向き合ってきた?」と問う。


◆友人の“鋭いひと言”で珠代はどう変わった?
 自分を“選ばれる側”と思っていた珠代は、お見合いの席でも積極的に質問することはなく、理想の結婚生活を語るわけでもない。ただただ受け身で接しているばかりだったことを回想する。相手と、そして婚活と向き合っていなかったことを反省して、今度は“選ばれる側”ばかりではなく“選ぶ側”という視点も持ちながら婚活を再開




 その後は男性にも積極的にアプローチするようになり、「ナースのとも」で紹介された男性ではないが、勤務先の病院で知り合った男性と無事に成婚した。


◆最悪な空気になったお見合いから学ぶこと
“選ぶ側”という意識は婚活においてとても重要な考え方なのではないか。珠代としては“40代女性”という婚活において選ばれにくい条件を持っているため、ついつい受け身になってしまったのだろう。とはいえ、その卑屈さが受け身につながり、男性側にネガティブなイメージを与え、結果的には自信喪失につながった珠代。ただ、“選ぶ側”という意識を持ってからは積極的に質問したり、男性側の意見にも結婚生活を見据えた相槌を打ったりなど、男性に好印象を持たれて最終的には成婚を果たした。


 とはいえ、“選ぶ側”かどうかはある程度コントロールする必要がある。2月4日放送の『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)は「結婚したい彼と彼女の場合 ~令和の婚活漂流記2024~」と題し、女性との交際経験がない男性・進藤さん(仮名・29歳)が婚活で奮闘する姿を映し出していた。




 結婚相談所がセッティングした北川さん(仮名・34歳)とのお見合いに臨むが、北川さんは進藤さんが実家暮らししていることが気になる様子。その辺りを徹底的にツッコんでいくと、進藤さんは過去に寮で半年間一人暮らしをしていたことはあると話す。北川さんは「半年だけですか?」とポツリ。


◆“選ぶ側”でも“選ばれる側”でもあるというバランス感覚
 さらには、「(親と)同居してると『生活コストがこんなに掛かるんだ』とか、実家暮らしだとそういうところが(わからない)」「『家族に頼ってるんだろうな』っていうのが予想できます」と進藤さんを“頼りない男”と言わんばかりの発言を繰り返す。女性とのコミュニケーションに慣れていない進藤さんは動揺してしどろもどろになってしまい空気は最悪。当然2人が先に進むことはなかった。


 北川さんの言動や態度を見ると自分自身を“選ぶ側”と考えている雰囲気がビシビシ伝わり、裏を返せば“選ばれる側”という意識は希薄。自分自身が思い描く結婚生活を一緒に作り上げるためにも、相手の条件や生活状況を鑑みることは正しい。とはいえ、それは相手も同じこと。“選ばれる側”として自分自身を客観視することも必要であり、そのバランスが成婚できるかどうかに大きく影響するのかもしれない。


<文/望月悠木>


【望月悠木】フリーライター。主に政治経済社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki



テレビ東京系ドラマ『ナースが婚活』(画像:リリースより)