真のサーキュラーファッションを実現するためには、製品の生産から消費者の手に渡り、着用、修理、アップサイクル、再販、そしてリサイクルに至るまでの一連のプロセスを考慮する必要があります。この考え方を「ゆりかごから墓場まで」と表現し、人権、環境、経済の三つの観点からの評価、すなわちESG評価が非常に重要です。この度、hapとaiESGは、世界で初めてAI技術を活用し、Tシャツとカバロスランドリーによる製品のリユースプロセスをこの三つの観点から詳細に分析しました。この分析により、カバロスランドリーが製品の寿命を延ばすことで二酸化炭素の排出削減、水の使用量削減、温室効果ガスの排出量を減らすなど、ESG評価を全体的に向上させることに貢献していることが明らかになりました。

hap株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:鈴木 素)と株式会社aiESG(本社:福岡県福岡市、代表取締役:馬奈木 俊介)は、アパレル業界における持続可能性と社会的責任を新たな次元で推進します。両社は、製品のライフサイクル全体を考慮した、真のサーキュラーファッションの実現を目指しています。「ゆりかごから墓場まで」のアプローチに基づき、アパレル製品の人権、環境、経済の各側面からの総合的なESG評価を行うことで、業界における持続可能な発展を促進します。

この革新的な取り組みは、第11回技術経営・イノベーション大賞内閣総理大臣賞を受賞した技術COVEROSS(R)(カバロス)の開発・提供によるものであり、世界で初めて(※1)製品とサービスのESG評価を分析し、実行に移すものです。アパレル産業において、人権侵害や環境への負荷が特に大きい問題を解決するため、両社は第二弾(※2)として「二次流通」に焦点を当てたカバロスランドリーサービスを通じて、アップサイクルを含む循環型経済の促進に努めます。

近年のアパレル製品の製造においては、価格の低下と共に、供給過多による過剰な生産が多く見受けられます。例えば、一人当たり年間18枚の衣類を購入し、その内12枚を廃棄するというデータがあり、捨てる量の1.5倍を購入していることを示しております。加えて、1年に1回も着ない服が、一人当たり25枚もあります。また、製造過程における人権侵害や環境への負荷が大きい点も看過できない点です。人権については、劣悪な労働環境が示されるラナプラザの崩壊事故や、人権を侵害した綿花の栽培などが問題となっております。環境負荷については、製造に必要な水使用量(衣類一枚あたり浴槽約11杯分に相当する約2300L)やCO2排出量(衣類一枚あたり500mLのペットボトル255本分に相当する約25.5 kg)が挙げられます(※3)。

アパレル製品は、製造過程において人権や環境に大きな負荷をかけながら、過剰な大量生産・廃棄がされています。これは、アパレル業界における持続可能性を考える上で、深刻な問題です。

※1 製品・サービスに対し、人権・環境・経済の3つの観点からの評価は、九州大学都市研究センターでの研究が初。その研究成果を応用したESG評価は、aiESGのみ。

※2 第一弾は2023年5月プレスリリース(カバロスTシャツのサプライチェーン全体のESG評価)参照。

https://aiesg.co.jp/news/0516_hap_pr/

https://youtu.be/si3MQ1IBGsE

※3 https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

・hap株式会社は株式会社aiESGと協業し、以下の2つのESG評価を実施

1.一般的なTシャツ1枚を製造するサプライチェーン全体のESG評価

原材料調達から縫製、製品輸入までの全工程における人権、環境、経済などを評価

2.廃棄予定を含む古着などTシャツ1枚をカバロスランドリーでアップサイクルし再利用する場合のESG評価

→回収、再加工、お届けまでの全工程における人権、環境、経済などを評価

これらの評価結果は、アパレル業界における持続可能性への意識を高め、社会全体に対して責任あるビジネス実践の重要性を訴えるものです。私たちは、ステークホルダーの皆様及び社会全体に対して、持続可能で責任ある方法で運営されていることを示すことにより、業界の変革を牽引していきます。

・カバロスランドリーのESG指標における画期的な成果発表

hap株式会社は、カバロスランドリーにおけるESG(人権・環境・経済)指標の最新成果を発表いたします。当社の継続的な努力とイノベーションにより、人権、環境、経済の各指標において顕著な改善を実現しました。

人権指標の改善:

・児童労働: 88.7%削減

強制労働: 79.1%削減

・過重労働: 84.2%削減

・労災と死亡事故: 88.7%削減

環境指標の改善:

CO2排出量: 55.2%削減、1.4kgへ

・総水使用量: 90%以上削減、52.6リットル

・GHG排出量: 55.2%削減、2.4kgへ

・エネルギー使用量: 44.1%削減、17.3メガジュール

経済指標の改善:

・付加価値の創出: 賃金からの付加価値が128.6%改善

これらの成果は、カバロスランドリーの機能性後加工技術によりTシャツの耐用年数を延長し、人権・環境への負荷を大幅に削減することで実現しました。一般的な製造プロセスと比較して、カバロスランドリーサービスは、持続可能性に優れた成績を示しています。

・カバロステクノロジー

カバロステクノロジーは、1~2工程で多機能性(セルフクリーニング、抗菌、消臭、UVカット、遮熱、冷感、吸水拡散(べたつき軽減)、透け防止、撥水、帯電防止、毛玉防止、防虫など)を一枚の生地に同時にカスタマイズ付与することができます。同時に、化学繊維や天然繊維素材を問わず、通気性や風合いを維持しつつ、高い耐洗濯性を保持しています。

*全ての素材や製品に後加工できるわけではありません。

・カバロスランドリー(アップサイクル)サービス

詳細は下記公式サイトを参照。

https://coveross.jp/shop/pages/laundry

・株式会社aiESGのESG評価サービス

aiESGは、製品およびサービス単位でのESG評価を可能にするサービスを提供しており、サプライチェーン全体の最適化を支援します。綿花のTシャツと化学繊維のTシャツを比較することで、人権・環境負荷の低減を定量的に評価します。

・hap株式会社代表取締役 鈴木 素 からのコメント

アパレル業界は石油業界の次に世界で環境負荷が高い業界であり、サプライチェーンはグローバルで非常に複雑である。一次製品のみならず、二次製品の環境負荷削減を目指す上では、アパレル製品のデザイン設計からの変革も必要である。その上でaiESG分析・評価さらにはサービスにより日本発の真のサーキュラーファッションの実現を目指していきたいです。

・株式会社aiESG代表取締役 馬奈木 俊介様 からのコメント

aiESGは、製品レベルのESG評価を、サプライチェーンを通じて、定量的かつ科学的に行える世界初のサービスであり、サプライチェーンの最適化に強みがあります。このたびは、サーキュラーファッション界の雄、hap社様とご一緒させて頂けることになり、大変光栄です。両者の強みを組み合わせることで、「ゆりかごから墓場まで」、真にサステナブルなファッションに向けて邁進して参ります。

・hap株式会社について

hap株式会社は「人と地球に優しい洋服やサービス開発」を「科学と化学」の力で挑戦しております。弊社の商標登録「COVEROSS(R)(カバロス)」は日欧産官学共同研究により「快適性」、「ウェルネス」、「予防」等のキーワードを中心に開発を進め、ウェアラブルデバイスやAI・ブロックチェーンなどの活用により、次世代型パーソナライズライフウェアに進化して参ります。

hap株式会社コーポレートサイトはこちらから(https://hap-h.jp/

・株式会社aiESGについて

当社は、製品およびサービスレベルのESG分析を通して、持続可能な社会の実現を目指す九州大学発のスタートアップ企業です。国連報告書代表など国際的・学術的な長年のESG研究成果を元に、サプライチェーンを全て遡ったESG評価プラットフォーム「aiESG」を提供しています。

株式会社aiESGコーポレートサイトはこちらから(https://aiesg.co.jp/

お問い合わせ先:

hap株式会社 代表取締役 鈴木素

Tel : 03-5651-1775

Mail: moto.suzuki@hap-h.jp

配信元企業:hap株式会社

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