ヘンリー王子が、電話盗聴をめぐり提訴していた英タブロイド紙の発行元「Mirror Group Newspapers、MGN」と最終的に和解した。昨年12月の裁判では、MGNに違法な情報収集があったとの判決が下され、損害賠償として14万600ポンド(約2650万円)の支払いが命じられた。王子は別の記事に対して新たな裁判をする可能性があったが、法廷外で和解に達した。MGNは損害賠償金と王子の訴訟費用として「相当の追加額」を支払うことを認めたという。

ヘンリー王子は、英タブロイド紙『Daily Mirror』『Sunday Mirror』『Sunday People』などの記者達が電話盗聴や欺瞞、私立探偵の利用など違法な手段で情報収集をしたとして、複数の著名人とともに新聞の発行元「Mirror Group Newspapers(以下、MGN)」を提訴していた

王子は、MGNが公開した1996年から2010年までの147本の記事が、違法な手段で入手した情報が使用されたと主張。これらの記事は王子と家族、元恋人チェルシー・デービーさんとの関係、怪我や病気、薬物疑惑、兵役時代などの話題を取り上げたものだった。

昨年5月には、英ロンドンの高等裁判所で裁判が開始。6月には王子が帰国し、2日間わたり証言台に立った。

そして12月の判決では、MGNによる電話盗聴は1990年代後半から「広範囲かつ常習的に」行われ、2011年の報道基準に関するレヴェソン調査の際にも「ある程度」行われていたことが認められ、王子側が勝利した。

ファンコート判事(Mr Justice Fancourt)は、ヘンリー王子が違法に収集された情報を含む記事の公開により苦痛を与えられたことを認め、MGNに14万600ポンド(約2650万円)の損害賠償を支払うよう命じた

当時の裁判では、ヘンリー王子が主張した33本の記事のうち、15本が違法な情報収集に関わったことが判明した。しかし王子は別の115本の記事についても主張しており、それらを検討するために、新たな裁判の可能性が持ち上がっていた。

しかし2月9日ロンドンで行われた費用を決定する審問では、ヘンリー王子の弁護士デヴィッド・シャーボーン氏が、王子とMGNの間で和解が成立したことを認めた。

デヴィッド氏によると、MGNは損害賠償金と王子の訴訟費用として、12月に命じられた14万600ポンドに加え「相当の追加額」を支払うことを認めており、近いうちに40万ポンド(約7540万円)の中間納付をするという。

デヴィッド氏は裁判所の外で、集まった報道陣に向けて声明文をこのように読み上げた。

「我々が発言したすべてのことは、『Mirror Group』で実際に起きていました。そして、裁判所が極めて不利な判決を下したように、実際にはそれ以上にひどいことも起きていました。」

「今朝、法廷が述べたように、我々は『Mirror』が長年にわたり不誠実な行動をとり、その後、真実を隠そうとした衝撃的な方法を暴いて証明したのです。」

一方でMGNの広報担当者は、「私達は、この合意に達したことを喜んでいます。これは何年も前に起こり、謝罪した出来事から前進するため、私達のビジネスをさらに明確にするものです」と述べた。
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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