藤浪は新天地で再び輝けるか(C)Getty Images

 オリオールズからFAとなっていた藤浪晋太郎は、今月に入りメッツとの1年契約に合意した。年俸335万ドル(約5億円)で、登板試合数に応じた出来高も設定された。救援投手としての期待を感じさせる契約内容となった。

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 メッツでは昨季から千賀滉大プレーしており、日本人投手リレーへの期待も高まる。これで日本人メジャーリーガーのコンビ誕生は、今季4チーム目となった。ドジャース大谷翔平山本由伸が移籍。パドレスダルビッシュ有に加え、松井裕樹が楽天からFA加入した。カブス鈴木誠也に、DeNAから今永昇太が移籍。しかも4チームとも同じナ・リーグというのだから、日本人対決のチャンスも機会も、必然的に多くなる。

 この4チームという同一リーグ内でのコンビ誕生球団数は、実は歴代最多タイだ。過去に2シーズンあり、いずれもア・リーグで2008年と2012年に、複数の日本人選手がプレーした球団が4チームあった。

 2008年はマリナーズイチロー城島健司レッドソックス松坂大輔岡島秀樹ヤンキース松井秀喜井川慶ロイヤルズ野茂英雄薮田安彦プレーした。

 2012年にはマリナーズイチロー岩隈久志川崎宗則レッドソックスで松坂と田澤純一ヤンキースでは黒田博樹五十嵐亮太、そしてシーズン途中からはトレード移籍してきたイチロープレーレンジャーズにはダルビッシュ有上原浩治建山義紀が所属していた。

 もっとも過去2度のケースでは、全選手がバリバリのレギュラーとして活躍していたわけではない。2008年はロイヤルズの野茂は4月に3試合先発しただけでマイナー降格し、7月に現役引退を表明。薮田も8月頭に一度40人枠を外れてDFAとなり、マイナー暮らしを余儀なくされメジャーでは31試合の登板にとどまった。

 2012年は、レッドソックスの松坂が右肘のトミー・ジョン手術明け。初登板での復帰が6月で、7月には右僧帽筋を痛め故障者リスト入りするなど、11試合の登板にとどまり1勝7敗、防御率8・28という結果だった。田澤も開幕はマイナーで、シーズン中も昇格と降格を繰り返し、37試合の登板。マリナーズの川崎はバックアップ要員の控えで61試合の出場で115打席だけ。レンジャーズの建山も14試合の登板にとどまった。五十嵐ヤンキースでは2試合に投げただけだった。

 コンビ誕生のチーム数こそ同じ4球団だが、その中身が今季は段違いだと言える。山本、千賀、ダルビッシュの3投手は間違いなくエース格。今永も先発ローテーションの椅子は確約されている。大谷と鈴木の2人は、チームの主砲として主軸を任される。松井は1年目からクローザーに抜擢される可能性もある。

 故障さえなければ、全員がシーズン通してメジャーで戦い抜いても不思議ではない。数字は同じでも、中身を見比べれば充実度がレベルアップしている。それだけ対戦が見られるチャンスも、過去2度とは違うレベルにある。かつてない密度で、かつてないレベルの日本人メジャーリーガーが集結した今季のナ・リーグは注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

メッツ藤浪合意で日本人コンビのナ・リーグ球団4チーム目、歴代最多タイも過去2度と圧倒的に違うその中身とは