なるほど、そう折り合いつけたか!

「有料にして」早期4車線化を→現実に

NEXCO西日本は2024年2月7日、西九州道の「佐世保道路」区間(佐世保大塔IC~佐々IC)における4車線化事業の進捗ならびに、同区間の「新たな料金」について発表しました。無料区間の有料化が実施されます。

西九州道の南側、佐世保大塔IC~佐々IC間およそ16.9kmは、2024年度に順次4車線化が完了するといいます。これが完了した時点で、無料区間である佐世保中央IC~佐々IC間が、国土交通省からNEXCO西日本に移管され、有料区間となります。

NEXCO西日本九州支社によると、国土交通省が建設したいわゆる「無料高速」が、NEXCOに移管され有料化されるのは初めてのこと。長崎県が有料事業の導入による早期の4車線化を要望したことが背景にあります。

ただ、初めてのケースということもあり、料金体系もちょっと異例です。

どんな料金に?

現在、鳥栖方面から西九州道を利用すると、佐世保大塔本線料金所にて、そこから佐世保中央ICまでの料金が徴収されます。佐世保中央ICから佐々ICまでは無料区間のため、そのまま降りることができます。

これが、佐々ICまで有料区間になります。佐世保大塔~佐世保中央IC間は普通車160円で変わりませんが、佐世保大塔~佐々IC間は同370円になります。佐世保大塔料金所と以西の各IC出入口にはETCフリーフローアンテナが設置され、これを活用して料金が徴収されます。NEXCOの各種ETC割引も適用となります。

ただし、佐世保中央IC~佐々IC間のみであれば、非ETC車も無料で通行が可能だそう。これができるのは、各ICの構造上の特性もありますが、無料高速の有料化という「初めての事例であるため」(NEXCO西日本九州支社)、一部無料の措置をとったということです。長崎県もかねて、「有料化に伴う料金は日常生活に大きな影響を及ぼさないよう」配慮を求めていました。

このような無料高速の有料化は、将来的な維持管理の観点から、かねて国で議論されてきました。今回のように、建設の経緯から有料区間と無料区間が混在する路線もあります。ちなみに、京都の山陰近畿道でも、無料の末端区間(府整備)を2025年度から有料化し、その収益を未開通区間の整備費に活用する方針が決まっています。

写真中央の高架橋が西九州道。佐世保みなとIC付近(画像:写真AC)。