神奈川・川崎を拠点とする、8人組ヒップホップクルー・BAD HOP。来る2月19日東京ドームでの解散ライブを控える彼らに、最後にやり残したことを清算する機会が与えられた。用意されたのは、共同生活のための一等地のシェアハウス。それに、1週間の時間と、1000万円もの大金。これが、ABEMAにて放送中の『BAD HOP 1000万1週間生活』に関する全貌である。

参考:【写真】“逮捕ドッキリ”で連行されるBark 取り調べはまさかの早口言葉

 以下より、2月10日公開の【#6】から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるため、ご注意いただきたい。

Yellow Pato、ガチギレ Barkの爆睡をきっかけに朝まで生喧嘩

 昨日、ラストアルバム『BAD HOP』がリリースされ、収録曲が“たった”8曲だったことに驚いている暇はない。当初の予定であれば、客演有りの楽曲を含めて約30~40曲ほどの内容が噂されていたが、YZERRが匂わせていた“30%”の数字が本当であれば、まだ追加楽曲の可能性がある。が、『BAD HOP 1000万1週間生活』は間違いなく、今回を含めて残り2回のオンエアで終わる。

 今回の【#6】で、Barkの逮捕ドッキリという新たな企画まで始まった上、T-Pablowによる韓国カジノの行方、Benjazzyへのハニートラップドッキリのネタバラシ、ファンを招いたクルーズパーティ、そして地元の川崎・ちどり公園でのフリーライブのすべてを、残りの放送時間で回収できるのか。なんとなく、できない気がする。ラストアルバム同様に、この番組にもDeluxe版の概念が導入されることを期待するほかないのか……。わかっただろう、本当に驚いている暇がないのだ。

 さて、今回の主役は、Bark。前述の通り、YZERRが首謀する“逮捕ドッキリ”にて、Benjazzyに続いて痛い目を見るメンバーである。ちなみに、ドッキリに掛けられる理由は、累積犯行の多さ。自身の頼まれごとを忘却の彼方に飛ばしまくってきたことが、いよいよアウト判定を喰らったようだ。

 前回の【#5】にて訪れた居酒屋にて、YZERRからふっかけられ、グロッキーに追い込まれるほど飲酒を半強要されるBark。因縁の理由は、カメラに囲まれながらも、共同生活5日目にして、彼だけがいまだ、素の一面を出そうとしないから(因縁すぎる)。そんなBarkになんとかアルコールを摂取させるべく、YZERRが日本酒4杯を連続イッキしたり、逆に酔いすぎて、Benjazzyが焼いている最中のロブスターを、鉄板から灼熱の状態でそのまま咥えたり。Benjazzyもさすがに「雄哉、それは違うって」と嘆き節だ。対するBarkも、もはや軽くキレかけの表情で、日本酒を文字通り頭から浴びる。その際の目に浮かぶ“やんのか?”の文字。あれだけ強要されれば、酒だって物理的に浴びたくなるか。

 YZERRがここまで体を張った目的はただひとつ。Barkの記憶を飛ばすため。それでは、記憶を飛ばした先でなにが待っているのか?

 居酒屋からの帰り際、Yellow Patoとタクシーに同乗し、Barkは爆睡。その横で、Yellow Patoと同じく仕掛け人のタクシー運転手と一悶着の演技を繰り広げ、その模様をドライブレコーダーに撮影させるというもの。ただし、Yellow Patoが首尾よくカメラの首を捻じ曲げて、収録させるのは音声のみ。映像には映っていないこと、そしてBarkもこの夜の記憶が綺麗に飛んでいることを利用して、冤罪ながらも器物破損の共犯に仕立て上げられるという筋書きだ。この後、Barkは取り調べ中に「覚えていない」を連呼するが当然である。なぜなら、リアルにやっていないのだから。

 が、ここで事件が。Yellow Patoがタクシー内で暴れる演技をし、ともに逃走を図ろうとするも、Bark、目覚めず。おまけに「うぜぇから触んな!」と、酩酊状態ながらキレはじめた。すると、Yellow Patoもドッキリを忘れてバーサクモードに。「てめぇ、殴るぞ?」と、即席BreakingDownが開幕寸前のところで、スタッフが冷や汗をかきながら静止。地元の一軒家のスタジオに場所を移してもなお小競り合いは止まず、気づけば陽が昂る時間帯を迎える。

 Yellow Patoの投擲した机の小銭がスタッフの肩を直撃するなど、ハイライトや二次被害の語りどころは多そうだが、Barkの煽り芸に天性の才能があるのか。あるいは【#5】で見せた「プレイボール!」の掛け声でタレント性を光らせながらも、Yellow Patoが仕掛け人失格なのか。それとも、この悪巧みを企てながら、この場にまったくおらず、いつもの暗黒微笑でこの顛末を翌朝に耳にするYZERRが悪いのか。頼むから、このリアル喧嘩すら、我々に向けた芝居であってほしいと願うのみだったが、なにはともあれ、Barkこと日野原ゆうき容疑者のもとにはニセ警官が襲来。逮捕状(当たり前ながらニセ物)を目にし、二日酔いのまま警察署にすんなりと連行されていった。

・Bark、絶対に笑ってはいけない取り調べ&留置所「あ、自分もやる感じすか……」

 Barkの逮捕という衝撃シーンから始まった、共同生活6日目。警察署(のリアルなセット)に到着すると、まずは取り調べから。ここでは、あまりにもキツい二日酔いのあまり、支給された水分(350ml ペットボトル×2)を一気飲みしたことから、ニセ警官が目を光らせる。薬物をやっているんじゃないかと。あらぬ疑いを掛けられ、それを否定するために求められたのは、尿検査……でもなんでもなく、パンイチになって小刻みでジャンプしながら、早口言葉を言うこと。

 ありえない状況下で人がどんな行動を見せるかを“モニタリング”する某番組や、どんなに杜撰なドッキリでも、芸人であれば絶対にツッコミは入れない“説”を唱えた某番組など、普通の人間であれば“おかしいぞ?”と思うはずだが、Barkは違う。それに“青パジャマパジャマパジャマ”の早口言葉も、なぜか最初から青パジャマが2回登場させていたあたり、完全に笑いの神が降臨している。

 そもそも、かつてライブツアーの初日公演で「Choice feat. Vingo, Yellow Pato & Bark」のバースをほとんど丸ごと飛ばし、T-Pablowから“ツアーは徐々によくなっていくもの”で、Barkのミスも“いいもん見れたなくらいの気持ちで”とフォローされていた過去があるBark。二日酔いの状態で、早口言葉など言い切れるわけがない。それに、いままさに、そのいいもんを観させてもらっている。なんともいえないシュールさ。小刻みにジャンプしている本人が笑わないのが不思議でならないくらいだ。

 取り調べの末、そのまま留置所に勾留されることが決定。ここで登場した新たな仕掛け人が、ラップ好きで、怪しげな風貌の囚人=八巻ケン。Barkの姿を見るやいなや、BAD HOPのメンバーだと気づき、“うぉい、マジかよ顔”に。憧れのラッパーと相部屋という状況に「VIPシートじゃないですか、ここ! 10万とか、20万くらいするやつっすよね!」と興奮を見せると、Barkもなぜか、東京ドームでの解散ライブのチケット告知で応答。囚人へのダイレクト告知、新しすぎる(ちなみに、解散ライブは追加の注釈付き指定席分も完売とのことだ)。

 すると八巻から、自身もラップを嗜むことから、フリースタイルをさせてほしいと求められるBark。てっきり、彼のラップを聞くだけかと思っている表情だが、「じゃ、俺、先攻でいきます」の一言に、「先攻? あ、自分もやる感じすか……」と苦笑。しかも、バトルを持ちかけた張本人のラップが大して上手くないのだから、もはや某番組の“笑ってはいけない留置所”にしか見えない。

 そのまま、1ターンが終わったタイミングで、二日酔いで頭が回らないと逃亡を図ろうとするも八巻は逃さず、〈マジで昔は言ってた 手錠からロレックスチェンジ でも今こうなってロレックスから手錠にチェンジ〉という、クルーの原点かつ懐かしのラインを引き出されるまで、合計3ターンを展開。最後は、監視役の「うるさいぞ!」の一喝がレイブホーン代わりとなり、このバトルは引き分けに終わった。

 ここまでの模様を別室で鑑賞し、楽しんでいたYZERR。前述の取り調べ中、YZERRが自身に酒を強要しなければ、自身も犯行に及ばなかったという罪のなすりつけをしていたがゆえかは定かではないが、Barkはこの日、YZERRの一声によって、このまま留置所に1泊することが決定。ネタバラシは、翌朝に持ち越しとなった。あれだけ豪勢なシェアハウスを用意されながら、最終日前日の夜に寝るのが、留置所の布団になるとは……。初心忘れるべからずにも、ほどがある。

・Benjazzy、ハニトラドッキリのネタばらしはABEMAプレミアム行き?

 そのほかのシーンについてもサクッと触れておくと、前回の振り返り記事にて期待をしていた、Benjazzyの鼻血垂れ流しの寝顔を拝むことは叶わなかった。しかしながら、件の飲み会後、同時多発的に別の場所で、Vingoとの喧嘩(もとい、Vingoにマウントを取られて、一方的に6発ほど殴られたこと)が起きていた旨にはしっかりと触れられていた。土地柄などのせいにしたくはないが、訪問直後からT-Pablowが苛立ちを隠しきれていなかったあたり、もはや川崎市立川中島中学校の近辺は、BAD HOPを刺激する磁場かなにかが出ているのかもしれない。

 ちなみに、Vingo対Benjazzyの喧嘩の理由は、G-k.i.d(昨年秋、宅地建物取引士資格試験に合格したらしい)が移動車で爆睡し、それを引きずりだそうとするVingoを、Benjazzyがだる絡み&タックルで邪魔したから。なんだろう、Yellow Patoがキレた理由と似ている気がするというか、全体的な構造や原因が大体一緒すぎる……。

 そのほか、Benjazzyは6日目夜、忘れてはいけない港区女子=まゆこと急接近を果たし、会員制のカラオケルームに吸い込まれる(もっと忘れてはいけないのは、彼は逮捕ドッキリの全貌を知らず、この瞬間、BarkとYellow Patoが勾留されていると思い込んでいるということだ。なんて薄情なのか)。前日にあれほど酒で痛い目を見たにも関わらず、またしてもテキーラゆえのご機嫌ぶりで「夏の日の1993」を熱唱し、まゆこの横で変顔をし……。

 このドッキリのネタばらしは、まさかのABEMAプレミアム限定配信という、最後までBenjazzyのキャラクターらしい不憫なオチになっていたが、もし次週の最終話にて少しでもオンエアされることがあれば、必ずここで触れることを約束したい。というか、いよいよ【#6】にして1000万円のうち1円も使わない日が訪れてしまったし、もう最終話なの早すぎじゃない?

(whole lotta styles)

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