2024年2月、中国とタイの永久相互ビザ免除協定が締結されたことから、春節期間中にタイを訪れる中国人観光客が急増している。しかし、入国までの待ち時間が2~3時間に混雑しており、観光客から苦クレームが。この問題を解決するため、タイのセター首相兼財務相は自ら、春節期間中の中国人観光客の受け入れに関する業務を手配し、タイ入国手続きが停滞しないよう指示した。

 タイ政府の公式ホームページ「Thaigov」によると、セター首相は1月31日に中国の大手旅行プラットフォーム「携程(Ctrip)」のウェブサイトのライブ配信を通じて談話を発表し、3月1日に正式なビザ免除後にタイを訪れる中国人観光客を招待しました。この談話は中国人観光客から前向きに受け止められ、わずか1時間の間にCtripのプラットフォームでタイの検索数が90%以上も急上昇した。

 春節期間中、タイのスワンナプーム国際空港、ドンムアン国際空港、チェンマイ国際空港、プーケット国際空港、ハジャイ国際空港、チェンライ国際空港の6大空港を結ぶ中国路線の運航便は前年同期比202.6%増の計3086本で、旅客数は同220.2%増の45万8813人に達する見込みです。

 タイのセター首相は、タイ空港公社(AOT)に対し、春節期間中の中国人観光客の受け入れに関する業務を事前に手配するよう促した。中国人観光客が空港に到着した際、担当者はパスポート情報を入力するだけでよく、これまでの面倒なビザの照合・確認をなくし、中国人観光客専用カウンターを増やす。2024年にはタイを訪れる中国人観光客が800万人を突破すると予測される。

 新型コロナの影響で大きなダメージを負ってしまった観光業界の立て直しには、観光の質を求めない中国人旅行客の数が魅力的で、どうにかタイへの関心を持ってもらうため三顧の礼でタイは中国人観光客をお迎えするとの宣言(パフォーマンス)を発出させた。

 またこの10年で観光施設やホテルも中国人旅行者の行動パターンを理解し、コントロールする方法を身に着けてきている、本音では中国人以外の客を迎えたいところだか、四の五の言わずに中国人観光客の顧客満足度を上げリピートに徹する覚悟で臨むという。

バンコク・スワンナプーム国際空港