ラストサマー・バケーション」などの作品で知られる漫画家・東洋トタン(@To_Yo_Tutan)さんの漫画創作漫画「むこうがわのアリス」が話題だ。憧れの俳優であり同級生でもある少女との出会いと別れを描いた本作は、SNSに投稿されると読者からの熱い反響が寄せられた。今回、作者の東洋トタンさんにインタビューを敢行。本作に込めた思いなどを語ってもらった。

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■夢を走り続けるアリスの「強さ」と、そこに憧れつつ劣等感を抱く優子の「弱さ」

「むこうがわのアリス」は、作者の東洋トタンさんが漫画賞に応募した作品だという。本作のコンセプトを尋ねると、「今も昔も映画が大好きなので、一度映画を題材にしてみようと挑戦した作品です。普段映画を観ていると、『滅茶苦茶いい演技をする無名の俳優さん』の存在に惹かれる事があります。本作のメインキャラである花 / アリスの着想はそこから得ました」と告白。

仲良くなった優子と花の日常の姿が印象的だが、「自分が過去に映画好きの友人と映画館に行ったり、一人でレンタルビデオ屋を徘徊したりしているときの気持ちを思い出しながら描いていました。誰かと映画を観たあとに街を歩きながら『いや~いい映画だったねぇ』と唸ってる時間が好きです」と、映画が好きな者同士の「楽しいひと時」をイメージして描いたそう。

そんな二人のキャラクターの“核”となる部分については、「この作品においてアリスは“強さ”、優子は“弱さ”を担っています。夢を走り続けるには、誰になんと言われようと、人のせいにしたり、自信喪失したりしない強さが必要だと思います。その強さを持っているアリスの眼差しに優子は憧れつつも、劣等感を感じていました」とのこと。

優子は内に秘めた嫉妬心や家庭環境などが描かれる一方、花は優子の目から見た姿しか描かれていない。東洋トタンさんは「偶然にも花と友人になれた優子ですが、一切弱みを見せなかった花は優子にとって、ずっとスクリーンの向こう側の“アリス”だったのだと思います。優子の妄想ですが、花が映画のスクリーンから優子に話しかけ、優子が思わず手を出すことで冒頭に観た映画の内容とリンクする……、というシーンはこだわった点の一つです」と、描写に込めたこだわりを明かしてくれた。

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取材協力:東洋トタン(@To_Yo_Tutan)

憧れの俳優が突然クラスメイトに!この出会いと別れが優子の未来を変える/画像提供:東洋トタン(@To_Yo_Tutan)