TVアニメ「ゆびさきと恋々」(毎週土曜夜22:30-23:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラスTVerHuluほかで配信)の第6話が2月10日に放送された。雪と逸臣の恋の結末にSNS上で祝福の声が殺到する一方、ある人物への応援コメントが集まっている。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】雪(CV:諸星すみれ)の手の甲にキスをする逸臣(CV:宮崎遊)

■TVアニメ「ゆびさきと恋々」とは

ゆびさきと恋々」は、「月刊デザート」(講談社)にて連載中の、森下suuによる同名漫画のアニメ化作品。聴覚障がいのある女の子・雪と世界を旅する大学の先輩・逸臣のピュアラブストーリーがSNSを中心に反響を呼び、累計発行部数380万部突破(電子含む)、「第11回ananマンガ大賞」「このマンガがすごい!2021」などの数々の賞にランクインしている。

アニメーション制作を亜細亜堂が手がけ、監督・絵コンテを村野佑太、キャラクターデザインを酒井香澄、音楽を橋本由香利が担当。糸瀬雪役は諸星すみれ、波岐逸臣役は宮崎遊が務める。

■好きがダダ漏れの雪

俺なら大丈夫ってどこまで?」

逸臣の手のひらに「ぜんぶ」とその答えを書いた雪。すると、逸臣は雪の手の甲にキスをする。「ゆびさきと恋々」第5話では、誰もが「もう付き合っちゃえよ!」と言いたくなる気持ちを抑えながら、2人のもどかしく愛おしい恋の行方を見守った。

今さらだけれど、雪は感情表現が豊かだ。「声が変」と言われた過去のトラウマから人前で声を発することはほぼないが、その表情や身ぶり手ぶりから気持ちが伝わってくる。それは、彼女が手話がわからない人ともコミュニケーションを取ろうと努力してきたからなのだと思う。

言い方を変えれば、“分かりやすい”のだ。逸臣に恋していることも、すぐにりん(CV:本渡楓)や京弥(CV:逢坂良太)にバレてしまった。恥ずかしがり屋だけど、意外に積極的なのもあるだろう。カフェバーで働く逸臣を見つめる目はいつも「好き」と伝えている。

女性から言い寄られることが度々あり、エマ(CV:東山奈央)が自分に寄せている想いもわかった上で思わせぶりな態度を取らないようにしている逸臣もまた、それに気づいていないはずもなく……。手の甲にキスされ、動揺を隠せない様子の雪に逸臣はスマホのメッセージで「(店に)俺に会いに来てた?」と送る。

そのことで逸臣への思いが溢れ、ついに手話で「好きです」と伝える雪。だが、京弥からの電話に対応していた逸臣はその瞬間を見ていなかった。逸臣は店に呼び出され、告白はお預けに。さらには、また海外に行ってしまうため、次に会えるのは春休み明けだと伝える逸臣。雪はショックを受けるが、その間も手話の動画を送ると約束する。

■全女子の「言われてみたい!」が詰まった逸臣の台詞の数々

部屋を出る時、逸臣は「好きになっていい?」と雪に問いかけた。実際に声を発していたのか、口パクなのか、あえて分からないようにする無音の演出が粋だ。視聴者も、俯いていて逸臣の問いかけに気づいていない雪の目線に立つことができる。

やっぱりというか、誰もがすでに分かっていたことだけれど、2人は両思いだった。その上で、逸臣も雪のことが好きでたまらないという気持ちが伝わってきたのは、京弥に雪のことをどう思っているのか聞かれた時。逸臣は雪を“透明”と表現し、こう答える。

「ずっと見ていたいって思ってた 目も手も表情もきれいで―… 今は見てないもうずっと雪に見惚れてる」

なんて詩的で美しいセリフなのだろう。京弥が思わず赤面してしまうのも理解できる。かと思えば、告白はストレート。逸臣はりんと一緒に店にやってきた雪に、「俺たち つきあおっか」と伝える。海外を飛び回っている逸臣は今まで彼女を作るつもりはなかったが、「どこに行っても 雪はいねぇじゃん」と。それだけ逸臣にとって雪は唯一無二の特別な存在なのだ。涙で視界が歪む雪に、逸臣はさらに「雪がほしい」と念押し。逸臣の言葉には全女子の「言われてみたい!」がとことん詰まっている。

■雪と逸臣がカップルに……SNSで祝福の声が殺到

こうして、めでたく付き合うことになった逸臣と雪。でも、雪はなかなか実感を得られずにいた。なぜなら逸臣の反応があまりにあっさりしているから。りんと京弥から盛大に祝福されても全く表情が変わらない逸臣。だけど、その行動から逸臣が雪を大事に思っている気持ちが伝わってくる。

この日、雪はりんとお泊まりの予定だった。だから門限を過ぎても問題はなかったが、「親は今 (雪が)外にいるって知らねえだろ」と逸臣はりんの家まで雪を送っていく。雪と2人きりになりたかったのもあるかもしれないが、大事な彼女に親との約束を破らせないところも素敵だ。

またりんから、エマに鍵を渡していたのを雪が気にしていたと聞き、帰り道に「部屋貸してただけだから」ときちんと弁明。その上で「もうこんなことしねぇから」と約束し、雪を安心させる。どこまでも抜かりがない。

一方で、雪との別れ際、名残惜しそうな逸臣の姿から溢れんばかりの好きが伝わってきた。一度は見送って帰ろうとしたが、雪が家に入ろうとしたところを引き止め、後ろから抱きしめる逸臣。その瞳は愛おしそうに揺れる。空から降る透明な雪は2人を祝福しているように見えた。

ついに結ばれた雪と逸臣に、SNSでも「2人ともおめでとう!!」「雪ちゃん、本当によかったね」「雪ちゃんが幸せそうにしてるの見てると涙でてくる」「やっばい! 可愛い!! 見てて、こっちまで幸せだよ!」「ストレートな告白もキュンキュンだし、雪の反応も可愛いし、ずっと幸せでいて欲しい」と祝福の声が殺到。一方で、雪を心配するも報われない桜志(CV:大塚剛央)に対し、「来週辺り桜志くんが…気になる」「桜志くんがマジで勝ち目無さすぎるというかもう出番無いくらいまで来てるんですが大丈夫なのか、?!!」「彼にも笑って欲しいのですが…」「桜志の不器用さめちゃくちゃ応援したくなる〜がんばれ…泣」という応援コメントが集まっている。

◆文=苫とり子

テレビアニメ「ゆびさきと恋々」第6話が放送/(C)森下suu・講談社/ゆびさきと恋々製作委員会