いまだMLBでの去就が決まっていないバウアー。そんな名投手には後押しの声もある。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本球界への復帰も囁かれる元NPB助っ人の去就が注目を集めている。昨季にDeNAで活躍したトレバー・バウアーだ。

 昨季は日本を大いに驚かせた。昨年3月にDeNAにエポックメーキングな移籍を果たしたバウアーは、時には中4日でローテーションを回るタフネスさも披露。20年にメジャーリーグサイ・ヤング賞に輝いた投球技術も圧巻で、最終的に19先発で2桁勝利(10勝)を記録。さらに防御率2.76、WHIP1.15、QS率78.95%と堂々たるスタッツをマークした。

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 確かな実力を示したバウアーは、DeNAとの単年契約が満了した今オフにメジャー復帰を明言。代理人とともに買い手を模索し続けている。がしかし、周知の通り、各球団が春季キャンプを迎える今も、彼の移籍先は定まっていない。

 その理由はバウアーが過去に犯してきた素行不良に対する懸念が米球界内で強く残っているからと見られている。21年に米球界を追われる原因ともなった女性への性的暴行疑惑は昨年10月に和解が成立。すでに訴訟問題も解決済みではあるが、近年の米球界はコンプライアンスを重視する傾向があり、たとえ実績があろうとも厳しく断じられるようになっている。33歳のベテランも例外ではない。

 もっとも、本人は先月4日(現地時間)に米放送局『FOX News』の報道番組「America’s Newsroom」に出演し、「僕は間違いを犯した。やるべきでなかったことをしていたことに同意する。その過程で多くの人を傷つけた」と猛省。メジャーでの再起に向け、態度を改めている。

 そんなバウアーの現状を憂う識者もいる。かつてレッドソックスの絶対的守護神として君臨したジョナサン・パペルボン氏だ。

 メジャー通算368セーブを挙げた百戦錬磨のレジェンドは、現地時間2月10日に自身のX(旧ツイッター)を更新。「バウアーには証明すべきことがたくさんあり、失うものもある」としたうえで、バウアーが「僕とリーグ最低額で契約すれば、それに支払う金額の増分がゼロになる」とした投稿を引用。「レッドソックスはもし彼を獲得してうまくいかなかったら、俺が彼の最低年俸を払う。逆に全てがうまくいったら、俺に最低年俸を払ってくれ」と強調した。

 そして、パペルボン氏は、こう続けている。

「誰にでもセカンドチャンスはあるはずだ。俺は過去のことは何も気にしない。人は経験から変われる。彼がチームを勝たせ、変化させることができれば、それには、それ以上の意味がある。俺はこの春にバウアーを獲得することをGMに勧める。この子のことを多くは知らないが、もしも、ビジネスの話をしたいGMがいたら、話をしよう」

 一部の米メディアではDeNAでの復帰も囁かれているバウアー。果たして、彼は自身が望む“セカンドチャンス”を得られるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

日本復帰も囁かれるバウアーに“セカンドチャンス”を MLB通算368セーブの名守護神が断言「人は経験から変われる」