櫻井翔主演のドラマ「新空港占拠」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系Huluにて配信)の第5話が2月10日に放送され、空港を占拠した獣集団のうち、3人の面が外されて全員の素顔が明らかに。武蔵(櫻井)の家族を巡る謎ともつながって、物語は後半に向かって動き始めた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】獣集団の“牛”を演じるラランド・サーヤ

■武蔵がさくらの疑惑を晴らすため動く

本作は、2023年に放送された「大病院占拠」(日本テレビ系)の続編。神奈川県初の国際空港「かながわ新空港」を突如として獣の面をかぶった武装集団が占拠。神奈川県警捜査一課の武蔵三郎(櫻井)が再び巻き込まれる。与えられた期限はわずか1日。極限状態で繰り広げられるタイムリミット・バトル・サスペンスとなる。

武蔵の妻で心臓外科医の裕子を比嘉愛未、裕子に接触する謎の男をジェシー(SixTONES)、事件の指揮官を務める神奈川県警刑事部捜査一課特殊班(SIS)管理官・和泉さくらソニン、武蔵の姉で人質となっている神奈川県議会議員・二葉を奥貫薫が演じる。

第5話は、さらに緊迫感が際立った。前回ラストで衝撃を呼んださくらが獣側ではないかという疑惑、獣たちに毒を盛られた人質たちの解毒剤を巡る攻防、そして怪し過ぎる警察官・綾部(吉田健悟)に追われる裕子と謎の男。3つの展開にハラハラしながら、物語はまた大きく動くことに。

■獣たちが仕掛けた罠

「和泉がやるわけない」と信じる武蔵によって無実が証明された。だが、その間にさくらの代わりに指揮をとった警備部長・大久保(生津徹)は、さくらと人質1人の交換要求を受け、その裏でSATを空港内に突入する作戦を強行しようとしていた。武蔵は罠だと指摘したが、大久保は突入を命じた。

獣側は解毒剤を巡って“クズ”過ぎる行動をしたパイロットの久留米(富川一人)をさくらとの交換要員にしつつ、同時に仕掛けていた爆弾によりSAT隊員たちの行く手を遮り、大久保の作戦は失敗する。

獣たちが再び空港内に戻るとき、さくらが獣のリーダー“龍”に何かをささやかれたような様子が気になったものの、その後に獣たちが明かした事実の衝撃の大きさに揺さぶられた。

さくらが疑われることになった監視カメラの映像がフェイクであったことは武蔵も証明したわけだが、これまで“うそ”が暴かれた人質たち、建設会社会長・白河(俵木藤汰)、弁護士・米沢(長田成哉)の罪は本当だが、配信した動画もフェイクだったのだ。さらに、人質に毒を盛ったというのも“うそ”で、ただの興奮剤だったと明かした。それにより久留米の人間性があぶり出されたわけだ。

「うそで人間はここまで変わる。うそで人間の醜さがあらわになる」と“龍”は告げた。

■武蔵に関わるうそ、“山猫”の存在

うそに踊らされる――、この視点が第5話という折り返し地点で提示されたことで物語に一段と入り込むことに。獣たちが暴かせようとしている“うそ”の背後にある目的、真実とは何なのか。踊らされることなく見極めようと、自然と集中させられる。

“龍”は、武蔵も「うそで人生が変わった」と言う。30年前に武蔵の兄・健一が失踪したのは、“山猫”が作り出したうそなのだと。

前回浮かび上がった“山猫”の存在が、武蔵とつながった。このあと、“羊”と“兎”が面を外し、空港会社の社長・天童(黒沢あすか)のうそをあらたに暴くように要求する展開となったが、“龍”も面をとり、つぶやいたのが「絶対に逃がさない、山猫」だった。

獣集団がかぶっている面は十二支を表しているとされるが、猫は十二支に入れなかった動物という逸話がある。龍と山猫の間に何があるのか。山猫の正体に向かって物語は大きく動き始めたといえる。まだ姿が明かされていない“ねずみ”と仮面だけは登場した“犬”が誰なのかということと共に、考察する好奇心をくすぐられる。

ラストは、その一歩として、天童が関わると思われる5年前に起きた空港建設を巡る殺人事件を調べるために訪れた神社で武蔵がピンチに。武蔵と一緒に「うそだろ!」と口にしてしまう展開の面白さが続き、タイトルが日本と世界のトレンド1位になる反響となった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

武蔵(櫻井)がさくら(ソニン)のために奔走/(C)日テレ