とうとうカルチョの舞台で花開いたベルギー代表FWチャールズ・デ・ケテラエル(22)。若きアタッカーへの関心が高まっている。

2022-23シーズンのミランが目玉補強として獲得したデ・ケテラエル。母国の名門クラブ・ブルージュでエースに君臨し、チャンピオンズリーグ(CL)も経験した若者は、大きな期待とともにファッションの都・ミラノへと舞い降りた。

ところが、昨季の公式戦40試合でなんと「0」ゴール。デビュー3試合目でアシストを1つ記録しただけとなり、自らの獲得を追い求め、加入後に温かく辛抱強く見守ってくれたパオロ・マルディーニ氏も、昨夏でクラブを追われた。

人生初の海外生活に適応できないなかで、イタリアの父とも言えよう“後ろ盾”を失ったデ・ケテラエル。今季は1年レンタルアタランタへ貸し出されているが、古巣クラブ・ブルージュと同じ青黒のユニフォームに袖を通し、いま、ついにその才能をカルチョで発揮させているのだ。

昨季40試合0ゴールはどこへやら、選手の個性を引き出す術に長けた老将、ジャンピエロ・ガスペリーニ監督に預けられると、ここまで公式戦26試合で9ゴール7アシストセリエAの直近3試合では3ゴール2アシストを記録する。

そんな192cmの長身アタッカーに隣国フランスから『フットメルカート』も興味津々。「ユーロ2024を前にして、ベルギー代表にこの上なく明るい兆し」とその躍動ぶりを称え、「ミラノは若者にプレッシャーを与えるだけだったが、わずか60km先のベルガモはそうではない」と、一度名門を離れたことが分岐点だったとリポートする。

さて、そんなデ・ケテラエルだが、先日地元メディアの取材で「僕はここアタランタで肉体的にも精神的にも自分を発見できた。ミランではできなかった“FWとしての役割”をこなせていると思う。将来どうなるかわからないけど、今はこの先もここに残るような気がしている」とコメントした。

イタリアカルチョメルカート』は以前、アタランタが2300万ユーロ(約36億3000万円)+ボーナス400万ユーロ(約6億3000万円)の買い取りオプションを保有し、これを履行した場合、ミランは将来のリセール時に移籍金の10%を手にするという契約を結んでいると伝えている。

デ・ケテラエル自身のガスペリーニ・サッカーへのコミット、そして“貯金"が非常に多いアタランタの健全経営を考慮すれば、今季終了後の完全移籍移行が濃厚と言えるだろう。ミランがそれを望んでいることも時折伝えられる。