プレミアリーグ第24節が11日に行われ、アーセナルは敵地でウェストハムと対戦した。

 今季もプレミアリーグの優勝争いに加わっているアーセナルは、ここまで23試合を消化して15勝4分4敗の成績を残し、勝ち点「49」を積み上げて現在3位につけている。前節はホームで行われたリヴァプールとの上位対決を3-1で制し、勝ち点差を「2」に縮めることに成功。そのリヴァプールは今節のバーンリー戦を3-1で勝利しており、消化試合数が1つ少ないマンチェスター・シティも2-0でエヴァートンを下した。ライバルたちが順調に勝ち点を獲得した中、勝ち点「3」が必須となる今節はアウェイでの“ロンドンダービー”に臨む。ここまで10勝6分7敗の成績を残すウェストハムの本拠地『ロンドン・スタジアム』に乗り込んだ。

 アーセナルは“古巣対戦”となるデクラン・ライスを筆頭に、ウィリアン・サリバ、マルティン・ウーデゴーアブカヨ・サカといった面々がスターティングメンバーに並んだ。左サイドバックにはヤクブ・キヴィオルが入り、オレクサンドル・ジンチェンコ、さらにはAFCアジアカップカタール2023の戦いを終えた冨安健洋らはメンバー外となった。対するウェストハムは、ジェームズ・ウォード・プラウズ、モハメド・クドゥス、ジャロッド・ボーウェンらが先発に名を連ねている。

 試合は立ち上がりからアーセナルがボールを保持する構図となるが、ウェストハムも守備陣形を崩すことなく隙を見せず、決定的なシーンが生まれないまま20分が経過。この試合最初のビッグチャンスは23分。アーセナルは敵陣でルーズボールを拾ったカイ・ハフェルツから、ウーデゴーア、サカを経由してボックス右の深い位置を取ったガブリエウ・マルティネッリにボールが渡る。マイナスの方向へ浮き球のボールを折り返すと、中央で待っていたハフェルツの頭を超えて、待っていたレアンドロ・トロサールがボレーシュート。ジャストミートした一撃は枠を捉えたが、GKアルフォンス・アレオラのビッグセーブに阻まれた。

 徐々に穴を見つけるようになってきたアーセナルは27分、ペナルティエリア手前でサカからの横パスを受けたウーデゴーアが左足を振るも、シュートはディフレクションして枠の外へ。直後の32分には左コーナーキックを獲得すると、ライスが放った右足のキックからサリバがヘディングシュート。高い打点から放たれた一撃がゴールネットを揺らした。この試合再三見せてきたファーサイド狙いのセットプレーが実を結び、アーセナルが先手を取っている。

 1点をリードしたアーセナルは37分、ベン・ホワイト、トロサールと繋いでボックス右で前を向いたウーデゴーアがスルーパスを送ると、抜け出したサカがGKアレオラの位置を見てループシュートを狙ったが、わずかに枠を逸れていく。それでも直後の38分、自陣に降りてボールを受けたトロサールが前を向いてロングフィードを送ると、抜け出したサカがGKと1対1のチャンスを迎える。飛び出してきたGKアレオラをかわそうとしたところで倒され、アーセナルにPKが与えられた。このPKをサカ自身がゴール右下に突き刺し、アーセナルがリードを広げた。

 勢いに乗るアーセナルは前半終了間際に差し掛かっても攻撃の手を緩めることはない。44分、敵陣左サイドアーセナルフリーキックを獲得。ライスが右足でインスイングのボールを供給すると、中央のスペースへ飛び出したガブリエウ・マガリャンイスがフリーでヘディングシュートを沈める。

 前半アディショナルタイム3分には、敵陣でルーズボールを拾ったハフェルツから、ボールを引き取ったウーデゴーアが斜め左へ繋ぐ。待っていたトロサールは右足に持ち替えると、ファーサイドへ狙い澄ました一撃を叩き込み、アーセナルが4点をリードして前半を終えた。

 後半に入ると、4点ビハインドのウェストハムはクル・ズマ、エドソン・アルバレスを下げて、コンスタンティノス・マヴロパノス、カルヴィン・フィリップスピッチへ送り出す。後半立ち上がりの時間は意図的にボールを握り、敵陣へ押し込む時間を作ったが、崩し切ってボックスを攻略するまでには至らない。52分にはクドゥスがボックスの外から強引に左足を降ったが、シュートはライスにブロックされる。

 するとアーセナルの攻撃陣が再び暴れ出す。63分、敵陣中央右寄りの位置で前を向いたウーデゴーアがスルーパスを送ると、反転したサカがカットインから左足一閃。強烈な一撃でチームの5点目を挙げると、そのわずか2分後には、ウーデゴーアが中央を破るパスで全体を前進させ、ピッチ中央フリーで前を向いたハフェルツが右へ繋ぐ。サカは内側を走っていたマルティネッリを使い、ボックス右でサポートしたホワイトにボールが届くと、マイナスへのパスはウーデゴーアとトロサールがまさかのお見合い。だが、その後ろからサポートしたライスが勢い良く右足を振り抜き、豪快なミドルシュートを叩き込んだ。アカデミー時代から長い時間を過ごした古巣のウェストハムが相手のため、ライスはセレブレーションを実施しなかったが、アーセナルは今季の公式戦で最多の数字となる6得点を記録した。

 この後、アーセナルはサカ、ライス、トロサール、ホワイト、マルティネッリといった主力を温存させたが、前への勢いを失うことなく攻撃を続ける。最終的にはこれ以上の得点は生まれず、試合はこのままタイムアップを迎えた。

 今季のプレミアリーグでは最多、公式戦全体では2度目となる6得点を奪ったアーセナルが、敵地で大勝を遂げ、今季2度目のプレミアリーグ4連勝を飾った。一方、ウェストハムはこれでプレミアリーグ2連敗。公式戦全体で見ると、昨年12月28日に開催された第19節アーセナル戦(○2-0)を最後に勝ちがなく、7試合白星から見放されている。

 次節のプレミアリーグは17日に行われ、アーセナルは敵地でバーンリーと、ウェストハムも同じくアウェイでノッティンガム・フォレストと、それぞれ対戦する。

【スコア】
ウェストハム 0-6 アーセナル

【得点者】
0-1 32分 ウィリアン・サリバ(アーセナル
0-2 41分 ブカヨ・サカ(PK/アーセナル
0-3 44分 ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナル
0-4 45+3分 レアンドロ・トロサール(アーセナル
0-5 63分 ブカヨ・サカアーセナル
0-6 65分 デクラン・ライスアーセナル

アーセナルが圧巻の攻撃力でゴールラッシュを披露 [写真]=Getty Images