セリエA第24節が11日に行われ、ミランナポリが対戦した。

 前節終了時点で15勝4分4敗の成績を残し、勝ち点「49」を積み上げて3位のミラン。2位のユヴェントスとは勝ち点が「4」離れており、まずはユヴェントスの背中を追いかける戦いとなる。セリエAに限定すると直近8試合で6勝2分無敗と安定して勝ち点が積み上げられている状況の中、今節はナポリとの上位対決が待っている。

 一方、昨季は33シーズンぶりのスクデットに輝いたナポリだが、ルチアーノ・スパレッティ監督が去った中で迎えた今季は、昨シーズンほどの強さは見せられていない。シーズン開幕時にナポリを率いていたリュディ・ガルシア監督は既にクラブを去っており、約10年ぶりにナポリに帰還したワルテル・マッツァーリ監督の下で戦っている。現在セリエAの直近3試合で2勝1分と無敗を維持しているが、ここまでのシーズンで見ると10勝5分7敗とまずまずの成績。消化試合数に差こそあれど、現在は来季の欧州カップ戦出場権の獲得も危うい8位に甘んじており、ミランを相手に浮上のきっかけを掴みたい。

 試合は立ち上がりの10分、ナポリがチャンスを作り出す。敵陣でルーズボールを拾ったアンドレ・フランク・ザンボ・アンギサ、ピオトル・ジエリンスキを経由し、ボールを引き取ったフヴィチャ・クヴァラツヘリアが縦へ破って中央へ折り返す。走り込んできたジョバンニシメオネダイレクトで合わせたが、シュートはわずかに枠を外れた。

 対するミランは25分、自陣左サイドで前を向いたテオ・エルナンデスがくさびのパスを入れると、オリヴィエ・ジルーのポストプレーから左サイドの大外に張っていたラファエルレオンにボールが渡る。R・レオンは内側を駆け上がっていたテオを見逃さず、タイミングを見てスルーパスを入れると、テオがワントラップからニアアイドを撃ち抜き、“得意な形”でミランが先手を取った。

 前半も終盤に差し掛かった37分にはミランのキャプテンのダヴィデ・カラブリアが負傷のためプレー続行が不可能となり、代わってアレッサンドロ・フロレンツィがピッチへ送り出される。ミランはR・レオンを中心にゴールに迫るシーンを作ったが、これ以上スコアは動かず、前半はこのままミランの1点リードで終了した。

 後半に入るとナポリが同点ゴールを目指してシュート本数を増やす。54分、敵陣中央でイスマエル・ベナセルの横パスを引っ掛けたシメオネが、自ら運んでボックス手前から右足を振るも、シュートは枠を逸れてしまう。60分には右サイド高い位置を取ったジョバンニ・ディ・ロレンツォが斜めのパスを入れると、ボックス右角でターンしたザンボ・アンギサからマッテオ・ポリターノがボール引き取り、カットインから左足を振り抜く。狙い澄ました一撃は枠を捉えたが、GKマイク・メニャンの横っ飛びセーブに阻まれた。

 1点をリードするミランは70分、フロレンツィが敵陣へ飛び出してインターセプトすると、パスを受けたユヌス・ムサが左へ散らす。待っていたR・レオンは切り返して右足を振ったが、シュートはわずかにゴール右へ外れた。

 終盤に差し掛かると、1点を追いかけるナポリが前がかりになってゴールへ迫る。89分にはボックス左でジャコモ・ラスパドーリからのパスを受けたイェスパー・リンドストロムが、右足アウトサイドでクロスボールを送ると、これがヤン・カルロ・シミッチに当たって右ポストに直撃。こぼれ球を拾ったクヴァラツヘリアから、ディ・ロレンツォが左足を振ったが、シュートはGKメニャンに弾き出された。

 試合はこのままタイムアップ。終盤になると3バックにシステムを変更し、テオの先制点を守り切ったミランが、2024年のセリエA無敗を継続。2連勝を飾った。一方、ナポリは4試合ぶりの黒星を喫した。

 この後、ミランは15日にヨーロッパリーグ(EL)・決勝トーナメントプレーオフファーストレグのレンヌ戦をホームで戦い、18日には次節のセリエAモンツァの本拠地に乗り込む。一方、ナポリは次節のセリエAが17日に控えており、ホームでジェノアと対戦する。

【スコア】
ミラン 1-0 ナポリ

【得点者】
1-0 25分 テオ・エルナンデスミラン

決勝弾を挙げたテオ・エルナンデス [写真]=Getty Images