運転がめちゃくちゃ難しそうだけどじつは「けん引免許」不要! 旅客輸送の抱える問題を「連節バス」なら解決できる

この記事をまとめると

連節バスとは車体が2台以上つながっているバスを指す

■車種・仕様にもよるが110~190名ほどの定員設定が可能

連節バスの構造やメリットについて解説する

始まりはいすゞのツインバス!

 連節バスとは、車体が2台以上つながっているバスのこと。その歴史は古く、1950年いすゞ自動車が実用化している。このとき車両は、既存のバスをベースにシャシーを改造して製作されたもの(全長11mなので、12mを限界とする道路交通法には抵触しない)。基になったバスの後ろに、別の車体の後方部分を合体させた構造になっていた。

 連結部分は幌で覆われていたが、現在の連節バスのようにそこが折れ曲がる構造にはなっていないかったため、曲がる際には大まわりをする必要があった。乗車定員が増えるというメリットはあったものの、小まわりが利かないので走れる場所が少ないなどの欠点があり、普及には至っていない。

連節バスについて解説

 日本で連節バスが注目されるようになったのは、1985年茨城県つくば市で開かれた「科学万博つくば ’85」において、最寄り駅とのアクセス交通として活躍したことがきっかけだ。会期終了後、一部が成田空港などで運用されて国内の認知度向上に貢献した。

 それまで、路線バス観光バスとして本格的に運用されていなかったのは、連節バス(全長18m)が道路交通法上の車両全長限界規定に抵触したからである。つくば万博開催時は特例認可が下りていたからであり、空港場内は公道ではないために運行が可能だったのだ。

 本格的な運用が始まったのは、1998年京成バス千葉市幕張地区において、定期路線投入を行ってからだ。法改正を行ったのではなく、条件が整っている路線に限って、つくば万博時と同様に特例認可という形式をとったのである。

 現在は、横浜市営交通/新潟交通JRバス奈良交通三重交通/西鉄グループなど、全国各地で運用されるまでになった。

通常の大型免許で運転できる

 連節バス導入の理由の第一は、なんといっても大量輸送ができることだ。車種・仕様にもよるが、110~190名ほどの定員設定が可能になる。一般的な大型路線バスは定員が80名程度なので、大幅に乗客を増やすことができて経営効率が上がるのだ。とくに近年は、どこのバス会社も深刻な運転手不足に悩まされているため、その解決策としても期待されている。

連節バスについて解説

 メリットはそれだけではない。連節バスというぐらいだから、運転に牽引免許が必要だと誤解されがちだが、じつは通常の大型免許でOKなのだ。

 牽引車両は被牽引車が切り離し可能なので、独立した車両として扱われる。連節バスは前後とも同じナンバープレートが付いており、あくまで1台の車両なのだ。ただ、運動特性はトレーラーに似ている部分が多いため、技術的な問題を考えて運転手に牽引免許を取らせる事業者もある。

 現在、連節バスを製造しているメーカーは内外に多数あり、それぞれ仕様・構造・性能に違いがある。たとえば、横浜市営バスに納入している「日野ブルーリボン ハイブリッド連節バス」の場合、車両総重量は約24.5t、車両寸法は全長17.99m×全高3.26m×全幅2.495mというビッグサイズで、定員は113名だ。しかし、タイヤの切角は内側:43°外側:34.5°なので、最小回転半径9.7m直角旋回専有幅:7.0mと、意外に小まわりが利く。

連節バスについて解説

 運転手ひとりでこれだけの車両を運転・管理するため、安全確認やセキュリティについても万全を期している。車両側方・後方に確認カメラが装備されていることに加えて、後車の車内にも同様にカメラがつけられている。また、乗客からの緊急連絡用に、インターホンも用意されているのだ。

 車両サイズが大きいので運用可能な範囲は限られるものの、2024年問題などといった運輸業界が抱える問題を、解決する一助になることは間違いないだろう。

連節バスについて解説

連節バスについて解説

運転がめちゃくちゃ難しそうだけどじつは「けん引免許」不要! 旅客輸送の抱える問題を「連節バス」なら解決できる